どうも、すこっちです。!(^^)!
映画「居酒屋ばぁば」。これだけ聞くと、「そんな映画あったっけ?」と思う人が大半でしょう。
実はこの映画、映画「人生フルーツ」(知らない人はググってみてくださいね)に登場する津端英子さんが居酒屋に行ってみたいとのリクエストを受け、この映画のナレーションを担当した樹木希林さんが名古屋にある居酒屋に招待して、ほろ酔い加減で語り合うという映画なのです。
言って見れば、「人生フルーツ」という映画の番外編、スピンオフ作品なのですが、みなさんご存知のように樹木希林さんが2018年9月15日に逝去されましたよね、なのでこの作品は追悼上映なんです。
だけど、「人生フルーツ」という映画を見た事が無い人には英子さんの存在もピンと来ないですよね。なので、フォーラム仙台では「人生フルーツ」と「居酒屋ばぁば」のセット上映を行っている。(親切だねえ)
続けてみると、よりいっそう楽しめるという優れものなんです。!(^^)!
アタシとカミさんは以前、「人生フルーツ」は観た事があったので、「居酒屋ばぁば」のみを鑑賞。
この映画、ようは樹木さんと英子さんが居酒屋で主に出演していた「人生フルーツ」のことや、夫婦感、老いについて、などなど居酒屋トークをしつつ、映画の1シーンも織り込んでいくという映画だった。
74歳の樹木さんと89歳の英子さんが延々居酒屋トークをするという、まるでダウンタウンの居酒屋をはしごする番組みたいな感じなんですが、そうなんです、樹木さんが亡くなってしまっているじゃないですか。だから、演技じゃない素の顔の樹木さんを拝めるのはたぶん、最近じゃあこの映画ぐらいじゃあないのかなという感じがしました。
スクリーンの樹木さんは、すでに全身ガンに犯されていたことを告知した後だというのに、大変お元気そうだった。あっけらかんとした、そのゆるキャラのようでいて、話し出すととっても人間味があって楽しいお話をされる樹木さん。あー年を取ってもこういう人でありたいな~っていうのがビンビン伝わってきた。映画館のあちらこちらから、樹木さんを思い起こされてすすり泣くような声も聞こえてきた。(アタシもちょっとウルッと来ちゃいました。)(>_<)
この映画の中で印象深かったのが、まずは英子さんの言葉。
「夫には良いものを着せて、いいものを食べさせなくちゃダメなんです。親にそう教えられて来たから。」
聞いたかい?隣で観ていたうちのカミさんよ!そういうことなんだよって。さらに、
「わたしね、お父さんの悪いところは気付いても言わないようにしてたんです。」
「だって、主人は実は小心者で、ストレートに言っちゃうと傷つくから。」
ほら、聞いたかい?もうね、アタシが言いたいこと全部、英子さんが言ってくれたよ、ありがとう英子さん。
夫婦円満の秘訣はなんだかんだ言っても、こういうことなんだよねぇ~。(-_-;)
でも、そこで樹木さんが、
「アタシはさー、気付いたことすぐに言っちゃうからダメなんだよね~。」と合いの手(!?)
そうなんです、日本全国の恐妻家同盟のみなさん!
(アタシは対象外だという方は、無視してくださ~い)
どうしてカミさんという生き物は、この樹木さんみたいな発言をストレートに夫にぶちかましちゃうんでしょうかねえ?(男はデリケートな生き物なんだっつーの)
おっと、話が横道にそれちゃったね。
樹木さんの娘さんの内田也哉子が映画の中でのコメントで、樹木さんからの言葉として、こんな言葉を紹介してました。
「目の前に起きたことに、面白味を感じることが出来るような人間になりなさい。」
「困難なことだとしても、そのことに面白味を見出せるようになれば、大抵のことはなんとかなる。」
う~ん、そうかもしんない。人間って苦痛だと感じるから、いやになっちゃうんだよね。少しでも面白味を見つけられれば、面白味を引きだせれば、続けられる。そして、心から面白いと思えれば、夢中になれるし、没頭出来るわけなんですから。
映画で抜群の存在感を出し続けた樹木さん。でも、脇役としての立ち位置はちゃあんとキープし続けていた。ガン告知をしてからのその魂の演技は、まさに彼女の生き様を魅せられているようでもあった。
内田家というひじょうに複雑な事情の家庭ではあったんでしょうけど、そこに「面白味」を見出して、そういうことを微塵も感じさせない、なんだったら笑い飛ばしてネタにしてしまうような、そんな生き様がみんなから愛されるスターだった、樹木希林さん。
彼女は天国でレジェンドの仲間入りをしましたが、彼女の素の表情をこの映画は感じることが出来る作品かもしれません。
芋焼酎の水割りを6:4で注文する樹木さんの姿なんて、なかなか見れないですよ。
興味のある方は、ぜひ「人生フルーツ」とセットでの鑑賞をお奨めします。!(^^)!