【講座実施報告】春のガーデンで都会の昆虫を観察(5月・みなとガーデンエリア編) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

5月の第3日曜日に開催しました

散策講座「首都圏生きものめぐり」の様子です。

残念ながら4月と違い、参加者の方は少なかったのですが

例えお1人でもご参加くださる方がいらっしゃいましたら

必ず開催することとしておりますので

しっかりと案内させていただきました。

 

集合は桜木町駅。まずは歩道橋を渡って

2020年に竣工した横浜市新庁舎へ。

バラを主軸とした華やかな日なたのガーデン(左)と

落ち着いたデザインのシェードガーデン(右)があります。

昆虫が来ることもあるのですが、

大抵来るのは、蜜源となる花の多い日なたの方。

シェードガーデンにも一応花はあるのですが

数が少ないこと、そして昆虫自身が日なたの方を

好む傾向にあるため、あちらで探すのは困難です。

 

 

 

 

 

その後は新港中央広場へ。

この時はまだ「ガーデンネックレス横浜」の

開催期間であり、終盤に差し掛かっていたこの日は

フェア最終期の主役となるユリが開花し始めていました。

 

 

 

 

 

 

新港中央広場では、アリウムが多数開花!

小さな花が多数集まっているアリウムは

蜜源植物として非常に有用で

特にミツバチを多く呼び込む効果があります。

 

 

 

 

 

こちらは三尺バーベナ

セイヨウミツバチが飛来していました。

 

 

 

 

 

山下公園のすぐ近くでは

歩道橋の下にスズメの巣がたくさん。

ちょっとした隙間を活かして

都会でしっかりと命を繋いでいるようです。

 

 

 

 

 

 

山下公園では、もちろんバラの多いサンクンガーデンも

視察したのですが、今回はどちらかというと

こちらの日陰のナチュラルガーデンの方を

重点的に案内させていただきました。

(日なたの花壇はあまりに人が多過ぎたので)

 

ユキノシタやギボウシなどの日陰に強い植物が多く

木に囲まれているので、落ち着いた雰囲気を楽しめます。

新庁舎のシェードガーデンと比べると花の数・種類も多く

それなりに昆虫の姿も見かけました。

右写真は、目の前で吸蜜したモンシロチョウです。

 

 

 

 

 

別角度から撮影した日陰のガーデン。

線の細いリーフ類や大型のアカンサスなどが

存在感を発揮しています。また、丸い葉のツワブキが

線で魅せる他の植物と絶妙なコントラストを生んでおり

派手さはなくともデザイン性を感じさせてくれます。

 

この花壇自体はもう何年もここにあり

経年変化で大分植物も大きくなり充実してきたのですが

相変わらず人目につきにくい傾向にあるらしく

なかなか注目されにくいのが残念……。

長期間楽しめて良いガーデンですので

山下公園に行かれた際にはぜひチェックしてみてくださいませ。

 

 

 

 

 

港の見える丘公園に移動。

毎年訪れているこの高台のローズガーデンですが

植物の種類も、飛来する昆虫も非常に多いので

何度訪れても退屈することがありません。

 

みなとガーデンエリアの中では

「周りの自然度がそれなりに高い」

「人が極端に集まり過ぎない」

「蜜源植物の数・種類が多い」ということで

ここが特に昆虫の観察に適した場所となっています。

 

本来花を愛でるための場所なので

虫を追いかけてるのは私くらい……と思いきや

やはり間近にアゲハチョウなどが飛来すると

結構熱心にスマホなどで写真を撮る方はいらっしゃいます。

また、そんなに極端にハチを恐れる方もおらず

都市公園らしい自然との共生の場になっているようです。

 

 

 

 

 

ここからは、ローズガーデンに飛来した

昆虫の写真が続きます。

 

まず、このハチなのですが

全身ほぼ真っ黒で背中に金箔を纏ったような

今までに撮ったことのない種です。

この日何度かエンカウントしましたので

別に珍しいハチではないようですが……

すみません、手持ちの図鑑ではわかりませんので

毎度毎度ふがいないのですが、どなたか昆虫に詳しい方

わかりましたら教えていただければ幸いです。<(_ _)>

 

 

 

 

 

オルレアに来たコアオハナムグリ

前回のお台場の花畑と同じですね。

 

 

 

 

 

三尺バーベナとナミアゲハ

この日花壇に来た昆虫の中では

最も大きく、そして名の知られた存在。

それだけに注目している方も多かったようです。

 

 

 

 

 

こちらはキタテハ

もうちょい翅を開いてくれれば……。

 

 

 

 

 

 

これはヒメトラハナムグリ

新顔登録したのは割と最近になりますが

この日数回エンカウントしましたので

元々それほど自然度の高い場所でなくても見られる

ポピュラーな甲虫であったと思われます。

 

 

 

 

 

ニホンミツバチもオルレアに飛来。

他の公園でもそうですが

やはり最近本種との遭遇率が

明らかに上がってきているように感じます。

 

 

 

 

 

ジギタリスでも盗蜜行為を働くクマバチ

こういう袋状の花はよく被害に会っています。

ジギタリスは園芸用の花なのでまあ構いませんが……。

 

 

 

 

 

ラムズイヤーの花にセイヨウミツバチが。

本来、動物の耳みたいな葉の質感を楽しむ植物ですが

実は花が咲けば蜜源としても活躍します。

 

 

 

 

 

ツマグロヒョウモンのいる風景。

いい感じにガーデン風景にとけ込んでいます。

 

 

 

 

 

残念ながら一季咲きが基本のつるバラは

初夏の開花期を終えると、次の花は来年までしばしお別れ。

ここのアーチのグラハムトーマス(黄色いバラ)

2017年の都市緑化フェアの頃からずっと変わらず

来園者を楽しませてくれています。

 

以上、参加者様は少なかったものの

その分密度の濃いご案内ができたかなと思っております。

今週末には「生田緑地編」の講座が開催されますので

もし興味をお持ちいただけましたら

ぜひ「こちら」からお申込みくださいますよう

ご検討のほど何卒よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

【5/21 みなとガーデンエリアで撮影した生きもの】

鳥類・・・ムクドリ

昆虫類・・・アオスジアゲハ、キタテハ、クマバチ、クロウリハムシ、コアオハナムグリ、ササグモ、セイヨウミツバチ、ツマグロヒョウモン、ナナホシテントウ、ナミアゲハ、ナミテントウ、ニッポンヒゲナガハナバチ、ニホンミツバチ、ヒメトラハナムグリ、ホソメヒラタアブ、マメシロコブゾウムシ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ、ヨコヅナサシガメ、ルリチュウレンジ

その他・・・ミズクラゲ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年6月18日(日)に開催いたします。

 行先は「生田緑地(神奈川県川崎市)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。