2024.6.1 Acoustic Anthem@横浜ランドマークホール | TPN MANIACS

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THE POWERNUDEを中心に、ANTHEM、歌魂、GOLDBRICKなどなどのLive Report、Newsを綴ってます。
Since1997

SE:SAILING
1.Destroy the boredom
2.GO
3.The artery song
4.Far away
5.Fingers on the trigger
6.In the dead of night
7.Magic(Rainbow)
8.Lady double dealer (Deep purple)
9.Sometimes I feel like screaming(Deep purple)
10.Rebel yell(Billy Idol)
11.Void ark
12.Walk through the night
13.Love in vain
14.Racin’ rock
15.Steeler
-encore-
16.The gypsy(Deep purple)
17.You keep on moving(Deep purple)
18.Wild anthem

ANTHEMの曲やカバー曲をアコースティックながらメタル度満点で聴かせてくれるAcoustic Anthem。2021年にここ横浜ランドマークホールで始まって早くも丸3年。すっかり定着してきました。

場内の灯かりが徐々に暗くなってBGMが消え、代わりにバックドロップにライトが当たり『SAILING』が流れ始めるとオーディエンスから盛大な拍手が巻き起こりました!そしてそれがSEに合わせた手拍子になってメンバーをステージに迎え入れました。

「お待たせしました!Acoustic Anthem2024、いきま~す!」と森川さんの宣言で幕を開けました。
1曲目は『Destroy the boredom』。アコアンではもうすっかりお馴染みなこの曲。ウェスタン風にアレンジされていて、荒くれカウボーイたちが酒場で陽気に騒いでいるような楽しい曲になっていました。オーディエンスからも自然と手拍子が起こって1曲目から大盛り上がり。
そのまま続けてタイトルコールされたのは『GO』。こちらは陽気に騒いでいる酒場で小競り合いから大乱闘が勃発したような勢いというか活気がある感じ。サビで森川さんの伸びやかな声に柴田さんのコーラスがバッチリ絡んで凄いきれいだった!

2曲を立て続けに披露したところでチューニングタイムなのかちょっと間が開いた…と思ったら柴田さんから「…話が違うじゃない、直人さんがゆっくりチューニングできるように俺が喋るからって言ってたじゃない(苦笑)」とクレームが(笑)。森川さんとしては「最初はリーダーから挨拶してもらわないと」ということで、MCをお見合いしちゃってた模様。
結局柴田さんは「今回のAcoustic Anthemは今までとだいぶ内容が違って、僕たちの好きな曲を聴いてもらいたくて、ANTHEM曲もだいぶアレンジしたし、こんな曲をアコースティックでやるんだってカバーもありますから最後まで楽しんでください」
と挨拶してからチューニングすることに。アコースティックベースは繊細でチューニング田大変なんだそうだけど、すぐに整ったのはさすが柴田さん!

今回のライブのために用意したという『THE ARTERY SONG』。リズムがかなり複雑に変えられていて、お洒落な感じ~!AORのアコースティック版みたいな。こんなに変えられているのを歌もギターもバッチリこなしてしまう森川さん、凄すぎる!相当大変だったのでしょう、曲が終わった後はさすがに天を仰いでふぅっと一息ついてましたね。
次の曲も新ネタで『FAR AWAY』。こちらは割と原曲に近い感じなんだけど、アコースティックな分、メロディのきれいさが際立ってました。ドラムがもうちょっとボリューム小さいほうが雰囲気がでたかな~?

