行動経済学の妙、ヒューリスティックについて考える | 仙台城 謎の覆面ガイド「すこっち」のブログ

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平日はフツーの会社員、しかし週末は伊達政宗の居城「仙台城」にてボランティアガイドを務める謎の男、「すこっち」。
ウィスキー好きで名付けたハンドルネームで、ジャンルを問わず、縦横無尽にブログで語り尽くします。

あなたも「すこっち」に酔いしれてみませんか?

どうも、すこっちです。!(^^)!

 

最近、衝動買いでこんな本を読みました。

 

本の表紙からして、なんとなくイラストが多くて読みやすそう。

 

そして、心理学などに興味のある人なら、ちょっとそそられる内容では?

 

こういう誘惑に弱いすこっちさんですから、早速購入して読み始めました。

 

そうしたら、これが面白いのなんのって。

 

アタシたちが日常、当たり前に考えて行動をしていることにも、ちゃんとした法則性がありまして、知らず知らずのうちに取っている行動が実は、研究され分析されている。

 

結局のところ、アタシたちは大手企業や国家、資本家たちがそういう奥義を利用して、手の平の上で転がされているんですよ、ということを分かり易く解き明かしてくれている。

 

本当であれば、内容の全部をみなさんにお裾分けタイムと行きたいところなのですが、そうすると長くなるので、今回は肝中の肝とも言える、「ヒューリスティック」について書きたいと思います。

 

さて、「ヒューリスティック」とはなんぞや?

 

あとでググって見てもらっていいんですが、「ヒューリスティック」とは、人間の意思決定を手助けするように働く思考プロセスのことで、自信の経験を元に最適な手段を見つけ出すため、「簡便法」とも呼ばれます。ヒューリスティックの最大の特徴は判断の速さ。深く考える必要の無い場面で、瞬時に応えを導き出してくれるのですが、反面、デメリットもある。

 

一方、これとは対をなす思考プロセスとして、「「システマティック」がある。

これは、「ヒューリスティック」の逆で、パソコンのような高価なものや、こだわりの強いものを買うときに、性能、価格、用途など様々な条件を考慮して、熟考して結論を導き出す思考のこと。

 

つまり、人間はこの「直感」と「熟考」を使い分けていると言えます。

 

では、「ヒューリスティック」の具体例を挙げていきます。

 

その1.「トマトが①2個で198円のものと、②2個で298円(高級)のもの、あなたならどっちを選ぶ?」

 

スーパーに行けばこんなシチュエーションってありますよね、値段重視なら断然198円に軍配が上がるでしょう。でも、「今日は特別な日だから」とか、「栄養を付けようか」とか、「トマトソースに使うんでグレードの高い方が」といろんな要素を考えて、最終決断を下す。情報過多でも、瞬時に答えを導き出せるのは、「ヒューリスティック」が働いているからなのです。

 

その2.「テレビCMやWEB広告などでよく目にした商品をついつい買ってしまう。」

 

ありますね~、こういうの。アタシも楽天イーグルスではなく、楽天市場のお世話にお世話になってる。

これは、よく見聞きする商品は記憶に強く残り、思い出しやすい。なので、その記憶を利用する可能性が高いので、値段や品質について細かく検証することなく、直感的にその商品を選んでしまう。

これを、「利用性ヒューリスティック」と呼ぶそうです。

そうそう、ジングル(サウンドロゴ)なんかもこれに当たります。「お値段以上、ニトリ。」とか、「心も満タンに」なんかも耳に残りますもんね。

 

その3.「興味のあることだけは、なぜか聞こえるのはなんで?」

 

よくスーパーの館内放送では様々な情報が流れますよね。しかも、以外と聞き取りづらい。だけど、例えば「ウィスキーのデュワーズが2本で1,500円!(これはかなりお得なのよ)なんて情報が流れてきたら、アタシの妖怪アンテナはピン!と反応する。つまり、人間は興味のある対象、意識している対象にのみ注意を向ける「選択的知覚」という能力を持っているんです。また、立食パーティーなどで周りがうるさくても相手の話が聞き取れるのは「カクテルパーティー効果」という「利用性ヒューリスティック」が働いているからなのだそうです。

 

これも、人類が今まで生き延びてくるのに必要な能力だったんでしょうかね。

 

その4.「バナナを1ヶ月食べ続けた人の5人中4人が体重3㎏減!という文句に釣られる人々」

 

アタシはダイエットにはじぇんじぇん縁の無い人なんですが、こういうのTVや雑誌やネットでよく拝見しますわね。それで、食品売り場のバナナが姿を消したとか、入荷まで○日待ちとか。

このようにサンプルが少ないのに、「バナナを食べれば痩せる」という結論に持っていってしまう思考を「少数の法則」と呼びます。代表的なものだけを見て、全体も同様であると結論づける直感的な考えを「代表性ヒューリスティック」と呼ぶんだそうです。

 

アタシもこれに釣られて、背が伸びる伸長法とか英会話教材とか、さんざん買ったっけなぁ~、(-_-;)

 

その5.なぜ、反対意見は受け入れられないのか?」

 

民主主義国家だよね、日本って。なのに、得てして反対意見は抹殺される。(-_-;)

これは、人は自分の考えを肯定する理由は積極的に探す(固着する)が、そうでない意見は受け入れない傾向があるからなのです。自分の考えや思い込みに固着し、肯定的な情報ばかりを集めてしまうことを「確証バイアス」と呼びます。この確証バイアスを引き起こすのが、「固着性ヒューリスティック」。

 

コロナウィルスワクチン接種がまさにこれですね。

 

ニュースで連日報道されているから、分科会の尾見会長が勧めるから、だって医者がそう言ってるじゃん。それみんな、「確証バイアス」がスーパーサイヤ人なみに働いています。あなたの「固着性ヒューリスティック」を引っぺがすのは容易ではありません。

 

「固着性ヒューリスティック」には「フレーミング効果」というのもあります。全く同じ事柄なのにも関わらず、言い方や書き方が異なることで、受け取り方が変わり、選択も変わることです。タウリン1グラムよりもタウリン1,000㎎の方がいっぱ入っていて効きそうな感じがしますよね、そういうヤツです。

また、「アンカリング効果」というのもあります。希望小売価格が二重線で消してあって、販売価格が表示されていると、希望小売価格がアンカー(錨)となって、それに影響されて、安いと感じる。

正直、その希望小売価格の根拠が本当かどうかなんて誰も分からないのに。

 

他にもパチンコで注ぎ込んでしまった台が出ないのに執着して、さらにお金を注ぎ込んでしまう「サンクコスト効果」という「固着性ヒューリスティック」とか、同じワインでも高い値段のラベルが貼られていると、高級=美味しいんだ!と感じてしまう「プラシーボ効果」という「固着性ヒューリスティック」などもありますが、きりがなりのでこのぐらいにしておきます。

 

あなたの無意識な行動、だがそれにはちゃーんとした理論や理由付けがある。

 

それを知っておくことで、「あーなるほどこれは、固着性ヒューリスティックが作用してるんだな」ってな感じで自分の中で認知しているだけでも、自分の行動がコントロール出来て、間違った判断にブレーキが掛けられるのではないかとアタシは思います。

 

興味を持たれた方は、ぜひお手にとってご一読を頂ければ幸いです。(^^ゞ