ガイドって「送りバント」なんじゃあないだろうか? | 仙台城 謎の覆面ガイド「すこっち」のブログ

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平日はフツーの会社員、しかし週末は伊達政宗の居城「仙台城」にてボランティアガイドを務める謎の男、「すこっち」。
ウィスキー好きで名付けたハンドルネームで、ジャンルを問わず、縦横無尽にブログで語り尽くします。

あなたも「すこっち」に酔いしれてみませんか?

どうも、すこっちです。!(^^)!

 

「金足農業準優勝!!」そして「大阪桐蔭春・夏連覇!」これを「あ~金足残念だったねー。」と見るのか、

「さすが横綱相撲だね、大阪桐蔭は。」と見るのか?まあ、勧善懲悪好きの私としては別に大阪桐蔭が悪者でも悪の手先でもないんだけど、判官びいきっていうの?金足農業に肩入れしたくなる気持ちもあるんだけど、現実はちゃあんと目をそらさずに見なきゃあいけない。この13対2ってスコアがすべてを物語っている。ドラゴンクエストに例えるならば、銅の剣と皮の盾しか持っていない勇者が最後のラスボスと対戦するようなもんだった。頑張ったことは認めるけれど、相手は外道さんの言葉を借りれば、「れえぇぇ~べぇるが違うんだよ、レベルが~。」てことだったってことでしょ。

 

さて、みなさんがどれほど金足農業の試合に興味を持って観戦していたのかは分かりませんが、金足の

真骨頂と言えば、「送りバント」ですよね~。もうね、3番だろうが4番だろうがケースに応じて全員するのね~。しかも、その精度がハンパない。アタシも小学生の時に地区対抗の野球に参加したことがあるんだけど、バントって当たる瞬間にバットを引いて当てると、驚くほど打球の勢いを殺したいいバントが出来る。だけど、相手のピッチャーもそうそうバントしやすい球ばかり投げて来るわけではないんで、これがなかなか難しいんです。だから、侮るなかれ「バント戦法」なのであります。

 

そこで、アタシは8/19(日)の仙台城ガイド活動をしている時にふと思ったことがあるのです。

 

「ガイドって、送りバントでいいんじゃあないだろうか?」ってね。

 

この日、アタシは午前中だけの活動だった。仙台城にガイドとして出陣したメンバーを見ると、鬼庭左月斎を思わせる名立たる歴戦の強者ばかり。もはや、足軽か御小人衆(ググってみてね)的立場のアタシは、主に政宗騎馬像前で写真撮影のお手伝いをしていたんだけど、まあ、これはこれで多くの観光客の方と接することも出来るので、アタシ的には充実したボランティア活動の一時だった。その時に説明を求められれば、サラッと仙台城や政宗の話なんかをしたりもしたんです、それもあんまし引っ張らない程度でね。それでも、十分にお客様のお役に立てたという実感を得られてこの日のガイド活動は終了した。

 

つまりね、言いたいのはこういうことなんです。

 

仙台城に観光で足を運んで頂いたお客様の時間と言うのは限られている。他の観光地も回りたいし、移動時間もある。ずんだシェイクも飲みたいし、仙台牛タンも食べなきゃいけない。何より、旅行と言ったらお土産でしょ!お土産選びの時間も大切だ。

 

そんな貴重な時間の一部をお客様は私たちガイドに一度預けてくれているわけなんです。仮に「30分でガイドを願いします。」というリクエストがあったとしたら、コンパクトにほどよい時間でガイド説明をしてあげて、5分~10分ぐらいを残してお客様から預かった時間を返してあげる。そういう心遣いが必要なんじゃないかなあ~と。もちろん、そこで「もっと、聞かせ下さい。」って人はアンコールしてくるわけですし、なんとなく「続けて、続けて」って雰囲気って伝わってくるもの。

 

大事なことは、この「時間をちょっと残してあげてお客様に返してあげる」ということと、次の目的地が別の観光地なのかご自宅なのかは分からないけれど、気持ち良~く次の目的地につないであげる。

これって、まさに「送りバント」そのものなんだと思うのです。

 

ガイドはとかく人前でいっぱしのガイドが出来るようになると、饒舌になり、話が長くなる。いつの間にかお客様のためにと思っていっぱいストックした知識を出来る限りお客様にお伝えしたいという熱心さがいつの間にか、「親切心の逆効果」になってしまっていることがある。

 

「親切心の逆効果」というのは、分かり易く言うと、すれ違えない細い通路を歩いていると、向こう側から別な誰かが歩いてくる。お互いが立ち止まり、親切のつもりで相手に道を譲ろうとして右に避けるのだが、相手は左側の道をそのまま通ろうとしているので結果的に、通せんぼの状態だ。これが、「親切心の逆効果」である。

 

相手に伝わらない独りよがりの親切心は、はっきり言ってしまえばいい迷惑である。「メタ認知」と言う言葉が昨今話題になっているが、俯瞰で物事を見れない人=空気を読めない人となるわけだ。

 

なにもアタシらガイドがタイムリーヒットを打つ必要もホームランをかっ飛ばす必要もないのである。送りバントで得点圏にランナーを進めるお膳立てをしたら、あとはお客様に任せましょう!ガイドは永遠の2番打者でいいはずなんです。

 

どれだけ盛りだくさんの説明をしたって、お客様が持ち帰れるのはせいぜい一つか二つ。

脳に記憶が定着するのは、心地良いと感じた時の記憶なのです。だったら、もう結論は出ていますよね~。ズバリ」!イイ気持ちにさせて、仙台城を後にするってことなんです。

 

たかが「送りバント」されど、「送りバント」金足野球からそんなことを思うのって、やっぱり私だけ?