セットリストが決まった後にこの2曲が追加になり、リズムアレンジが難しくて田丸さんが全く覚えられずに大変だったそう。「この2曲が終わるとだいぶ楽になるんじゃない?」と聞かれた田丸さんは速攻で「そんなことないですっ」って答えてたので、他の曲もめっちゃ大変なんでしょうね。

「次の曲も今日のために用意した曲で渋い選曲」と紹介されて始まったのは『FINGERS ON THE TRIGGER』。清水さんのギターソロが、エレキとアコギじゃ全然違うだろうにホント見事だったし、森川さんのバッキングもガッツリそれを支えていて、めちゃくちゃカッコよかった!
次の『IN THE DEAD OF NIGHT』では音を細かく刻むイントロの切れ味、ギターソロがアコギと思えない音の粒が揃っててが凄くてきれいだった~。「メタルの曲をギター弾きながら歌うのって物凄く大変」って言ってたけど、ギターも歌も超高度なレベルなのをこなしてしまうのって、普段からの努力というか鍛錬が凄いんだろうなぁ。

ここからはカヴァーパートで「このバンドのカヴァーは色々聴いてきたけど、この曲をカヴァーしてるのは聴いたことがない」と紹介されて始まったのは『MAGIC/RAINBOW』。POPな曲調に森川さんの歌う主旋律と柴田さん、清水さんのコーラスが綺麗に合わさって、メタルバンドとは思えない爽やかさ!清水さんがこれだけたくさんコーラスを入れるのもなかなか見ないから貴重な1曲でしたね。森川さんの声にも凄い合ってて、歌魂でも聴きたいなぁ。
セットリストを組んでるとどんどん攻める方向に行ってしまって急遽セットに入れたという次の曲は『LADY DOUBLE DEALER』。アコースティックでのカヴァーというのを忘れてしまうほどの激しさで、森川さんもギター弾きながら歌ってるというのを忘れてしまうほどの熱唱でした!ギターソロ中の清水さんから森川さんへのスイッチもバッチリきまりましたね~!

ここで柴田さんから昼に発表になったLIVE CIRCUSについて。いろいろ行きたいところをピックアップしたんだけど日程的な問題で9か所になり、今年元日にあった大地震の復興支援のために石川県も加えて10公演になったそう。この石川金沢公演では金沢限定のグッズを販売してチャリティに充てる計画もあるということなので、ぜひ参加してチャリティに協力したいと思います。

次の曲もDEEP PURPLEなんだけど、森川さんが「リーダー、凄いところから持ってきたなぁ」というくらいマニアックな曲『SOMETIMES I FEEL LIKE SCREAMING』。綺麗で印象的なフレーズが色んなコードで繰り返される複雑な構成で、ZEPPELINっぽさがある曲ですね。2本のギターとベース、そしてドラムが複雑に絡み合って、4人の演奏力の高さをまざまざと見せつけられた1曲でした。
カヴァーコーナーの最後は『REBEL YELL』。アコアンでも歌魂でもお馴染みになったこの曲、森川さんの声にピッタリで本当にカッコよかった!

柴田さんから今後のスケジュールについて、LIVE CIRCUSの数時間後に発表になった札幌でのLOUDNESSとの対バンのほかにもまだもう一つライブが決まっていて6月の中旬に発表できそうというのと、残念ながらキャンセルとなってしまった海外についても情勢を見てチャレンジしていくということ、そして来年は40周年!ということでいろいろ悪だくみ中であることが発表されて、今年も後半から激動だけど、来年は更に激動になりそうで、オーディエンスの期待のこもった拍手で室温がグッと上がった感じがしました!

森川さんが「これはリーダーから言ってほしかったんだけど…ほとんどの方がご存じと思いますが」と清水さんがBURRN!誌の人気投票でギタリスト部門1位になったことに触れると、柴田さんが「俺も(話に)混ざっていい?清水より誰より俺が一番嬉しいんだよ!」とダントツで1位となった清水さんを誇らしげに讃えていました。
その清水さんの作曲のインストナンバー『VOID ARK』をアコースティックで!森川さんもギターでガッツリ参加!柴田さんから「静かになるところのアルペジオで変な音が聴こえても気にしないように」との注意がありましたが……何の何の!4人のアンサンブルはすっごい綺麗でした!ドラマティックな曲がより真に迫ってくるというか。森川さんがANTHEMのインスト曲を弾いたのは3回目かと思うけれど、バッチリきまっていて流石でした!
「ANTHEMのライブでもギター弾いたら?」というところから『VOICE OF GOLD』の映像作品がAmazonで1位になったことが発表されました!そして清水さんの60thライブは6年後で田丸さんは17年後だとか(苦笑)。17年後は難しいかもしれないけど、6年後の方はお祝いできるといいですね~。

