【講座実施報告】冬鳥観察、駆け込みセーフだった話(3月・皇居のお濠編) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

3月開催の講座「首都圏生きものめぐり」では

皇居のお濠をぐるりと一周時計回りし、

旅立ち前の冬の水鳥たちを観察しました。

皇居を訪問したのは、当講座としては2回目。

以前開催した時よりも2ヶ月遅めでしたので

やはり少々カモの数は少なくなっていましたが

一応、寂しくない程度の撮れ高はあった……かな?

 

これがもし、もう1ヶ月遅れていたとしたら

水鳥はほとんど消えていたかと思われます。

そういう意味ではギリギリのタイミングだったみたいです。

理想を言うなら、千鳥ヶ淵などのサクラが満開の時に

一緒にバードウォッチングもできればと思うのですが

第3日曜日開催というのがどうしてもネックになり

3月でも4月でもまず不可能というのが苦しいところです(汗)

 

 

 

 

 

 

ただお濠周りを歩いて一周するだけなら

1時間少々あれば十分に事足りるのですが

これはあくまで講座。道中色々な解説を交えたり

寄り道したりしていれば結構なタイトスケジュールになります。

 

後でふり返ってみると、ちょっと距離が長すぎたかなと反省。

このコースはお昼まででなく、昼食込みにして

ロングコースでゆったり回った方がいいかもしれません(汗)

 

 

 

 

 

 

上記の通りカモの数はピーク時より大分減っていましたが、

それでも見つけるのに苦労しないくらいは残っていました。

 

トップ写真の駆け込み乗車みたいなハシビロガモ

右写真のヨシガモなどが、やはりお濠の代表種。

いずれも集団で固まっているのはもちろん

例年とほぼ同じエリアにたむろしていました。

恐らくは食べるものなどを始めとして

それぞれの「お気に入り」の環境があるのでしょう。

 

 

 

 

 

キンクロハジロは、日比谷公園近くの開けた区画に

10羽程度の集団で固まっていました。

これもまた、大体例年通りです。

次の冬がどうなるのかが気になるところですので

また年末頃になったらチェックに訪れたいものです。

 

ところでこの写真の個体は

妙に胸を張っているのが印象深い。

と て も 印 象 深 い。

 

 

 

 

 

 

日比谷公園にもちょっと立ち寄り

早咲きのサクラ(多分オオカンザクラ)で

吸蜜するメジロの姿を観察しました。

 

 

 

 

 

お濠の周囲のとある一角には

アマナが群生しているところもありました。

例年、自然保護区なんかに行かないと

群生している姿は撮れなかっただけに

こんな都心部の一角で見られるとは少々驚きです。

 

 

 

 

 

一度だけですが、上空にノスリが舞いました。

ギリギリで証拠写真だけ押さえています。

 

 

 

 

 

おっと、カイツブリが巣材を集めています。

井の頭公園などと同じく、営巣するのでしょうか?

結構歩道から近く目につきやすい場所ですが

かえってその方が天敵に狙われにくいということかも。

 

 

 

 

 

 

講座では道端の植物にも注目。

オオイヌノフグリやヒメオドリコソウなど

ありふれた外来性植物が多い一方で

スイバやノビルなどの食用になる野草もたくさん。

有事の際にはこうした情報が役に立ちます

 

もちろん、蜜や花粉を求めるハチの姿もありました(右写真)

 

 

 

 

 

春らしく、ビロードツリアブも登場。

北の丸公園などで何度か遭遇しました。

 

 

 

 

 

北の丸公園にてバードウォッチング。

写真だと全然わからないと思いますが(汗)

視線の先にはオカヨシガモの集団がいました。

 

この公園の池に来るカモに関しては

皇居のお濠と比較すると数・種類共に

ランダムという印象があります。

過去にはヨシガモが複数飛来していたこともありますし

全く水鳥が観察できなかったこともあります。

 

 

 

 

 

 

一周ぐるりとお濠の外周を回りましたが

まだ少し時間がありましたので、ゴールの東京駅に向かう前に

お濠周辺の緑化された公開空地をいくつか歩いてみました。

 

2013年頃に東京五輪開催が決定してから

丸の内の再開発が一気に進み、

新しいビルが建設された際に公開空地もつくられました。

いずれも竣工したのがそれほど前のことではなく

それ故に単に木を植えただけのような広場ではなく

近年人気の高い「自然」な雰囲気を感じさせるものがほとんど。

都心でありながら、ちょっとした森林浴・自然散策を

楽しんでいるような感覚が得られます。

 

参加者のお一人からは「都会の方が森があるね」という

感想をいただけました。実際、個人宅や古い集合住宅が

凝集していて公園・緑地の確保しにくい住宅地と比較すると

そういう面は確かにあるかもしれません。

 

 

 

 

 

そんな公開空地の一つを歩いている際

敷地内の池を覗いてみると、ヌマエビやヤゴの姿が……。

 

確かにトンボは飛行能力に優れますし

池さえ作っておけば結構簡単に出現すると聞きますので

決して意外なことではないのかもしれませんが

やはり今回のような大都心部で繁殖しているというのは

「首都圏生きものめぐり」的には大変嬉しいことです。

こういう面白さを、今後も講座を通じて

伝え続けていければと願っております。

 

 

 

 

 

【3/17 皇居のお濠周辺で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、オオバン、オカヨシガモ、カイツブリ、カワウ、コガモ、コサギ、コブハクチョウ、ツグミ、ノスリ、ハクセキレイ、ハシビロガモ、ヒヨドリ、ホシハジロ、ムクドリ、メジロ、ヨシガモ

昆虫類・・・キタテハ、セイヨウミツバチ、ハラナガツチバチの一種、ビロードツリアブ、(ヤゴ)

その他・・・スジエビ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年4月21日(日)に開催いたします。

 行先は「里山ガーデン&四季の森公園(9:30~15:30)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。