そういうチラリズムは求めていない(東京港野鳥公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

久しぶりに野鳥公園を紹介します。

渡りのシギ・チドリのシーズンからは

大分ズレているような気がするのですが

公園スタッフさんのブログなんかですと

この頃にチュウシャクシギとかが来ていたそうな。

 

その辺の季節外れの渡り鳥に期待したのですが

先に言ってしまうと狙いのシギには会えず……。

(なお、小島にいる黒い鳥は全部カワウです)

どちらかというとこの日は鳥以外で収穫がありました。

 

 

 

 

 

オオヨシキリ……らしい。

コヨシキリかなと一瞬思ってしまいましたが

センターのスタッフさんに写真を見せたところ

まあ、オオヨシキリではないかとのことでした。

 

頭の寝ぐせトサカがないから誤認してしまいました(汗)

 

 

 

 

 

これは若いコチドリみたいです。

1羽だけしか見られませんでしたが

結構長時間、観察小屋の前をウロウロしていました。

 

 

 

 

 

工場・コンテナをバックに舞うコアジサシ

何羽か姿を見かけました。

 

 

 

 

 

かなり遠方に姿を現したカワセミ

 

……野鳥公園にも拘らず

鳥情報はここまでとなります(爆)

この後は一切鳥が出てきません

 

 

 

 

 

 

西園(自然生態園)の方へ行ってみましょう。

東園は樹木は多いながらも入れない場所が多く

広義での「自然観察」という点では西園の方が上。

雑木林環境があり、樹液に来る昆虫なども

間近で観察することができます。

 

やはりといいますか、ここでもナラ枯れが生じているようで

幹をラッピングされている木が多数ありました。

樹液の出る木が増えたのもナラ枯れの影響でしょうか?

最近、カブトムシが一部の界隈で増えているのも

案外これが理由なのかもしれません。

 

 

 

 

 

樹液にアリが来ることもある……からなのか

アリ狙いのアオオビハエトリ♀が見られました。

脇腹(?)辺りの青い光沢がちょっとお洒落。

(腕を上げているのは何かを誘っているのか?)

 

 

 

 

 

自然生態園 耕作田んぼ周辺。

色々とトンボが飛び回っていましたが

やはり一番目を惹くのはチョウトンボでした。↓

 

 

 

 

 

近くで止まってくれましたので

ゆっくり近づき、接写しました。

 

このチョウトンボ、ここで最初に撮影したのは

10年くらい前の話になりますが、当時と比較しても

明らかに数が多くなっているように窺えました。

ここに限らず、首都圏全域で増加傾向にある気もします。

 

 

 

 

 

コフキゾウムシ

交尾中の個体に横恋慕して

邪魔しようとする輩がいました(爆)

人間が同じことをやると最悪逮捕案件になります

 

 

 

 

 

草むらにはニホンカナヘビの姿も。

何だかお腹が膨れているように見えますが

産卵前のメスなのか? それとも食後なのか?

 

 

 

 

 

洗濯物につく害虫として悪名高い

マルカメムシの産卵シーンです。

 

「そのまま潰せムキーと思われそうですが

あいにく自然界に生きる在来昆虫ですゆえ

撮影だけして立ち去りました。<(_ _)>

 

 

 

 

 

ヨツスジトラカミキリ

比較用に、ちょっと指先を添えて。

 

所々葉っぱが濡れていることからもわかるように

直前まで雨が降っていました。

上記のチョウトンボがよく留まってくれたのも

雨上がりで湿気が多く、長時間飛び続けるのが

難しかったからかもしれません。

 

 

 

 

 

ご存知、ウチワヤンマ……かと思いきや

腹部先端の軍配(みたいな突起)の色形が

微妙に異なっています。

実はこれはタイワンウチワヤンマといい

いつも紹介しているウチワヤンマとは別種なのです。

 

遭遇率・・・2 (最近関東でも増えつつある模様)

インパクト・・・3 (ウチワヤンマと同じく大型)

美しさ・・・3 (ウチワヤンマにほぼ準じる)

俊敏性・・・4 (ただし、よく止まる)

知名度・・・2 (図鑑には載っていないことも多い)

 

タイワンと聞いて、例のリス辺りを思い出して

また外来種かと眉を顰めてしまう方も多いかもしれませんが

本種は元々日本本土にもいた昆虫なのだとか。

九州などの南方に暮らしていたものが

温暖化に伴ってだんだんと北上……という

要するにツマグロヒョウモン辺りの系譜のようです。

 

ちなみに腹部の突起に黄色い班があれば

本家のウチワヤンマ。写真の個体はそれがなく

本家より突起そのものがやや小さいことから

識別することができます。

 

 

 

 

 

ハラビロカマキリの幼虫。

まだまだ小さいですね。

(これを撮ったのは7月中旬ですが……)

 

 

 

 

 

コガネグモ

これは東園のセンター前で見かけました。

 

 

 

 

 

数が増えたという点で言うなら

コイツはちょっと深刻なレベルで増えています。

リュウキュウツヤハナムグリという

純然たる外来種のハナムグリです。

 

新顔登録した時よりもグンと増えており

スタッフさん曰く「今年は異常に多い」とのこと。

やはり気温上昇の影響によるものなのか?

