どうも、すこっちです。(^o^)
先日、仙台に出た際にすこっちお気に入りのBarに立ち寄った。
まだ早い時間だったので、お客さんは一組だけ。店員さん他愛のない話をしながら、メニューを眺めていたら、ふと1冊の本が目に留まった。
ここのお店はカウンターにウィスキーに関する本を何冊か並べてあるのです。
ほとんどの人は、「飲み」と「会話」がメインで置かれた本に興味を示す人はごく僅かだろうなと思うのですが、あえて1冊だけペラペラとめくるうち、なかなか興味深いことが書かれてあるページに出くわした。
山崎蒸留所の貯蔵ブレンドグループの嘉満さんという方がここ数年取り組んでおられるのが、ウィスキーの”後熟”に用いる樽探しなのだそうだ。
”後熟”というのは、充分な熟成を終えた原酒をブレンドした後、再び樽に寝かせる工程で、これによってウィスキーの香味が安定し、よりまろやかな味わいになるとのこと。
この”後熟”にふさわしい樽の条件というのが2つありまして、1つは”丈夫なこと”、そしてもう1つは”枯れている”ことなのだという。
丈夫というのはなんとなく分かりますよね。小さなひび割れが一つもない、完全に漏れのない樽を指す。ブレンドを終えた大事な原酒ですから、1滴たりとも無駄には出来ないからである。
そして、”枯れた樽”というのは、長年ウィスキーの熟成を何度も繰り返すうちに、熟成力が弱くなった樽を指す。後熟の工程では、余計に熟成が進んでしまうと、ブレンドした香味のバランスが崩れてしまうので、熟成力の強い樽は不向きなのだそうだ。
”丈夫”でしかも”枯れた樽”
これが超難しいらしい。なぜなら見た目だけでは判断がつかないからだ。
その樽がこれまでウィスキーの熟成を何度繰り返したかというのはデータで知ることが出来る。その履歴を元に当たりを付け、何万という樽の中から後熟に適した樽を探し出す。
こうして探し当てる後熟樽は1年に数百丁ほど。この先、12年もの、18年ものといったプレミアなウィスキーを多く製造するためには”後熟樽”はますます必要になってくるとのこと。
さて、このブログを読んでいただいているみなさんはすこっちが何を伝えたいのか察しがつきましたでしょうか?(勘のいい方は分かりましたよね)
そう、長期熟成のウィスキーを製造するのに欠かせない”後熟樽”。その”後熟樽”にふさわしい2つの条件は、”丈夫なこと”と”枯れている”こと。
「”丈夫”でしかも”枯れた樽”」
これって、どこかアタシらアラフィフ世代さらにはアラ還世代にもドンピシャで当てはまるとは思いませんか?
なんか日本って外国以上に人の能力を年齢というつまらない一つの物差しだけで、十把一絡げにして勝手に「カウントダウン世代」のように扱い始める。何かと言うと、若い人、若い人って若いというだけで株価が上がるような風潮があるけれど、それってどうなんだろう?
確かに若い人には昨今のデジタル社会の免疫もあるし、バイタリティも将来性もあるかもしれない。でもさ、アラフィフやアラ還にだって今まで培ってきた経験や感性という目には見えない宝物をいっぱい持っている。
ドラクエだって、経験値をいっぱい持っている方が呪文を多く覚えていたり、多く唱えられたり、攻撃力だってアップしてるでしょって。ドラキーに手こずってるような若造と一緒にして欲しくないですよね。
亀仙人には亀仙人の良さもある。
そしてね、確かに体力は衰えたかもしんない、物覚えも悪くなってるし、瞬発力も落ちてるかも知んない。そう、樽の話に置き換えれば”枯れてる”だよ。
でも、後熟樽は”枯れている”ことに価値がある。そして、そこにちょっとした病気にはびくともしない健康維持には定評のある”丈夫さ”を持ち合わせていれば、そりゃあもう”後熟樽”として立派に合格ってことですから。
明日からみなさんが卑屈になることはない。正々堂々と”後熟樽”として生きていけばいいんです。ビールや焼酎やカクテルでは味わえない香りと深みとまろやかさはウィスキーならではの”琥珀色の勲章”なんですから。
週末は”後熟樽”で熟成されたウィスキーで乾杯って、どうですかね。🥂