今、例えばあなたが宮城県を観光しようと考えたとき、絶対に外せない
立ち寄りたいスポットと言うとどちらでしょうか?
う~ん、新し目のところで言うと、「海の杜水族館」、「アウトレットモール」
仙台駅周辺だと、「エスパル東館」に「パルコ2」?
でも、そういう「商業施設チック」なところを除くと、
「仙台城跡」、「瑞鳳殿」、「大崎八幡宮」、「陸奥国分寺」、「塩釡神社」、「松島瑞巌寺」
といったところでしょうか。
実は、今挙げた6カ所のうち「瑞鳳殿」を除く5カ所は全部、伊達政宗その人の命を
受けて建立、再建されている。(瑞鳳殿は彼のお墓だから、同じもんかもね)
完成した年を並べてみると、こんな感じ。
仙台城(1600~1610)
松島五大堂(1604)
塩釡神社(1607)
大崎八幡宮(1607)
陸奥国分寺(1607)
松島瑞巌寺(1609)
仙台城の普請のために、上方から建築の梅村家次、梅村頼次、彫り物は刑部国次
などなど当時の上方の桃山建築のオールスターキャストが仙台に終結した。
この機を黙って見ている政宗では無かった。(>_<)
彼の「計画的犯行」と言うべきか?
それとも、事前にこんな打ち合わせが進んでいたのか?
政宗「いやー仙台もいいとこでしょ? 鳴子っていういい温泉もあるし
少しゆっくりしていったら どぉ?」
梅村さん「う~ん、じゃあそうしようかな。上方に居ると仕事ばっかりさせられるし。」
政宗「だよね~。人生楽しまなくちゃ!仕事はほどほどにしないと体に悪いもんね。」
梅村さん「うん、じゃあしばらく仙台に居るよ!」
そうしてしばらく経ってから、
政宗「仙台城の完成にはもうしばらくかかりますね。」
梅村さん「そうですね。」
政宗「やはり、当代一の名工が仕事をしないと腕が鈍りませんか?
「お代ははずみますから、小手調べにちょちょいと寺とか神社とか
一緒に造っちゃいません?名前も残していけますし、次の仕事の
宣伝にもなるんじゃないですかね?。」
梅村さん「わかりました!やりましょう。」(^○^)
と梅村さん達が快諾したかどうかは定かではないが、先ほどの完成年の
列挙を見ると、一目瞭然と言わざるを得ない。
事実、大崎八幡宮の拝殿の棟木の落書きには、こんな落書きが残されている。
「何だかよく分からない所に連れて来られて、お宮を造った」
早く帰れると思ったのに、続けて神社も造れと言われた時の一作業員君の
ツイートだったのでしょうか、、、。(-_-;)
こうして、まあ上方や江戸と比べると格段に田舎の仙台に桃山建築の建物が
こつぜんと姿を現した。
そして、德川の世となってから各大名は豊臣っぽさを連想させる「桃山建築」の
建物を将軍家のご機嫌を損ねないように排除したんだけど、政宗はそれをしなかった。
なので、今現在、こうした歴史的建造物が仙台を中心とした宮城に現存している
というわけなのですね。(いやあ~、政宗に感謝だね!)
ある意味、政宗様に先見の明があったというべきなのか、400年先の世に
その建造物は観光名所の宿命である「とりあえず〇〇来たら、〇〇行こっかー」
というミーハー的な命題に一役買っていることは言うまでもない。
こうしたところがもし、無かったら、、、、ぞっとする。(-_-;)
仙台に観光で来られるみなさん!
グルメも商業施設も仙台の魅力のひとつですが、ぜひとも
「桃山建築オールスターズ」の最高傑作をご覧になってくださいませ。(^_^)/