こっち側に来る人なんていないと思いきや……(八景島周辺~金沢水際線緑地) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

1/8の行先は、横浜市金沢区の臨海域。

コースとしてはいつもと同じく

能見台駅をスタート地点としまして

谷津坂第一公園→長浜公園→

→富岡ふなだまり公園→八景島……と

順に移動しながら鳥を探しました。

ただ、八景島の後はいつもとちょっと違うルートを

歩いたりしましたので、そちらにつきましては記事後半で。

 

写真は、いつもおなじみの谷津坂第一公園

グラス中心のナチュラリスティックガーデンも

今は御覧の通り、褐色が広がっています。

一方でシードヘッドをそのまま残していたり

それを用いてリースを作ったりと

一般的な街中の公園とはまた違う面白さがあります。

なお、春先にはチューリップなどが開花するそうです。

 

 

 

 

 

これも谷津坂第一公園にて。

シジュウカラが何か種を割っていました。

ただ、持っているのが公園内の宿根草の種なのか

それとも何かの木の実なのか、それは不明。

 

もし前者ならば、ナチュラリスティックガーデンは

花のない時期にも生きものの「糧」となることの

一つの証明となりますね。

 

 

 

 

 

 

富岡ふなだまり公園

特に珍しい鳥がいたわけではないですが

ヒドリガモ(右)やキンクロハジロなどが

集団で飛来していました。

 

 

 

 

 

こちらは長浜公園コガモ

園路から見えにくい水場に

集団で浮かんでいました。

 

長浜公園のカモは多彩で、

他にホシハジロハシビロガモオカヨシガモなどを

確認しています。姿が見えなかっただけで

他にも何かいたかもしれません。

 

 

 

 

 

とある木の頂付近に、ノスリが。

実はその近くにチョウゲンボウも飛んでいたのですが

カラスに追いかけられて逃げてしまいました。

このあとノスリの方もカラスの集団に絡まれ

しぶしぶといった感じで移動していきました。

 

この界隈は、住宅街や工場・倉庫街もあるものの

少し内陸に進めばすぐ森に行きつくような場所なので

この手の猛禽類には結構よく遭遇します。

 

 

 

 

 

 

シーサイドラインに乗って八景島へ。

ちょっと久々に水族館に行ってみようかとも

思ったのですが、財布と相談して却下。

 

ただ、昼食はローストビーフのピラフ(右)と

高価ではないものの安価でもないメニューだったので

どこまで本気の節約なのかは微妙かなり微妙……。

食費はケチらない主義なので

 

 

 

 

 

結局水族館には入らなかったので

覗き窓からシロイルカだけ覗きました。

 

2匹、逆立ちしながら泳いでいます。

 

 

 

 

 

海の公園側の出口付近。

奥に見えるのは海水浴場ですが

そちらではなく、囲まれた池みたいな水場に

ヒドリガモユリカモメなどが多数集まっていました。

 

波がないので落ち着けるのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

おっと、前回に引き続き

上空にミサゴが現れました。

(頭部がややブレてしまっているのはご愛敬)

 

最近ではすっかりこの八景島界隈の

常連さんのようになりつつあります。

逆に長浜公園であまり見ない気がするのですが

もしかしたら時間によってあちらとこちらを

行き来しているのかもしれません。

 

いずれにせよ、寝床と食事処には

困っていないみたいですね。

 

 

 

 

 

こうして見ても、海、市街地、森が

近距離で隣り合っていることがわかります。

横浜市金沢区を始めとして

ここより南の三浦半島エリアは

こうした環境が海岸線にずっと続いています。

 

 

 

 

 

 

さて、普段ですと称名寺方面に向かい

金沢文庫駅から帰路につくのですが

この日はちょっとルートを変更し

マリンゲート側(島の北側)から八景島を出ました。

そこから東側へと移動し、海沿いを歩いて北上し

徒歩で長浜公園まで戻ってみました。

 

つまり、いつもシーサイドラインで来ているルートの逆を

徒歩で移動してみた……という感じですね。

ただ、シーサイドラインに沿って歩くだけでは

ほとんど工場や倉庫しかないので

今まで一度も歩いたことのない

海沿いを歩いてみた……という感じです。

 

普段歩かない道を歩いてみると

行きなれた場所も結構新鮮なもの。

海岸線らしく松の防風林と堤防が続いていましたが

途中から藪の中を細い散策路が通っているような

ちょっと自然を感じさせてくれるスポットも。

また、一般的に立入禁止ではありますが

道中に神奈川県警の航空隊基地がありました。

 

 

 

 

 

道なりに海岸線を歩き続けると

やがてこのような長~い堤防に辿り着きます。

金沢水際線緑地といい、公園になっている様子。

釣りの名所でもあるようで、結構人が来ていました。

 

写真の奥の方に見えるのが横浜の市街地

また、海の対岸にはちらと房総半島が見えました。

 

ちなみに柵に囲まれている蛇籠みたいな部分は

堤防を越えて高波が押し寄せてきた際に

その海水を下へ透過させて海に流すためのものだとか。

これがないと堤防の間に海水が溜まってしまうため

重要な役割を担っていると言えます。

 

 

 

 

 

 

見た感じ、新しい堤防だなと思っていましたが

それもそのはず、あの2019年に上陸した

巨大な台風(令和元年房総半島台風)により

臨海域に高潮被害が及んだことを受けて

新しく嵩上げして作られた堤防なのだそうです。

 

あの台風では都心部でも一部洪水が生じ

交通インフラがストップするなど被害が生じましたが

この界隈では工場内に水が入り込むなど

相当の被害があったそうです。

(本ブログでは台風通過直後の江の島&鎌倉の様子を紹介しています)

当時の被害の様子と、それを受けて

どのように堤防を改良したかについては

金沢水際線緑地休憩所(金沢区福浦1丁目)という施設に

色々と展示があります。近くによる機会がありましたら

一度訪ねてみるといいかもしれません。

休憩用の椅子やテーブルがあり、自販機も置かれています。

 

 

 

 

 

 

堤防近くの工場街です。倉庫や研究所なども多数。

かなり色々な企業がテナントに入っているようで

製造や物流の重要な拠点となっていることがわかります。

 

工場街とあっては「生きものめぐり」とは

無縁かと思いきや、木の植えてある施設も多く

サザンカのような花の咲く灌木もあり

意外と緑が多いような印象を受けました。

実際、メジロイソヒヨドリなどを何度か見かけています。

特にメジロは防風林のマツに食事しに来ることもあるため

何だかんだで「共生」ができているようでした。

 

かつて昭和中期の工場街にあったような

空気の悪さなどはどこにもありません。

その当時であれば、恐らくミサゴなんかも

ほとんど姿を見せなかったのではないでしょうか。

 

改めて「寄り道」の面白さを実感した1日でした。

 

 

 

 

 

【1/8 八景島周辺で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、イソシギ、イソヒヨドリ、オオバン、オカヨシガモ、カイツブリ、カルガモ、カワウ、カワラヒワ、カンムリカイツブリ、キンクロハジロ、コガモ、シジュウカラ、セグロカモメ、チョウゲンボウ、トビ、ノスリ、ハクセキレイ、ハシビロガモ、ヒドリガモ、ヒヨドリ、ホシハジロ、ミサゴ、メジロ、モズ、ユリカモメ

その他・・・ミズクラゲ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年2月18日(日)に開催いたします。

 行先は「水元公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。