仙台城は平山城だから面白いのですよ。 | 仙台城 謎の覆面ガイド「すこっち」のブログ

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平日はフツーの会社員、しかし週末は伊達政宗の居城「仙台城」にてボランティアガイドを務める謎の男、「すこっち」。
ウィスキー好きで名付けたハンドルネームで、ジャンルを問わず、縦横無尽にブログで語り尽くします。

あなたも「すこっち」に酔いしれてみませんか?

どうも、すこっちです。!(^^)!

 

最近巷では、お城というものがメジャーになり、お城フリークと言われる方もずいぶん増えましたね。

 

でも、にわかお城フリークの方であればあるほど、こんなコメントを良く耳にします。

 

「仙台城って天守閣って無かったんですね。」

 

「あれ?お城とかの建物ってないんでしたっけか?」

 

「せっかくきつい坂を登って来たのに、着いてみたらなんも無いんですね。」

 

たぶん、アタシを含めたガイドの方々は一度は耳にしたことのある殺し文句、だったりします。(-_-;)

 

では、ここでみなさんに目を覚ましてもらいますか?って言うか目からウロコを落としてもらうために、

私、すこっちがちょいと講義をしたいと思います。

 

そもそも、城って何のために建てるのでしょうか?

 

これって、分かりやすく言うと「雪合戦」なんですよね。ようは自分の陣地を守って、相手の陣地を攻める。

自分の陣地は簡単に攻め落とされないように、空掘りや土塁で囲ったわけなのね。皆さんがイメージする姫路城や彦根城のようなビジュアル系の城って、実は城全体の内の数パーセントに満たない。日本全国にある城のほとんどは、非ビジュアル系の土の城がほとんど。その数は4万~5万というから、実にコンビニの数と同じくらいの地味~なお城が多数派なのです。

 

今の「現存12天守」って言われるお城のほとんどは戦の無くなったは関ヶ原の合戦以降に建てられたか、改築されたもの。つまりは、要塞としての城ではなく、ランドマーク的な要素の方が強かった。「うちのお殿様はこんな立派なお城を建てられるんだから、偉いよね~。」的な感じね。

 

じゃあ、仙台城はどうなのかというとですね、これ、明らかに戦闘を意識した軍事要塞だったのよね。このお城が建て始まったのは1600年の9月に関ヶ原の戦いが終わった年の12月。上杉は西軍に組して負けたことにはなっているけど、実際に徳川軍とか東軍とがっぷり四つに組んで戦闘をしたわけでは無い。

 

それに関ヶ原の戦いって立派に語られるけど、ようは豊臣政権の内輪もめでしかない。あの謙信公の鍛えあげた軍隊はほとんど無傷で会津に残っている。そんな上杉軍といつ一戦交えることになってもいいようにと伊達政宗が急ピッチで築き上げたのが「仙台城」だ。

 

このお城、「平山城」に分類されることが多いんですが、一般的なビジュアル系城郭よりも凄いところが盛りだくさんなのです。

 

その1 敵の軍勢の突進を阻む仕掛けがよく分かる!

 

これわね、大手門の前や登城路をガイドさんと一緒に歩きながら説明をしてもらうとよく分かるんだけど、いわゆる曲輪(くるわ)や枡形と言った敵の突進をさせないための仕掛けがところどころにあるんです。

本当のお城マニアって、建物をバックにインスタ映えを求めているんじゃないのよ。こうした、城のコアな造りや仕掛けを見てるんです。これも、平山城ならではなんですね。

 

その2 疲れるけれど、急こう配も城の魅力ってことです

 

お城の中にはエレベータ完備のお城もあったりするけど、何を言ってるの!お城に来たんだから、坂を登らないでどうするの?先にも行ったけど、そもそもお城って、敵に侵入されないためのもんでしょ。だったら、急こう配にするとか、堀切と言って、尾根を遮断したりする仕掛けは当たり前。そんな宝石箱のようなお城のアスレチック的な仕掛けを汗をかいて体感するからこそ、面白い。こういう噛めば噛むほど味が出るようなお城の仕組みこそ、城めぐりの醍醐味なんだし、体験しなきゃあ、損、損。

 

その3 ようやくたどり着いた本丸でまたまた魅力を発見出来る

 

汗をかきかき登って、ようやく辿り着いた本丸。ロールプレイングゲームで言うところの「ラスボス」との最終決戦の地に乗り込んだ心境だ。もちろん、ここにはあの有名な「伊達政宗の騎馬像」があるわけなのですが、えっ?そこで写真を撮るだけでエンディングを迎えちゃうのかい?そんな最強の復活の呪文で最高レベルのパーティーでラスボスを倒すみたいなことして、楽しいんかい!

 

違うでしょう!ここはですね、アタシを始めとする仙台城ガイドさんに道先案内人となってもらって、仙台城の魅力を隅から隅までガイドしてもらうのが醍醐味ってもんでしょうが!

 

徒然草にもこんな一節がありましたよ「先達はあらまほしきことなり」ってね。道先案内人は今も昔も大事なパートナーなんですから。

 

とまあ、建物は無いけれど、平山城の仙台城だからこそ、これだけアグレシブルに楽しめちゃうんです。(行くまでの道中も案内してもらえると、さらに楽しいんだけどね)

 

フツーにお城巡りをするとなると、けっこう交通の便が悪かったりするんです。その点、仙台城はアクセス良いよね~。仙台駅からるーぷる仙台というバスもあるし、地下鉄でも行けちゃう。しかも、瑞鳳殿に大崎八幡宮なども周辺にある。こんな利便性も兼ね備えた観光地って珍しいんじゃないかしら。

 

ぜひ、そのロールプレイングな魅力の仙台城に足を運んでみてください。

 

その時はアタシがMPを補給して差し上げますから。!(^^)!