【講座実施報告】猛禽観察はゲーム感覚で楽しむ(1月・茅ケ崎里山公園編) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

2023年最初の講座「首都圏生きものめぐり」では

茅ケ崎里山公園とその周辺を歩きました。

 

実は元旦にも視察のために訪れておりますが

講座当日はパラパラと小雨の降る悪天候。

ただ、到着直後こそ鳥は少なかったものの

30分ほどして気温が上がってくると

あちこちで鳥の姿を見るようになりました。

 

 

 

 

 

 

過去にはトモエガモなども観察したことのある

芹沢の池。この日はマガモコガモカルガモが中心で

コガモは相当数飛来していたはずですが

ほとんどヨシ原に隠れていてなかなか見えませんでした。

 

また、ヨシ原の中からはアオジの鳴き声が。

私のみでの散策であれば「出てくるのを待つ」ことも

できたのですが、スケジュール上それは不可能。

ゆえに小鳥との出合いについては

どうしても「運」が絡んできます。

 

 

 

 

 

 

でも、この日は本当に「運」に恵まれたのか

日照条件が悪く距離が遠いながらも

結構な数の小鳥が姿を見せてくれました。

特にシメ(左写真)は出現率がかなり高く

初めて見たという方もいらっしゃいました。

 

ちなみに右の写真は、左がツグミ、右がシメです。

ツグミはここへ来てようやく数が増えてきました。

やはり今冬も「遅刻」してきただけなのか?

 

 

 

 

 

 

暖冬らしく、すでに菜の花も大分咲き始めていました。

さらにニホンミツバチ(右写真)の姿も。

ちなみに元旦、記念すべき2023年最初に撮影した生きものも

何気に二ホンミツバチだったりします。

 

 

 

 

 

おっと、ノスリが出現。時間の限られた講座中に

こうして猛禽類に会えるのは大変幸運なことです。

無論、単なる「運」というわけではなく

それだけこの公園周辺の自然度が高く

鳥の数が多いということでもあります。

 

さすがにこの遭遇には、参加者の皆さんも興奮。

しきりに写真を撮っていらっしゃいました。

なお、見つけるのがあと十秒ほど遅れていたら

ノスリに近づき過ぎて逃がしてしまったかもしれません。

ノスリの方はとうにこちらに気づいていたはずですが

彼らも気づいただけで即逃げるということはありません。

過度に注目されていると感じない限りは

基本的に動かないので、あとは様子を見ながら

逃げ出さないギリギリまで接近しつつ撮るようにします。

そこの距離感の取り方を探るのもまた

猛禽観察のおもしろさと言えるでしょう。

 

 

 

 

 

公園外の農地周辺で見つけたホオジロの集団。

この写真だけでも7羽写っていますが

実際は20羽くらいの集団でした。

 

 

 

 

 

 

茅ケ崎里山公園は、公園単体のみでは

そこまで極端に広いわけではありません。

しかし公園周辺の農地も併せて散策すると

会える生きものの数・種類も大きく広がり

1日たっぷり楽しむことが可能となります。

 

すぐ近くに流れている川ではダイサギ(右)などの

サギの仲間の他、この日は観察できませんでしたが

カワセミが姿を見せることもあります。

 

 

 

 

 

しかし、この農地周辺の醍醐味といえば

やはり猛禽類です。写真は、非常に写りが悪いですが。

クローズアップするとチョウゲンボウだとわかります。

 

元旦の視察時には天気も良く

何度か飛ぶ姿を見かけましたが(多分複数羽いる)

この日見たのはこの1羽だけでした。

しかも一瞬だったので、気づいたのは私だけ

参加者の皆さんはこの時は見ることができませんでした。

 

 

 

 

 

彼ら猛禽類は、鉄塔などの高い人工物をよく利用します。

飛んでいる姿を撮るのは難しいかもしれないけれど

とまってくれれば楽勝……と言いたいところですが

このチョウゲンボウ、巧みに姿を隠しやがる(◎_◎;)

 

赤い円内にちらと羽が写っていますが

それ以上は角度を変えても見えません。

あちらは視力が人とは比べ物にならないほど良いので

恐らくこちらにはとっくに気づいているはず。

だとすれば、何となく「遊ばれている」気すらする(闇)

 

このまま待機していても出てくるとは思えないため

諦めて帰路につこうかと思いましたが

その時、どこからともなく1羽のカラスが……↓

 

 

 

 

 

鉄塔に向かって飛んできたカラス(右)に驚き

隠れていたチョウゲンボウ(左)が飛び出してきました。

おかげで参加者の皆さんも見ることができました。

多分、この時ほどカラスに感謝したことはありません。<(_ _)>

 

猛禽の観察は、ある意味ゲームのようなもの。

撮影する前にうっかり飛ばしてしまえばあちらの勝ち。

気づかれても飛ばさずに撮影できればこちらの勝ち。

加えて、今回のように「負けた」かと思っても

思わぬ横やり(←カラス)によって「逆転」することも。

その面白さを、参加者の皆さんに

お伝えすることができたならば幸いです。

 

 

 

 

 

農地には何度かモズが出現しました。

写真はメスですが、オスの姿も確認しています。

獲物となる小動物が多いのでしょう。

 

 

 

 

 

最後に、声だけでなかなか見られなかったアオジ

解散前に観察することができました。

最終的に、ノスリとチョウゲンボウの猛禽2種を含め

19種類の野鳥を確認できました。

 

小雨のぱらつく悪天候であった割には

上々の成果だったように思えます。

 

 

 

 

 

【おまけ(元旦の視察時の写真)】

オオタカか、それともハイタカか……。

この日は他にもノスリとチョウゲンボウも撮っています。

元旦から縁起が良かったかも?

 

 

 

 

 

夕方の帰る直前、林縁部にビンズイが出現。

5~6羽程度の集団で現れ、地面で食事していました。

そう簡単に撮れる鳥ではないので、これまたちょっと幸運。

 

 

 

 

 

モズのオス。晴天かつ近距離であれば、

これくらい鮮明に撮ることも可能です。

 

 

 

 

 

【1/15 茅ケ崎里山公園の講座で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオジ、エナガ、カルガモ、カワラヒワ、キジバト、コガモ、シジュウカラ、シメ、ダイサギ、チョウゲンボウ、ツグミ、トビ、ノスリ、ハクセキレイ、ハシボソガラス、ヒヨドリ、ホオジロ、マガモ、モズ

昆虫類・・・ニホンミツバチ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年2月19日(日)に開催いたします。

 行先は「浮間公園&戸田市内の水場」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。