雨の横浜散策記。バタフライツリーは要チェック(みなとみらい) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

梅雨なので致し方ないのはわかりますが

6月中旬、雨の中みなとみらいへ……。

午後から一応止むらしいことは

お天気アプリで予報が出ておりましたので

止んだ後に昆虫が動き出すことに期待し

横浜駅を出発点として歩いてみました。

 

上の写真は、横浜駅の駅ビル(JR横浜タワー)にある

屋上庭園「うみそらデッキ」です。

横浜の駅前から港湾部までよく見えるので

晴天時であればちょっとした散策スポットなのですが

上記の通り雨なのでガランとしています。

 

たまたまハクセキレイ(右)が1羽だけ

フェンスに乗って黄昏ていたので、そっと撮影。

この手の鳥が来るということは

小さな昆虫なんかもいるのかもしれません。

 

 

 

 

 

ここは横浜グランゲート

1階部分のエントランス付近に

雑木林みたいなオープンスペースがあります。

あくまで「人」が自然な雰囲気を

楽しむために設えられたものでしょうが……↓

 

 

 

 

 

フロックスらしき植物に

ツユムシの姿が……。

 

 

 

 

 

クローズアップしてみました。

無印のツユムシで間違いなさそうです。

 

そんなに長距離を移動できる虫でもないので

恐らくここに棲み付いているか、

でなければ近くの空き地から飛んできたか、

補植で持ち込まれた植物についていたか……

いずれにせよ、このような都会の真っ只中で

会えるとは思っていなかったので、ちょっと嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

これも横浜グランゲートの公開空地。

ちょっとした森のようになっているためか

シジュウカラの姿も見かけました。

口に何か咥えているようですが

つまりは「幼虫」もいるということでしょう。

 

自然度の高い公開空地や屋上庭園では

当然嫌われがちな虫も来るもの。

とは言え、ただで見させてもらっている以上

その辺は許容した方が良いような気もします。

 

 

 

 

 

 

こちらはマークイズみなとみらいの屋上庭園。

2013年にオープンして、今年が開業10周年。

オープン当時からこの庭園はありましたが

年月を経てさらに充実してきたようです。

 

一応ルーフ付きの屋上庭園なのですが

それでも結構足下は濡れていますので

屋上に出ている物好きは私だけでした。

 

 

 

 

 

 

それでも他のガーデンに比べれば

まだ雨避けになっているからでしょうか?

ラベンダーにミツバチの姿がありました。

どうやらセイヨウミツバチのようですね。

 

 

 

 

 

セグロアシナガバチも飛来しました。

さらに、後から写真を見直して気づきましたが

右上にアゲハの若い幼虫も写っています。

しかも肉角が出ています。

このためか、ハチは手出しせずに去っていきました。

 

こういう嫌われがちな虫も、結局はどこまで

「許容」できるか?ということなのでしょう。

もちろん私は別にいても構わないのですが

他の大半のマークイズの利用者がどう考えるか?

対策するにしてもどのくらい費用がかかるのか?

その辺の兼ね合いで、施設の方が考えられることです。

利用者的には、素直にそれに従うのが筋かな……と。

 

 

 

 

 

 

その後、雨の降る中で新港中央広場を通過。

梅雨時らしくアジサイが最盛期でしたが

ユリの仲間も多数開花していました。

 

 

 

 

 

 

山下公園。ここまで来てもまだ雨が降っており

観光客もまばらです。ちなみにこの日の前日に

ガーデンネックレス横浜のイベントは終了しており

人が少ないのはその辺の理由もあったかもしれません。

 

……いや、やっぱり8割5分は雨のせいか(汗)

 

 

 

 

 

日陰のガーデンで休憩していたツバメシジミ

口吻を伸ばしているので、休みついでに

吸水もしているようですね。

 

ジッとしていてくれたおかげで

結構クリーンに撮ることができました。

 

 

 

 

 

おっと、海上にコアジサシが現れました。

言わずと知れた絶滅危惧種です。

個人的に、山下公園で見たのは初めて。

 

たまたま立ち寄っただけかもしれませんし

写りの方もイマイチではありますが

これは結構大きな収穫かもしれません。

 

 

 

 

 

港の見える丘公園へ。

ここまできてようやく雨があがりました。

林床に咲くユリを観賞しながら

昆虫の出やすい高台のガーデンへ向かいます。

 

 

 

 

 

写真の右上に写っている

紫の花を咲かせている植物に注目。

「バタフライ・ツリー」という俗称で呼ばれるほど

多くの昆虫を呼び寄せる植物 ブッドレアです。

 

中低木の中でもとりわけチョウに好まれ

その名の通り、一株植えるだけでも

かなりの数が飛来するとの専らの評判。

ナチュラルガーデンを目指す方にも

よく利用されているようです。

 

 

 

 

 

 

この日は雨上がり直後でしたが

待ってましたとばかりに昆虫達が動き出し

アゲハチョウの仲間も多数飛来していました。

(左:ナミアゲハ 右:アオスジアゲハ

その数は、このブッドレア1株だけで

アゲハの仲間に限っても5~6匹来ていたほど。

余程蜜が美味いのか、はたまたフェロモンで呼ばれているのか……。

 

ちなみに香りもよく、鼻を近づけると

バラやユリほどではないものの

甘みのある香りが楽しめます。

 

 

 

 

 

オオスカシバも飛来していました。

ペンタスなどと同じく、小さい花の集合体なので

空中で静止してくれる時間が長く

撮影にはもってこいの花だったりします。

 

 

 

 

 

 

ブッドレア周辺だけでなく、ガーデン全体で

多くの昆虫が食事のために動き出しました。

雨が止むのを待っていた……といいますか

止むタイミングを本能的に察知しており

それまで体力を温存していたと言うべきかも?

 

一応、小雨程度ならチョウも飛べるのですが

やはり雨粒に打たれれば体力を消耗しますし

後で止むと察知していたのであれば

ここまで動かずにいたというのは得策です。

 

 

 

 

 

最後に、昨年以来のミミズクです。

新顔登録した場所が場所だけに

こんな都市公園で撮れると思っていませんでした。

コアジサシより、ちょっと驚いたかもしれません。

 

スタート時の悪天候の割には

色々と収穫のある1日だった気がします。

次は恐らく秋になるかと思いますが

今後もコンスタントに足を運びたいところです。

 

 

 

 

【6/12 みなとみらい(雨天)で撮影した生きもの】

鳥類・・・オナガ、カワウ、コアジサシ、シジュウカラ、ハクセキレイ、ムクドリ

昆虫類・・・アオスジアゲハ、オオスカシバ、オオモンクロベッコウ、カタグロチビドロバチ、キタキチョウ、クマバチ、セイヨウミツバチ、セマダラコガネ、ツバメシジミ、ツユムシ、ナミアゲハ、ニホンミツバチ、ホソメヒラタアブ、ホタルガ、ミミズク、モンシロチョウ

その他・・・ミズクラゲ

 

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年7月15日(土)および16日(日)に開催いたします。

 行先は「光が丘公園周辺(東京都練馬区)」でございます。

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 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。