スポーツに見る国民性の違いから何を読み解くか? | 仙台城 謎の覆面ガイド「すこっち」のブログ

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平日はフツーの会社員、しかし週末は伊達政宗の居城「仙台城」にてボランティアガイドを務める謎の男、「すこっち」。
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どうも、すこっちです。(^_^)

 

昨日は中村俊輔さんの「察知力」について書きましたが、最近スポーツ本に興味を持ってよく読むようにしている。そうすると、同じスポーツでも国によって考え方だったり、取り組み方に大きな違いがあるんだなあということを気付かされる。

 

例えば、日本人選手がアメリカでなかなかホームランバッターになれないのはなぜか?という質問に対してあるアナウンサーの方がこんな回答をされていた。

 

「日本人は最初にキャッチボールから始めるから、アメリカとかは打つことから始めるんですけど。」

 

なるほど。確かにアタシも子供の頃、地区の少年野球をやっていたことがあるが、まずはキャッチボールから始めるように教わった。「キャッチボールは野球の基本だから、相手の胸を目掛けて投げなさい。」ってね。でも、アメリカでは打つことから始めるらしい。確かに打つことの方が正直、楽しい。基本に忠実で回りとの調和を大事にし、守り勝つ野球=基本のキャッチボールが大事の日本流。一方では、「楽しいことから始めるのが大事でしょ」=打ち勝つ野球のアメリカンベースボール。

 

正解はありませんが、なるほど野球一つとってもこれだけ違う。

 

同じようなことがサッカーにもある。

 

各国の子供たちにサッカーボールを渡したとき、何をするかで文化の違いが出るという。

 

日本の子供たちはボール回しみたいなことをやり始めるが、ドイツではGKを置いてシュートゲーム。外したら、そいつがGK。子供の頃からシュートに対する意識が高いからシュートが上手いんだとか。

 

なるほど。ここでも聖徳太子の「和を以て貴しとなす」が色濃く出ましたね。日本人は俺が俺がではなく、周りとの協調、調和を大事にする。だから、パス回しから始める。これだったら、角が立たない。その点、ドイツはシュート=ゴールが決まるという面白さを競い合うというところからスタートしている。

 

アタシは素人なんで詳しいことは分かりませんが、よく日本代表の試合なんかを観戦していて、せっかく攻めているのに、ペナルティエリア周辺で責任転嫁をしているようなパスを回す光景って、ひょっとしてこういう子供の頃からの習慣が染みついているからだったりするのかな?

 

以前、シュトゥトガルドでプレーしていた岡崎慎司が2012-2013シーズン、チームがヨーロッパリーグを勝ち進んだとき、「優勝を目指す」とチームメイトに宣言したら、逆にチームメイトから「滅多なことを言うな!そんな出来もしないことを言って、失敗したらどうするんだ。チームがバラバラになるぞ。」とたしなめられ、困惑したことがあったらしい。

 

岡崎の気持ちはよーく分かるが、ドイツ人の方が大人だということ。彼らはチームが生き物であることをよく分かっている。高すぎる目標と現実の乖離は、試合で失敗をするたびに「こんなんじゃダメだ」と自身を焦らせ、個人プレーに走らせる。その結果、出来ないプレーを遮二無二やろうとして、今までに出来ていたプレーさえ発揮できなくなり、結果チームは悪循環に陥る。

 

これって、日本人が陥りがちなことだよね。チームを鼓舞するために実力は伴わないことは感じているのに、あえて高い目標設定をぶち上げる。試合では焦って、気持ちだけが空回りして本当だったら良い勝負が出来たはずなのに、無残な結果に終わる。会社勤めの方の仕事でも似たようなことがあるかもね。こういう「空手形」は切らないことに越したことは無い。石橋を叩いても渡らない慎重さが常に必要なんだよ、ということをドイツ人は分かっていらっしゃるのかな。伊達に2回も世界大戦で敗北してないよね。

 

以前サッカー日本代表の試合で、イタリアに2-0でリードしておきながら、最後には3-4で逆転負けを喫したことがあった。この試合を観ていたブラジル人のタクシー運転手はこんなことを言っていた。

 

「日本人はイノセントだ」と。

 

INNOCENT=「潔白な、汚れのない、無邪気な、お人好しな、無害な)

 

この運転手は恐らく、こんなことを言いたかったんでしょう。

 

「前半で2-0とリードしていたんでしょ。前半終了頃には日本代表も疲れて運動量も落ちてきていた。だったら、前方に攻めてばかりではなくて、ボールを保持しながらイタリアを走らせてバカンスを過ごしていればよかったんだよ。だけど、勤勉な日本人はオフを取ることを知らない。休日出勤でさらに疲弊して、結局負けちゃったんだよ。

 

なるほどね~。日本人の勤勉さが仇となったということか。確かにサッカーには駆け引きも必要。ディフェンスの要所させ抑えておいて、決定的なシーンさえ作らせなければ、相手にボールを保持してもらった方が時間も稼げる。そんな心のカフェタイムが大舞台でやれるのか、やれないのか。そういうことも世界で天下を獲るには身に付けなければならない。うーん( -_-)奥が深いなあ。

 

そして、日本人の場合、名前負けっていうのもあるよね。

 

あるサッカー部の中学生が公園で練習をしていたら、たまたま通りかかった成人男性が1対1の勝負をやろうと申し込んできた。10回やって中学生は2勝、男性はかなり上手く、中学生はなかなかボールを奪えなかった。

 

似たようなシチュエーションの中学生に対して、同じ成人男性が今度はこのようには話しかけた。

「俺はプロサッカー選手の○○だけど、1対1をやらないか?」と。

この時点で名前に萎縮した中学生は、10回やっても1回も勝てなかった。

 

みなさんはこれをどう見ますか?

 

中学生の体の動きや反応力は何も変わっていない。要は「プロサッカー選手の○○」という印象操作に心を支配され、メンタルが揺さぶられてしまったということ。頭から「プロじゃ勝てるわけが無い」、「ボールを獲れなくて当たり前だ」そんなネガティブキャンペーンに体が支配されると、体はシャープには動かなくなる。日本代表も対ブラジルとか対イタリア、対ドイツという金看板に完全に呑まれしまっている。いにしえの昔、世界最強と謳われたモンゴル帝国(元)を見事に撃退したというのに、、、。(-_-;)

 

やっぱり、なんだかんだ言っても前述したブラジル人のタクシー運転手の一言に尽きるね。

イノセントワールドな日本。ミスチルの唄は良い曲だけど、そろそろイノセントも少し卒業しませんとな。

 

その日1日が楽しく過ごせれば的なラテンのノリを日本人にも注入しないとね。(^o^)