 

この辺は海外からの荷物等も頻繁に到着するため

外来種が入ってきやすく、なまじ自然度が高いせいで

定着もしやすくなっているようです。

かと言って殺虫剤を撒くわけにもいかないので

大分対策には苦悩されているようでした。

 

 

 

 

 

さて、東園に戻りましたので

センター地下の「がたがたウォーク」に下ります。

トビハゼ辺りの観察をしたいのであれば

ここが一番適している気がします。

 

 

 

 

 

あ、早速出てきました。

しかもオスが背びれを広げて求愛している様子。

光の関係で写りはイマイチでしたが

初めて見たシーンなので、嬉しい収穫です。

 

 

 

 

 

参考までに、ノーマル時のトビハゼもどうぞ。

 

 

 

 

 

チゴガニも多数出てきていました。

この他、アシハラガニやベンケイガニなど

結構な数・種類のカニがこの限られた区画だけで

観察できるようになっています。

アカテガニもいるらしいですが

残念ながらこの日は見ることができませんでした。

 

 

 

 

 

そんな中、先日のベニツケガニに匹敵する

かなり大型のカニが出現しました。

ただし意地でも全身を晒したくないらしく

すぐ目の前にいたのに、これが限界……。orz

手が届く位置にいただけに悔やまれます。

 

最初に見た時には種類がわからなかったので

スタッフさんに確認してもらったりしつつ

どうやらノコギリガザミであるらしいと判明。

後ろ脚を使って外海を泳げることで有名な

あのガザミの仲間です。これは嬉しい初顔合わせ。

 

遭遇率・・・2 (数は少なくないようですが)

インパクト・・・4 (間近で見ると結構な迫力)

美しさ・・・2 (まあ、色は地味)

俊敏性・・・4 (隠れる時は速い)

知名度・・・3 (よく知られるガザミの代表種)

 

手を伸ばせば届く……と上に書きましたが

見た目からして明らかにハサミが強力ですので

色んな意味で手は出さない方がよかったでしょう。

欲を言えば、こちとら何もする気はないので

あと10cmくらい出てきてほしかったものですが

カニに人の言葉が通じるわけもなく……。

 

その後、このカニは岩場から顔を出したり引っ込んだりを

何度も何度も繰り返していましたが、

結局全身を晒すことは最後までありませんでした。orz

……まあ、野生生物なんてこんなもんです……。

 

 

 

 

 

なお、干潟の何ヶ所かに写真のような

小さな石組みが新しく設けられていました。

微細な凸凹を設けることによって

より多くの生きもの(カニなど)を呼ぶべく

試験的に設けているようです。

 

人気の高い公園だけに

色々と新しい試みも進めているようです。

シギ・チドリのシーズンだけに留まらず

もっと色んな時期に足を運ぶ価値があるかもしれません。

 

 

 

 

 

【7/14 東京港野鳥公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、オオヨシキリ、カルガモ、カワウ、カワセミ、コアジサシ、コサギ、コチドリ、ダイサギ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ムクドリ

昆虫類・・・アオオビハエトリ、アオスジアゲハ、アカボシゴマダラ、アシダカグモ、ウリハムシ、エビイロカメムシ、オンブバッタ、カナブン、コガネグモ、コシアキトンボ、コフキゾウムシ、コフキトンボ、ゴマダラチョウ、シオヤアブ、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタ、シロテンハナムグリ、タイワンウチワヤンマ、チョウトンボ、ニイニイゼミ、ハラビロカマキリ、マメコガネ、マルカメムシ、ヤマトシジミ、ヨツスジトラカミキリ、リュウキュウツヤハナムグリ

その他・・・アシハラガニ、クロベンケイガニ、タニシ、チゴガニ、トビハゼ、ニホンカナヘビ、ノコギリガザミ、フナムシ、ベンケイガニ、ヤマトオサガニ

 

 

 

 

【生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」開催中!】

2024年のプログラムはこちらをご参照ください。

(毎月、第3日曜日に開催しております)

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年8月18日(日)に開催いたします。

 行先は「薬師池公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。