【講座実施報告】湘南屈指の観光地で生きものめぐり(5月・江の島) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

5月15日の講座「首都圏生きものめぐり」では

本ブログでもお馴染みの江の島へ。

前日まで天気が大分荒れておりましたが

幸運にもこの日は雨も上がり

風も弱くて波も穏やか。

江の島散策にはもってこいでした。

(もちろん晴天だったら文句なしでしたが)

 

離れ小島にいるウミウ(右)を堤防から観察。

くちばしの付け根で識別できますが

それなりのデジカメか双眼鏡がなければ

これは初見では気づけないでしょう。

 

 

 

 

 

 

江の島の裏側の磯は、一般に観光目的で

人が訪れることはまずありません。

しかし、江の島で生きものを探すのならば

稚児ヶ淵と並んで外せないスポットです。

 

満干潮の時間帯を事前に把握しておき

午前中であれば往復するのも造作ないと判断。

多少険しい岩場を歩きましたが

行ける所までご案内させていただきました。

 

 

 

 

 

ハヤブサも一応確認できましたが

何分後ろ向きだったのでこんな感じに。(;^_^A

まあ、こういうことはよくあります。

 

こちらを向くのを待ったり、

顔の見える位置に移動したりするのは

時間その他大人の事情もありましたので

この日は控えることとしました。

 

 

 

 

 

なお、既に巣立ちしたらしいので書きますが

この日はハヤブサのヒナも確認できました。

写りはイマイチですが、この写真ですと

ヒナが3羽いることがわかります。

 

また来年以降も、願わくば今後永久に

営巣地として利用されてほしいものです。

 

 

 

 

 

波は穏やかといっても、

やはり太平洋に直接面しているので

それなりに「ざっぱーん」と来ます。

それでも一番の引き潮時間を狙いましたし

濡れることなく徒歩で行けたので

非常に幸運だったと言えるでしょう。

 

 

 

 

 

そういえば江ノ島水族館の方が

生きものの捕獲(?)にいらっしゃっておりました。

マダコとかヒトデとか見たことのある面々に加え

天神島でおなじみのアオウミウシも見つかった模様。

 

もしかしたら稚児ヶ淵なんかでも

念入りに深みとかを探ればいるのかもしれませんが

然るべき道具を持っていない私には

まあ、到底無理だろうな……と。(;^_^A

 

 

 

 

 

 

江の島の島内散策では、植物にも注目。

トベラ(左)などの葉の分厚い植物が多く

臨海域ならではの植生が見られます。

 

トベラにはアブラムシが付くこともあるため

それを食べるナミテントウ(右)などが見られます。

こうした小さな食う・食われるの関係も

念入りに観察していきます。

あまりやり過ぎると時間がなくなるので程々にしますが

 

 

 

 

 

一方で、野山の半日陰環境に合う植物も

江の島には多数生育しております。

こうした植物にも昆虫の姿がちらほら。

 

 

 

 

 

新顔の昆虫もいくつか見つかりました。

まずはキイロクビナガハムシです。

黄色じゃなくてのような気もしますが気にしてはいけない

 

遭遇率・・・3(希少種ではない模様)

インパクト・・・1 (指先サイズ以下)

美しさ・・・3 (鮮やかな赤色)

俊敏性・・・ (飛べば早いです)

知名度・・・2 (ハムシの仲間は大抵こんなもん)

 

ちなみにアカクビナガハムシというのも存在するそうですが

前翅の点々模様がもっとまばらなのだそうです。

 

 

 

 

 

こちらも小さな新顔。

オオモンシロナガカメムシというそうです。

 

遭遇率・・・2(あまり見かけない模様)

インパクト・・・2 (上のハムシよりはずっと大きい)

美しさ・・・2 (地味ではないけれど美麗とも言い難い)

俊敏性・・・2 (それほど動きませんでした)

知名度・・・1 (注目されない分知名度も低い模様)

 

ほっそりしていたので最初サシガメの仲間かと

思いましたが、どうやら違う模様。

サシガメと違って草食のようです。

 

 

 

 

 

江の島から神奈川県等へ広がったタイワンリス

島のあちらこちらで見かけます。

 

 

 

 

 

食事は、島内の食堂で。

やや早めに入ったのですぐに席が取れました。

あと15分遅かったら待たされたかも?(汗)

 

 

 

 

 

食堂前で見つかったセンチコガネ

まあ、自然度が高いので不思議ではないですが。

 

 

 

 

 

海が穏やかだったおかげで、

無事に稚児ヶ淵にも降りられました。

遊覧船 べんてん丸も運行しており

コロナ禍の小康状態も相俟って

この日の稚児ヶ淵は活気に満ちていました。

 

 

 

 

 

稚児ヶ淵前の高台で記念撮影。

 

 

 

 

 

稚児ヶ淵のタイドプールを覗いてみましょう。

小さな天然の水槽が散りばめられているような

何度訪れても飽きないこのスポット。

イワガニなどのオーソドックスな種を始め

磯の生きものが多数観察できました。

 

 

 

 

 

クサフグもちらほら。

(ちなみにこの写真は思い切り加工しています)

 

 

 

 

 

全長20cmくらいの

デカいアメフラシも。

 

 

 

 

 

せっかくなので参加者の皆さんにも

アメフラシに触れていただきます。

至って無害な生物ですからね。

 

ちなみに、紫色の液体を出すのは

余程危機感を覚えた時だけらしく

見たいなら思い切り刺激を与える必要があるとか……。

でも、間違いなくアメフラシ自体への

負荷になると思われますので、やめておきます。(;^_^A

 

 

 

 

 

 

最後に、サムエル・コッキング苑も散策。

ちょうどバラの見頃を迎えていました。

自然派のガーデンではありませんが

季節ごとの園芸植物が観賞できるため

いつでも立ち寄る価値は十分にあるスポットです。

 

また、春以降は園芸植物の蜜を求めて

昆虫が飛来することも多いため

「生きものめぐり」の観点から見ても

やはり江の島に行ったら立ち寄っておきたいものです。

 

 

 

以上、観光地として知られている面とはまた違う

生きものを探すための江の島散策でしたが

どうやら皆様にもご満足いただけたようでよかったです。

江の島は通年で楽しみが尽きないので

(強いて言うなら真冬は鳥の数が少ないので寂しいか?)

また次年度以降もご案内できればと思っています。

 

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2022年6月19日(日)に開催いたします。

 行先は「舞岡公園(予定)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。