どうも、すこっちです。(^o^)
久々の読書ネタである。今回は図書館から借りてきた「動くが負け」を読み終わりましたよー。(^^ゞ
岡田彰布と言えば、アタシら世代だったら知らない人はいないでしょう。そう、阪神の不動の5番バッターですよね。1985年の日本一になった年のバース、掛布、岡田の3連続バックスクリーンへのホームランはプロ野球界の語り草になっていますよね。
現役晩年、オリックスへ移籍し引退後指導者としての人生はオリックスだった。その後、2004-2008まで阪神の監督を務められて、リーグ優勝。オリックスでも監督を務められた。
そんな岡田彰布さんの本を読んで心に残った部分をみなさんにサクッとおすそ分けをしたいと思います。
その1「勝ち続けたらあかん!」
「はあっ?勝ち続けてなにが悪いの?」ファンなら誰でもそう思うでしょう。連勝街道まっしぐらで早々とマジック点灯!優勝を決めてくれたら、それがなによりの喜びじゃあないですか。確かにアタシもそう思っていた、この本を読むまでは。岡田さんの考えに寄れば、シーズン全体にも流れがある。通常ではあり得ないような勝ち方が続き、連勝してしまうと必ず反動が来る。その反動が怖い。連勝が止まった時、選手の気持ちに変化が起こり、それがマイナスに作用しかねない。だから、極端な連勝はいらない。せいぜい3,4連勝で良い。そこで連勝が止まれば、しっかりと反省点をあぶり出して、次に供えることが出来る。成功ばかりが続くと、チームが欠点を抱えていても、見過ごしがちになる。連勝が10まで伸びる、そこには明らかに「勢い」という不確定要素が介在してくる。チームが安定しているときは、勢いは必要ない。
なるほど。「好事魔多し」連勝しっぱなしっていうのもなんか、気味が悪い気がしないでも無い。10連勝の後、10連敗では結果は5割。それよりも、2勝1敗を続けていけるチームの方が安定して勝ち星を積み重ねられる分けだから、理にかなっているのかもしれません。ある意味、目からウロコな発想かも。
その2「負けた試合で戦犯を作らない」
これはよくありますよねー。「浅村が4三振、あのチャンスに打ってくれたら勝てたのに」みたいなね。あとは、「なんだや松井が9回に同点ホームランを打たれ無かったら、勝ってたのに」とかね。
岡田さん曰く、試合に負けたときは、全員に責任が分散されている方が望ましいんだそうです。まー確かにね、その人だけ責めても次の日もそのまた次の日も試合がある分けですから、プロの場合。
だったら、全員で泥を被る。そして、忘れて切り替える。優勝するチームでも年間50試合ぐらいは負けるんだから、その度に1人に責任を負わせていたら、健全なチームにはなれない。逆に勝つときは1人がヒーローになってもいい。
野球は団体競技だからね。昔、高校野球の決定的な場面でエラーをして、地元に帰っても相当辛い立場に追い込まれたって話を聞いたことがあるけど、そういう「正義警察」風を吹かせ過ぎっていうのも、ある意味困りもの。長いシーズンだったら、それはなおさらなんでしょうなあ。
その3「打撃コーチとして最初に教えたのはバットの握り方?」
これは本人が書いているんだから、正真正銘の事実なんでしょう。オリックスの2軍の打撃コーチとして、指導者人生をスタートした岡田さん。彼が2軍の選手に最初に教えたこと、それはバットの握り方だったんだそうです。つまり、それだけ当時のオリックスの2軍のレベルはたかが知れていた。入団1年目からバリバリ1軍でやっていた彼にとっては、まずはこのプロのレベルの違いを受け止めて、自分の目線を下げて、熱心に指導するところからスタートしたんだそうです。
彼の指導を受けた野手はめきめきバッティングが上達。我も我もと指導の列が出来て、バッティングピッチャーをやり過ぎて肩がおかしくなったのだそうです。でも、その甲斐あってか指導2年目にはオリックスの2軍はウェスタンリーグで優勝を成し遂げる。
その4「プロは心技体ではなく、技心体」
高校を卒業してプロに入ったばかりのルーキーが一番最初にやることは体力作りと考えている指導者が多いですよね。マスコミもそういう感じの報道をする。だけど、7年間2軍を指導してきた岡田さんはこう言う。選手という生き物は、若くて実績がないときしか、指導者の言うことを「はい、分かりました」と素直に聞かないものだ。年数を重ねて蓄積された、小さなプライドが成長を妨げる要因になる。
だから、指導者の話に素直に耳を傾けてくれる時期に、しっかりと技術を教えてあげなければいけない。2軍には体だけたくましくなって、技術が上達しないまま、引退していく選手が大勢いる。これは、ダメな2軍選手の典型であり、指導者の責任である。技術を身に付け、今まで打てなかった変化球が打てるようになれば、野球がますます面白くなって、練習にもそれまで以上に積極的に取り組むだろう。そうすれば、体力などは練習量に比例して自然についてくるものなのだ。
ごもっとも!おっしゃるとおりかもしんない。会社でも同じようことが言える。雑用から新人はスタートして仕事を覚えていくのが当たり前だと思っているけど、実は仕事の面白い肝みたいなものをきちんと教えてあげられる体制が出来上がっていれば、新人とはいえ十分戦力になり得るのかもしれません。
大事なことは、固定観念にとらわれない。新人の身になって考えることなのかな。
その5「エラーをした次の日に特守、負けた試合の直後のミーティングは悪!?」
これも岡田流発想法の一つなのかな。
選手がエラーをした次の日に特守を命じるコーチがいる。打てなかった試合の翌日に若い主力打者に特打を命じるコーチがいる。負けた試合の直後にミーティングを開く監督がいる。でも、ピンチで打たれた投手は責任を感じているし、チャンスで打てなかった野手も責任を感じている。担当コーチだって、なにが悪かったのかその理由は分かっている。
負けたときに、自分が分かっている反省点をあらためて指摘されると、人間は誰しも腹が立つ。傷口に塩を塗り込むとのと一緒だ。だから私は、負けた試合の直後はなにも語らずに監督室に入る。次の試合までに確認しておかなければならないことは、試合の日の朝にやる。その方がみんなが話をしっかりと聞ける精神状態だし、言葉が素直に耳に入り、記憶に残る。逆に勝ったときは、直後に課題を確認するのに最適なタイミングである。勝てばみんなの心に余裕も出来て、課題を指摘されても、すんなりと耳に入りやすい。
まあ、これもケースバイケースなんでしょうけど、確かに日本人はというか、昭和のスパルタ教育の名残を引きずっている指導者はやっちゃうよね~。会社でもあるよね、ミスを犯したときのミーティング。
不思議と上手くいったときには、どうして上手くいったのか?なにが良かったのか?こうすればもっと良くなるのでは?なんてミーティングはしないもんね。勝てば官軍っていう考え方は、永遠に不滅ですって感じ。腹が立つ選手の身になって考える。これは、なかなか出来ないことだね。
以上がすこっちなりにまとめたこの本の心に刺さったいいところの紹介でした。
みなさんの心にも刺さったかな?
ただね、結果だけを見ると、岡田さんの監督としての戦績はリーグ優勝1回のみ。果たしてそれがどう評価されるのかは微妙なところでもあるんですが、こういう考え方もあるんだよっていうところは大いに学ぶべき所はあると感じましたね。
ぜひ、興味があるという方は、図書館に行って、読んでみてくださいね。(^o^)