「アコースティックらしいしっとりした曲を」と始まったのは『WALK THOUGH THE NIGHT』。森川さんの伸びやかな声と表現力、ギターの音色によって原曲よりも曲の本質が露わになった感じ。アコアンならではのアウトロが心に沁みました…。

早くも終盤に差し掛かってしまいました。「勢いのある曲で!」と始まったのは『LOVE IN VAIN』。アコースティックになっても燃えるように情熱的で激しい愛を感じるアレンジ!
つづけての『RACIN' ROCK』はギターソロの音色もバンジョーっぽいし柴田さんのベースもウッドベースっぽいフレーズが入ったりして、あんなにメタルな曲なのにウェスタンアレンジがバッチリハマってる!
「ラストはANTHEMのメタルテイストなこの曲で!」とはじまった『STEELER』は4人が馬に跨って荒野をスピード競争しているような疾走感!メタリックでもあり土煙が上がるような野性味もあってアコアンの本領発揮という感じでした!

「ACOUSTIC ANTHEMでした!」と挨拶してステージを降りる4人に盛大な声援と拍手が上がり、アンコールを求める手拍子があがりました。

しばらくすると4人とも紫のライブTシャツに着替えてステージに戻ってきてくれて、しばしチューニング。その間をつなぐように「田丸、喋れよ」と指令が。
「え~、何も考えてなかったんですけど…最近暑くなりましたね。」と取ってつけたような挨拶に場内爆笑。「田丸家の寝室には室内テントがあって、夏涼しく冬暖かいんで…」というのを聞いてみんな室内テントの想像がつかなかったのか不思議な空気になると、すかさず柴田さんから「この空気どうしてくれるんだ?!」とツッコミが(笑)。

「アンコールもカヴァーをお届けしようと。全員この(紫の)Tシャツを着てるということであのバンドしかないだろう、と」とコールされたのは『THE GYPSY』。森川さんと柴田さんのツインボーカルのハーモニーが美しい…。そして『YOU KEEP ON MOVING』も森川さんと柴田さんのツインボーカルが静かに始まりどんどん張り詰めていく感じと渋いベースラインとギターの音色がカッコよすぎる…。
聴き惚れている間にあっという間にアンコールも最後の曲になってしまいました。
「最後はみんな立って盛り上がっていきたいと思います!用意はいいですかーーー!(いぇ~~)声が小さーーーい!」という森川さんの煽りが全員集合のオープニングみたいで一人大爆笑してました(笑) どうせなら「静かにしろ!」というサゲまでやってほしかった(笑)
最後はもちろん『WILD ANTHEM』!恒例のCALL&RESPONSEからのオーディエンス大合唱!ギターソロに合わせて歌うのもいつものライブと変わらない光景なんだけど、演奏がアコースティックだと歌声喫茶みたい(苦笑)。でもこの一体感が楽しいんですよね。

大盛り上がりで曲を締めた後は恒例の記念撮影。スタッフが大急ぎで譜面台やマイクを片付けるんだけど、森川さんの譜面台とマイクスタンドの脚が箱馬に引っかかって抜けないアクシデントが発生。出来るだけ邪魔にならないようにして撮影を終えて、大歓声の中メンバーがステージを去って久しぶりのACOUSTIC ANTHEMの幕が下りました。

素晴らしい演奏とリラックスしたお喋りがギュッと凝縮したあっという間の2時間でした。
今まで弾いてない曲、しかもANTHEMの曲のギターを弾きながら通常のライブと同じように歌わなきゃいけないのって難易度が高すぎて、森川さんだからできることなんでしょうね。
森川さんだからやれることがたくさんあるから柴田さんの悪だくみも尽きないんだろうな、と改めて実感したライブでした。