伊達政宗の逸話は「持っている」ではなく、「盛っている」!? | 仙台城 謎の覆面ガイド「すこっち」のブログ

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平日はフツーの会社員、しかし週末は伊達政宗の居城「仙台城」にてボランティアガイドを務める謎の男、「すこっち」。
ウィスキー好きで名付けたハンドルネームで、ジャンルを問わず、縦横無尽にブログで語り尽くします。

あなたも「すこっち」に酔いしれてみませんか?

どうも、すこっちです!

 

今年は「伊達政宗生誕450年祭」ということで、一大キャンペーンが繰り広げられています。

 

当然、仙台を観光で訪れる方も増えておりまして、わたくしがやっている仙台城のボランティアガイドの活動も活気を帯びているところであります。

 

ところで、伊達政宗様と言うと、とにかく「武勇伝」が多い。

これは別に戦いの「武勇伝」ではなく、どちらかというと「逸話」の方ね。

 

戦国武将って、何かと「逸話」はつきものだし、それが武将の魅力を引き立てる

エッセンスとなるわけなのだけれど、昨今、ここに困った問題が生じてまいりました。

 

それは何かというと、歴史研究に関するクオリティが向上したとでも言いますか、

やたらと「昔はこう語られていましたが、最近の研究では実は○○なんです。」的な

歴史認識を根底から覆す新事実や新説などを「錦の御旗」にして、

わたしらが学生時代に教科書で歴史を勉強していた頃の話を見事に「ちゃぶ台返し」を

するようになっちゃったということなんですね。

 

最近じゃあ、テレビ番組でもやたらとそうした番組が多かったりする。

 

「武田騎馬隊の乗っていた馬はポニーだった。」とか

「騎馬武者は実は、馬から降りて戦っていた。」とか

 

さらに、「聖徳太子は実在しなかった」とか、あの肖像画は本人じゃないとかね。

(それじゃあ、私たちの思い入れのあるあの壱萬円札っていったい何者、、、。(-_-;)

 

歴史上の人物たちにはずいぶんとアゲインスト(向かい風ってことね)が吹く時代に

なってしまったわけですが、このアゲインスト「伊達政宗」にももちろんあるのです。

 

しかも、これがけっこう多い!

 

私もガイドとして、今まで先輩方に教えられたことや自分なりにインプットしたことを

「こんなことがありまして~、やっぱ政宗様って伊達者のパイオニアだよね~。」

なぁんて、説明をしてきたわけなんですけど、この逸話がことごとく眉唾だったりすることが

最近私が読んでいる本なんかにはバンバン暴露されている。

(もう、前言取り消しなんて出来ないですしねぇ~)

 

伊達政宗の逸話のほとんどが江戸時代中以降の軍記物の小説などで創作された話が

多いようなんですね。

 

例えば、葛西・大崎一揆を蒲生氏郷クンと政宗が一緒に鎮圧するために向かった時に

悪戯好きの政宗が裏で一揆軍とデキていて、一揆を扇動していたことが露呈。

 

秀吉に申し開きをしに行った際に、文書にある花押の鶺鴒の目に針で開けた穴が

空いているとか、いないとかでその場を乗り切っておとがめなしになったという逸話。

 

これって、大変イイ話でして、つい8月のガイドの時に息子の夏休みの自由研究で説明を

求められた家族に対して、私も得意げに話をして聞かせたんですけど、

どうやらこの話、盛ってる話のようです、、。(-_-;)

 

(実際に政宗の穴の開いた書状は1通も見つかっていないそうです。

 

ほかにも、片倉小十郎は側近としてあんなにお側にいなかったとか、

実弟の小次郎成敗話はでっち上げだとか。

伊達軍はそんなに強くなかったとか。

江戸で流通するお米の2/3は仙台藩のお米だったけど、味は最低ランクだったとか

ずんだもちと雀踊りETCそもそも政宗と無理やり話をくっつけたとか。

 

あんまし、私の立場で「文春的」な話はしたくないんだけど、

そうは言っても、間違ったことをお客様にはお伝えするのも良心が、、、、。(-_-;)

 

なので、私の今後のガイドスタンスとしましては、

「こんな話がありまして~、でも最近の研究で実は○○なんです。」と

きちんとお伝えすることにしようかなあと思っています。

 

仮に「実は~」という話をしたところで、けっして「伊達政宗様」の魅力が色あせてしまう

ようなちっぽけな武将なわけでもありませんしね。(^o^)

 

別な見方をすると、それだけ魅力的なキャラとしての基盤があるから、逸話の「盛りがい」

があるということなんじゃあないでしょうかね。

 

はい、これからわたくしすこっちは政宗の「センテンススプリング」な話も織り交ぜてガイドを

してまいりますので(たぶん、そんな話をするガイドはわたしだけでしょうな)興味のある方は

仙台城でお待ちしております。!(^^)!