雨さえ上がれば動き出すのですが……(花をたずねて鎌倉歩き・6月) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

すっかり梅雨の気候に入った昨今、

皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

本日は、6月に参加した「花をたずねて鎌倉歩き」講座の

レポートを掲載させていただきます。

梅雨時らしく雨が降っていましたが、私の記憶では確か

この日(6/19)はまだ梅雨入り宣言していなかった気も。

まあ、宣言があろうがなかろうが6月中旬ともなれば

雨が降るのも何ら不思議なことではありません。

 

この日は鎌倉駅からバスで移動し、一条恵観山荘から散策。

以前にも訪れたことがありますが、川沿いに位置する重要文化財施設で

夏場は主にアジサイとキキョウが見所となっています。

(若干、キキョウの開花期が早過ぎる気もしますが)

 

 

 

 

 

 

こんもりとした小山に苔を生やした

立体的な箱庭(?)は鎌倉の寺社らしい見所。

要所に水鉢を設け、花を浮かべているのもポイントです。

 

 

 

 

 

 

水鉢には季節モノらしくアジサイを浮かべていました。

同じような飾りは一般家庭でもやられている方は多く

初夏や秋にはバラを、冬にはクリスマスローズを浮かべると

花の種類が多い分、色々なデザインが楽しめるようです。

 

 

 

 

 

こんなふうに水面いっぱいに花を敷き詰めるというのもアリ。

水面を完全に隠し、花の色・形によってデザイン性を創出しています。

 

もちろん手を突っ込んだりすれば容易に崩れてしまいますが

こうした鎌倉の静かな名所を訪れる「大人」は

さすがにそんな無粋な真似はしないでしょう。

(できないのならちゃんと親が見張っていないとダメです)

 

 

 

 

 

 

すぐ近くにある浄明寺へ移動。境内が広い上に高低差があり

季節の山野草なども多く開花するので、

時間をかけて散策を楽しみたいお寺です。

 

山野草とは言い難いですし、勝手に生えただけかもしれませんが

芝生から多数のネジバナが咲き乱れていました。(右写真)

河川敷や公園などでは踏圧の影響をうけるため

ここまでたくさん生えることは基本的にありません。

 

 

 

 

 

境内の奥、高台に位置する石窯ガーデンテラス

名前の通り石窯で焼いたパンが食べられるほか

イングリッシュガーデンがあり、食事する際に中を散策できます。

(食事ナシでも中を散策できるかどうかは未確認)

 

 

 

 

 

 

石窯ガーデンテラスの庭園内。バラがまだ残っていたり(左)

日陰にアナベルが多数咲いていたり(右)と

イングリッシュガーデンらしく季節の花が咲いています。

 

実際に英国人ガーデナーが作庭したらしく

野趣のある庭が好きな方にはおススメ。

後述しますが、悪天候の中でもちらほら昆虫が見られたので

晴天時であればそういう類の観察にも適しているのでしょう。

周りは山に囲まれていて自然度が高いため

この先、晴天時に夏・秋とチェックしておきたいスポットです。

 

 

 

 

 

テラス席からガーデンを眺めながら食事もできるようです。

恐らく人気の席なのでさっさと埋まってしまう気もしますが

梅雨明け後の暑さ厳しい時期だったら

みんな室内に逃げるので空きが出る……かもしんない(弱気)。

(まあ熱中症には気を付ける必要がありますが)

 

 

 

 

 

建物側から1枚。高台に位置しているので

本来であれば景色もなかなか良いみたいです。

 

 

 

 

 

 

一瞬だけ、雨が弱まった際に昆虫の姿を見かけました。

アオスジアゲハ(左)にクマバチ(右)と、

まあ街中でも見られるようなメジャー種のみでしたが

あれだけの悪天候下でも現れたということは

時季さえ外さなければもっと色々観察できたに違いありません。

 

 

 

 

 

その後、場所を移動してとある境内でイワタバコを発見。

(厳密にはケイワタバコというらしいですが)

アジサイ程の知名度はないものの、鎌倉を代表する初夏の花です。

 

 

 

 

 

イワタバコが咲いていた一方で、既にヤマユリも開花していました。

例年であれば7月中旬辺りから最盛期に入るはずなのですが

やはり梅雨入り直前に暑さが続いたことでも影響しているのか

大分前倒しに開花し始めているようです。

 

この分だと梅雨明け頃には花が終わっている可能性もあるので

是が非でも見ておきたいという方はお早めに!

 

 

 

 

 

これはちょっと嬉しい出合い。

生涯で2度目の遭遇となるシラホシカミキリです。

レア種というほどではないですが、どこでも会えるものではなく

鎌倉の自然度の高さを反映していると言えるでしょう。

(ちなみに前回遭遇したのは埼玉県内です)

 

 

 

 

 

帰りがけ。一般住宅の玄関先で見かけたトケイソウです。

名前そのままの外見でサイズも大きいため、毎度目を惹きます。

これに近い植物としてあのパッションフルーツがあり

近年の温暖化傾向を反映してか、

庭で育てる人も最近出てきているとかいないとか……。

 

 

 

悪天候ながら、そこそこ嬉しい出合いがありました。

せっかくですので次は真夏の晴天時に

石窯ガーデンテラスに再度足を運びたいと思います。

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年7月17日(土)18日(日)に開催いたします。

 行先は「天神島(神奈川県横須賀市)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

(お申し込みの際には、7/17(土)または18(日)

いずれか参加希望の日にちをご記入ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。