すこっち映画ナゥ「鈴木家の嘘」を鑑賞 | 仙台城 謎の覆面ガイド「すこっち」のブログ

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平日はフツーの会社員、しかし週末は伊達政宗の居城「仙台城」にてボランティアガイドを務める謎の男、「すこっち」。
ウィスキー好きで名付けたハンドルネームで、ジャンルを問わず、縦横無尽にブログで語り尽くします。

あなたも「すこっち」に酔いしれてみませんか?

どうも、すこっちです。!(^^)!

 

最近のアタシが観る映画の傾向は、現代の社会問題を取り上げたような作品が多いんですが、今日紹介する「鈴木家の嘘」はお子さんをお持ちの方にはぜひとも観て欲しい作品の一つです。

 

では、この作品のストーリーを簡単に紹介しますと、

 

ごくフツーの一般的な4人家族。その家族構成は父・母・妹そして引きこもりになっていた長男。映画は冒頭からこの長男の自殺するという衝撃的なシーンからスタートする。

 

父親も妹も半ば付いていけなくなっていた長男の存在に、一人寄り添っていた母親がその自殺のショックで断片的な記憶を失ってしまう。長男の存在を聞かれた時、妹がとっさに「お兄ちゃんは引きこもりを止めて、アルゼンチンで元気に働いているよ。」と嘘をついたことから、その嘘を貫き通すために鈴木一家が奮闘するというストーリーなのです。

 

いやーこの映画、ところどころに笑えるポイントも散りばめられているんだけど、本当に辛さが胸に浸みるって感じなんです。(-_-;)

 

今の世の中、子供に限れば、引きこもりにパサライトシングル、親だったら介護や認知症などなどだいたい一家族に一つくらいは他人に話せない、話したくない問題って抱えている場合が多い。

 

以前、「さよなら田中さん」という本のブログを書いた時にも紹介したけど、英国には「食器棚の奥の骸骨」という言い回しがあるんだそうです。どんな家庭にも、秘密にしておきたいことがあるという意味ね。

 

この映画はそんな鈴木家の「食器棚の奥の骸骨」が自ら命を絶ってしまうことで、母親は意識不明の記憶喪失になり、妹は第一発見者としてそのトラウマに悩まされ続ける。そうした葛藤が凄くリアルに表現されているわけなんですが、もうね、自分がそのシーン、そのシーンに自分の身を置き換えて感情移入してしまうとね、ところどころで涙が頬を伝って来るんです。「あーそうだよなー、そういう風になるよな~。」ってね。(実際、会場のところどころで、すすり泣きでしたわ)

 

つくづく人を育てるのが難しい世の中になったなあ~って思うよ。(>_<)

 

会社で新入社員や若手を育てるのも難しい世の中だけど、今や自分の子供でさえコントロールが難しくなってしまっている。なんか、昔は親子の関係ももっとシンプルだったような、、、。

基本的には子供も学校教育や地域社会の中で素直さが擦り込まれていたし、親と子の関係、先生と生徒の関係が「一所懸命」、「御恩と奉公」みたいな主従関係が辛うじて残っていたお蔭で、きちんとバランスが保たれていたような気がする。

 

家庭の経済事情がよろしくないとなれば、それは「お家の一大事」。その一助になればとアルバイトをするとか、高卒で就職するとか親の背中を見て子供は自然に感じ取って行動をしていた。

 

だけど、今では世の中のなにもかにもが何でもありのなし崩し。自由な社会、皆平等と聞こえはいいかもしれないけれど、親にとっては受難の時代だ。こと子供に至っては、子供が親の顔色を伺うよりも、「お勉強至上主義」、「総大学進学社会」という錦の御旗を振りかざして、塾に行って勉強をして、ゲームや自分の好きなことはするけれど、家の手伝いや面倒くさいこと、自分の利益にならないことなんかはやらない若者が大手を振って歩けるような社会になってしまった。(-_-;)

 

これが、メディア漬けによる発達障害の影響なのかどうなのかは分かんないけど、感じ取る心ってものが未成熟なんだよね。これって単なる「親の教育がなってないからでしょう。」的な単純論法だけでは片づけられないところまで来ている。親をやっている方もそれは、それで大変なんですよ、この「食器棚の奥の骸骨」って問題は、、、。(>_<)

 

みなさんの家にもたぶん、あるんでしょう「食器棚の奥の骸骨」。

 

この映画を観て、それを考える良い機会にしてみてはいかがでしょうか?

 

この作品、もちろんすこっちおススメ作品です!!(^^)!