出る時はいつも集団……らしい(北印旛沼周辺・前編) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

前回に引き続き、チバラキゾーンの新地開拓へ。

この日は印旛沼の北部、ヒシクイという鳥の飛来地へ

足を運びました。最寄駅は右の下総松崎駅

駅員さんもおらず、下りた目の前にはコンビニや売店もなく

非常に静かな場所です。もし今後公共交通機関で

お出かけになられる方がいらっしゃいましたら

食事は恐らく持参した方がいいでしょう。

「どうせ現地で調達できる」と思うと泣きを見ます(マジ)

 

あと、単線やし(左写真参照)

 

 

 

 

 

駅近くの電柱で見かけたチョウゲンボウ

周りは田畑と民家しかなかったので

まあ、いても何ら不思議はないです。

 

あ、ちなみに今回は長いので

前後編に分けてお送りします。

 

 

 

 

 

 

下総松崎駅の近くには坂田ヶ池総合公園という

森と池を中心とした公園があります。

本命の行先はこちらではなく、田んぼの方なのですが

早朝から出発していて時間もありましたので

まずはこちらの公園をぶらりと回ります。

 

シロハラ(右)を結構近くで撮れました。

ツグミと同じく、1月中旬からよく見るようになった気がします。

 

 

 

 

 

 

公園の池に目を向けますと、

おお……なかなかカモが多いです。

特にマガモ(左)の数が多く、その他にも割とよく見る種が

結構な数観察できました。ハシビロガモの集団(右)にも遭遇。

 

 

 

 

 

ミコアイサの集団もといハーレムにも遭遇。

オスは見事に1羽しか見られませんでした。

 

 

 

 

 

オスをクローズアップ。

これを撮るためか、朝から数名のカメラマンが

公園に来ていらっしゃいました。

極端に希少というわけではないのですが

このパンダにしか見えないフォルムが目を惹くのか

出現するとWeb上に情報がよく出回ります。

 

こうした人気の鳥のほか、森の小鳥なども多く

そこそこの広さもあるので1日じっくり散策しても

十分に楽しめるスポットだったりします。

 

 

 

 

 

公園を後にして、印旛沼の方に向かいます。

ひたすら広い田んぼが続いていて

それこそ地平線まで見えてきそうなほど……。

多分これ、夏場だったらカエルとか凄いんじゃないかと。

 

 

 

 

 

ヨシ原の奥に見えるのが印旛沼です。

ここまで写真の点数が少ないのでわかりにくいですが

公園からここまで来るだけでも1時間程度の時間を要しました。

 

写真だとわかりにくいですがカモの数も多く

上空には猛禽(後述)も見られました。

 

 

 

 

 

田んぼで見かけたタゲリ

先日の平塚の講座などでは1羽見つけただけでも

歓喜していたものですが……。

 

 

 

 

 

こんなふうに集まっているところもありました。

重機で右側が見えませんが、実はこの他にも数羽おり

1つの田んぼだけで10羽くらい来ていたと思われます。

この界隈ではタゲリも珍しい鳥ではないようです。

 

狙いはやはり、サギなどがよくやるのと同じで

重機が通った後に出てくる土中の小動物を

捕食するためでしょう。

 

 

 

 

 

宙を舞うチュウヒに遭遇。

今冬は渡良瀬遊水地に行けていないので

ちょっと嬉しいですね。

1回だけでなく、何度か見かけました。

 

 

 

 

 

前回の霞ヶ浦に続いて、一斉に上空を舞うカモの群れ。

見ろ!鳥がゴミのようだ  拡大してみないとわかりませんが

恐らくはオナガガモではないかと思われます。

 

都内や臨海部などでも目にする機会の多いオナガガモですが

一体首都圏に全部で何羽渡ってきているのか?

ちょっと興味があります。

 

 

 

 

 

ミサゴも出現。この日は2羽見かけています。

 

 

 

 

 

そして、田んぼの一角で蠢く集団を遠方に確認。

どうやらこれがお目当ての鳥のようです。↓

 

 

 

 

 

あまりに距離があったのでこれが限界でしたが

ヒシクイで間違いなさそうです。

名前からもわかる通り、オオヒシクイの近縁種。

ガンの仲間であり、一般的なカモよりも大きめです。

 

遭遇率・・・2 (後述)

インパクト・・・5 (やはり巨大)

美しさ・・・3 (これまた配色自体は地味)

俊敏性・・・3 (飛んでいる姿は見ませんでしたが)

知名度・・・3 (やはり鳥撮りにはそこそこ知られた存在)

 

 

オオヒシクイと同様に保護活動もされているようですが

あちらと違ってGoogle Mapに「ヒシクイ観察小屋」とか

施設の情報が載っているわけではないので

撮影するには最新の飛来情報をネットで探す必要があります。

一応、印旛沼には毎年のように飛来しているらしいのですが

それとて印旛沼のどこに来るのか?北なのか南なのか?など

詳細な情報を探らなければ、いくら集団で来ているとはいえ

そう容易には会えないかもしれません。

(特に自家用車がない場合、情報が足りなければほぼ失敗確定)

実際私も、運がよかったとしか言いようがなかったり……。

 

 

 

 

 

そんな貴重なヒシクイですが

現地の農家の皆さんにとっては常連なのか

こんなふうに重機とセットでも撮れました。

絶滅危惧種にもされていますが

人の暮らしと密接した生きものであることがよくわかります。

 

 

 

後編では印旛沼の北西部まで足を延ばします。

白鳥飛来地もあるとのことでしたが、さてどんな所か……?

 

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2022年3月20日(日)に開催いたします。

 行先は「泉の森&ふれあいの森(予定)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

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小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。