人は観光地で何を持ち帰るのか? | 仙台城 謎の覆面ガイド「すこっち」のブログ

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平日はフツーの会社員、しかし週末は伊達政宗の居城「仙台城」にてボランティアガイドを務める謎の男、「すこっち」。
ウィスキー好きで名付けたハンドルネームで、ジャンルを問わず、縦横無尽にブログで語り尽くします。

あなたも「すこっち」に酔いしれてみませんか?

どうも、すこっちです。(^^♪

 

仙台城ガイドのすこっちですが、ただいまはコロナ禍のため休職中。(-_-;)

 

日々悶々とした日々ではありますが、ものは考えようで、こんな時だからこそ、ガイドについて深く掘り下げて考えてみることも多くなりました。

 

最近ふと思ったのが、「人は観光地で何を見て帰るのか?」ということです。

 

「いやいや、何をって、そりゃあ、城とかお寺とか有名な旧所や名跡でしょう。」

 

確かに、おっしゃる通りです。だから、誰しも雑誌やネットで取り上げられている観光名所になんの疑問も持たずに足を運ぶ。そして、姿、形のあるものを見て、「ほっほ~、これが有名な〇〇ですか。」と、その良さもよく分からないけれど、それなりに見た気を満足させて、観光地を後にする。

 

アタシのホームグランドである仙台城。ここには、建物がなあーんも無い。訪れた人が唯一目にすることが出来るのは、昭和43年再建された大手門脇櫓と平成16年に修復が完了した北面石垣。あとは、本丸に鎮座する伊達政宗騎馬像ぐらいでしょうか。

 

一般ピープルが普通の感覚でここを訪れると、決まって抱く感情。

 

「仙台城って、なんも無いんだね、騎馬像だけじゃん」

 

「眺めはいいけど、なんか、いまひとつパッとしないね。」

 

こんなところであろう。

 

当たり前といえば、当たり前。だって、人は基本的に目に見えるものにしか価値を見出さないから。たぶん、アタシも仙台城ガイドというものをやっていなければ、観光地に行って同じような感情を抱いていたはず。「なーんだ、来てもあんまし意味が無かったね。美味しいものでも食べて帰ろうか!」ってね。

 

でもね、少なくともこのブログを読んでいらっしゃる読者の皆さんには分かって頂けると思うのでここから先を耳の穴をかっぽじって聞いて欲しい。

 

世の中というのは目に見えるもの、形のあるものが全てでは無いのです。

 

そこから見える景色、感じる風、空気。城跡だったら、自分を城があった頃まで心だけでもタイムスリップさせてみてください。仙台城だったら、かつてそこには政宗様も片倉小十郎も伊達成実も支倉常長もビスカイノもルイス・ソテロも実際にいたんです。時代は違うけど、今自分は伊達家オールスターズがいたのと同じ場所に立っていて、同じ空気を吸っている。そんな想像を巡らせるだけでも、十分ノスタルジーを感じられるはずなんです。

 

そしてね、手前味噌になるけど観光地に行ったら、ぜひとも私たちのような観光地のガイドさんの話を聞いてみて欲しい。確かに、限られた時間の中で裂ける時間は少ないかもしれない。早いとこ、お土産売り場も見たいし、買い食いもしたい。

 

ここから先は旅行気分に水を差すような言い方なんで、先に謝っておきますね。<m(__)m>

 

「名物にうまいものなし」なんて言葉を聞いたことがないですか?

 

いや、もちろんそれなりに美味しいですよ。まるっきりダメ出しなどする気はない。

でもさ、その土地で生まれてその土地で育った人からしたら、なんだかんだ言っても自分が昔から馴染んできた郷土の味に勝るものは無いと、アタシは思う。多少、今までに食べたことのない食感や味付けに遭遇して、「美味!」って思うことはあるけど、そんなのずーっとリピートするってことは無いでしょう。

 

そしてね、形のある建造物にアトラクション。これも、否定する気はありません。

自分の住んでいるところには無い旧所・名跡やアトラクションを見たり、体験するのは新鮮だし、経験値アップにもなります。なにより自分の話のストックにもなりますもんね。

 

でも、意外とあの時、あの観光地で撮った写真がスマホのフォルダにぎっしりと溜まっていませんか?

んでもって、その写真って繰り返し見るの?振り返ったの?それは何回ぐらい?ってなっていませんか?

 

結局のところ、せっかく旅費を掛けて行った観光地の思い出は、振り返ってみるととっても薄っぺらいものになってしまっていることが多い。残ったのは疲れだけ?ってこともある。

 

あの時観光地で買ったお土産も、、、。(-_-;)

 

だからこその観光ガイドなんです。もし、あなたが先に述べた「心だけタイムスリップ」が出来る人だったら、ガイドさんの話を興味を持って耳を傾けることが出来るはず。そうしたらどうなると思います?仮にそんなに歴史に詳しくなくても、一つ一つの話が砂にしみ込む水のようにあなたの思い出となる。

 

そうやって、限られた時間の中で地元のガイドさんとコミュニケーションを取ることで、そのあとの観光に役に立つ情報をGet出来るかもしれないし、なによりも見ず知らずの土地で、地元の人と会話を楽しめるなんて機会、そうそうないでしょう。ガイドを頼まないで観光地を立ち去るなんて、それは明らかに人生のせっかくのチャンスを自ら放棄しているのと一緒だよ。

 

「先日、Go to キャンペーンを利用して仙台に行ってきた。仙台城はなんも無かったけど、ずんだ餅と仙台牛タンは美味しかったよ。」

 

と、これがあなたの今までの観光地の楽しみ方。

 

でも、ここまでブログを読んでくれたみなさんのこれからの観光地の楽しみ方はこうでしょう。

 

「先日、Go to キャンペーンを利用して仙台に行ってきた。いやー仙台城のガイドさんの話が面白くってさー、伊達の一本締めって知ってる?

 

それと、ガイドさんにお勧めして頂いた、〇〇ってお店の料理、最高だったよ!なんか、違うガイドさんの話を聞きにもう1回仙台に行っても、楽しいかもしんない。他にも見て回りたいところもこの前のガイドさんに教えてもらったし。」

 

兼好法師の徒然草の一節にも確か、「先達はあらまほしきことなり」(道先案内人は居た方がいいよ)って書いてあった。この際、観光地ではガイドさんを良き道先案内人として、旅を満喫しようではありませんか?

 

いつの日か、みなさんとご縁があって、こんなことを書いているすこっちと仙台城でお会いできる日を心待ちにしております。

 

まー無いとは思いますが、仙台城に来て、ガイドに付いた人が「ひょっとして、この人がすこっちさんでは?」と疑念を抱いた時には、合言葉を決めておきましょうかね。

 

では、その合言葉を発表しまーす!(^^)/

 

「バーボンとスコッチだったら、どちらが好きですか?」

 

もちろん、「すこっちです!」と答えますんで、よろしく。!(^^)!