持ち方をミスったら最悪指が飛ぶ………かもしんない(天神島) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

久々に出かけた天神島にて。

メインの狙いはもちろんウミウシでしたが

今年の訪問は今回が初めてですので

まずはジャンルを問わず磯の生きものを探します。

 

写真のカニは……オウギガニの仲間?

ムラサキウニをバックにしています。

これで前後の守りはカンペキ

 

 

 

 

 

天気は良好。潮条件も良い日を選んだので

ウミウシを探すにはちょうどよさそうです。

水中カメラは家に忘れたので(汗)

ひたすら水上から生きものを探します。

 

いつもの通り虫かご(?)も持っていないので

コンビニで買った総菜のケースをよく洗って

生きもの観察に用います。

 

 

 

 

 

この日はちょうどスカシユリが最盛期。

砂浜の近くに大群落を作ります。

 

 

 

 

 

 

イソヨコバサミ(左)やヤツデヒトデ(右)など

オーソドックスな生きものが次々と現れます。

 

また、写真はアップしておりませんが

この日はやたらとイソクズガニによく遭遇しました。

昨年より明らかに数が多かったですね。

 

 

 

 

 

おっと、サラサウミウシが現れました。

この日は期待に反し、アオウミウシなどの

よく見かけるウミウシの仲間は現れず

ちょっと寂しかったのですが

こうして1匹でも出てきてくれると嬉しいです。

 

見た目の美しさもさることながら

生涯で初めてマトモに撮影したウミウシということもあり

今もなお色々と思い入れの深い種だったりします。

 

 

 

 

 

クモヒトデの仲間ですが

うーむ……種名はちょっと不明です。

以前撮影したアオスジクモヒトデに

こういう橙色のものもいると

聞いたことはありますが……。

 

その後もカニだのヤドカリだのと

色々な生きものを見かけては

見たことあるものはスルーの繰り返し。

ところが……。↓

 

 

 

 

 

何だこの厳ついフォルムのカニは?

甲の幅が10cmくらいはあるゾ。びっくり

 

一応、まず水上から証拠写真を撮ったものの

やはりもっと鮮明に撮影してみたいもの。

そしてできることなら手に持ってみたいもの。

 

このまま手を突っ込んで持とうとしても

岩の隙間に隠れられるか、あるいは反撃されて

手痛いダメージを受けるかのどちらか。

そこで、棒などで軽く突いたり

上記の水槽として使っていたケースを用いたり

試行錯誤して彼(?)を追い出そうと試みました。

で、その結果……。↓

 

 

 

 

 

何やかんやあって、どうにか地上に

おびき出すことに成功カニにとってはいい迷惑ですが

 

最初に見つけた時はイシガニかと思いましたが

身体の色や微妙な形の違いなどから

ベニツケガニという種であることがわかりました。

もちろん、初めて撮影した種です。

 

遭遇率・・・2 (個体数自体は少なくない模様)

インパクト・・・4 (磯のカニとしてはかなり大型)

美しさ・・・3 (名前通り、赤色の縁取りが美しい)

俊敏性・・・3 (カニというだけあり結構素早い)

知名度・・・1 (不味いカニとして一部では有名らしい)

 

サイズはショウジンガニよりやや大きめで

実際力も強く、ハサミもかなり大型です。

泳ぎに適応しているということか

後脚にはわかりやすくヒレがあります。

なお、良い出汁が出て美味とされるショウジンガニと違い

コイツは味がよくなく、仮に漁網に引っかかっても

片っ端から捨てられているそうです(爆)

 

 

 

 

 

その後、怪我するリスクもありましたが

ショウジンガニを持つ時と同じように

まず上から甲羅をプッシュ

動きを封じたところで後ろからキャッチして

持ち上げてみました。当たり前ですが思い切り威嚇されています

 

サイズ的に、さすがにタイトルに書いたように

指が飛ぶほどのパワーはないでしょう(だろ?)が

刺々しい外見といい、波打ち際だけでなく

大海原で生きるカニの逞しさを教えています。

もちろん、磯で出合えるようなカニの中では

トップクラスの強豪ですので

小さな子供は迂闊に手を出さない方がいいでしょう。

 

 

 

 

 

その後も、イボイワオウギガニ

喧嘩(?)を水上から確認したり……。

 

 

 

 

 

無駄にサイズのデカいクモガタウミウシ

なぜか一気に2つも見つけてしまったり。

結構、色々印象に残る出合いがありました。

 

 

 

 

 

クモガタウミウシは超大型のウミウシ。

プリンカップ程のサイズがあるケースでも

ちゃんとは収まりきらなかったりします。

(特にコイツは「硬い」のも収まらない理由)

 

 

 

 

 

おっと、ミスガイも現れました。

真鶴では結構な頻度で会いましたが

天神島ではこれが初めてです。

やはり美しいですね。目を惹きます。

 

 

 

 

 

何の種が生んだものかはわかりませんが

岩の裏側などに、結構な数のウミウシの卵塊

確認できました。色は白、黄色、オレンジなど様々。

うっかり傷つけないよう、散策時には注意が必要です。

 

 

 

 

 

最後に、スカシユリと天神島名物 ハマユウ

コンビネーションを観賞し、天神島を後にしました。

 

 

 

 

【7/6 天神島で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、ウミネコ、カワウ、カワラヒワ、ツバメ、トビ

昆虫類・・・アカスジカメムシ、ナガメ

その他・・・アカクラゲ、アゴハゼ、イソガニ、イソギンポ、イソクズガニ、イソヨコバサミ、イボイワオウギガニ、オウギガニ、キュウセン、クモガタウミウシ、ケブカホンヤドカリ、ケブカホンヤドカリ、クモヒトデの一種、サラサウミウシ、ダイダイイソカイメン、ニセクロナマコ、バフンウニ、ヒライソガニ、ベニツケガニ、ホンヤドカリ、マダラウミウシ、マナマコ、ミスガイ、ミズクラゲ、ムラサキウニ、ムラサキカイメン、ヤツデヒトデ

 

 

 

 

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