現在の仙台城はというと、実は建物らしきものは何もない。
あえていうならば昭和42年に再建された大手門脇櫓ぐらいのもの。
(再建には野口増蔵さんの苦労があったのですがこれは後日ブログで)
しかし、仙台城が築城・完成した当時は東脇櫓・西脇櫓・艮櫓・酉の門櫓・巽櫓という
5つの櫓がありました。
仙台城には天守閣が無かった(5重の天守を造る構想はあった)のですが、
この櫓も高さが15.5メートルありました。15メートル超の石垣の上に
15.5メートルの櫓があったのだから30メートル超。
(ちなみにひこにゃんで有名な彦根城の高さは15.5メートル)
でも、東日本大震災も起きたこの宮城県(当時は仙台藩)は地震多発地帯。
この5つの自慢の櫓も正保3(1646)年の地震で全て倒壊してしまい、
それ以後再建されることはありませんでした。
今、姫路城を始めとする現存12天守がお城好きの方の話題をさらっていますが、
あえて私は言いたいのです。形のない遺構だらけの仙台城をいかに
イマジネーションを働かせて楽しむかが
本当の歴史通の醍醐味なのではないでしょうか。
サン・テグジュペリの「星の王子さま」の一説にこんな言葉が出てきます。
とてもかんたんなことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。
いちばんたいせつなことは、目に見えない。
そう、仙台城も心の目で見てこそ堪能できるのです。
そして、私たち仙台城ガイドを良き道先案内人としてぜひお声を掛けてください。
(わたくし、すこっちも皆様のお越しをお待ちしております。)