結局キバネは撮れなかったけれど、収穫はあった(埼玉圏内某所) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

締め切りに追われていてなかなか更新できません。

つーか持ち帰っています。今日も自宅作業しました……。

私は独り暮らしゆえにTVさえつけなければ基本家は静かなので

文章を書くのであれば会社よりむしろ集中しやすかったりします。

 

それはさておき、前回の訪問から1週間の間をおいて

埼玉某所のキバネツノトンボ発生地に再度足を運びました。

巨大な荒川の土手を歩き、現地に向かいます。

(電車の本数がやたら少ないため、場合によっては歩いたほうが早い)

 

 

 

 

 

道中、野バラで見かけたコアオハナムグリ

春らしく愛をはぐくみます(呪)

 

 

 

 

 

こういう連中のたまり場みたいになることもしばしば。

レストランであり、同時にラブホテルとしての機能も果たします(棒)

 

 

 

 

 

が、まれに美人局も現れます。

……さすがにコアオハナムグリは捕食対象としてはでか過ぎるかもしれませんが。

 

 

 

 

 

何の変哲もないコミスジなのですが、

こういう真横からのアングルは初めて撮りました。

(普段は翅を開いてとまることが多いです)

 

 

 

 

 

クモの捕食シーンその2。

保護色で隠れるのではなく、網を張って獲物を待つタイプのオニグモ

かかった相手をまず糸で巻き、麻酔→溶解→吸引するそうです。

糸の中身はちょっとわかりにくいですが、恐らくハナムグリなどの小さな甲虫でしょう。

装甲も、クモ相手ではほとんど効果がありません。

 

 

 

 

 

 

 

ヨツボシトンボが出現。わかりにくいですが下からのアングルです。

後翅の付け根に黄色い帯がありますね。初めて知りました。

 

 

 

 

 

 

 

少し離れた場所の池にて、クローズアップ。

埼玉県では準絶滅危惧種とされています。

ちなみにキバネツノトンボは絶滅危惧Ⅰ類(埼玉県)と2段階ヤバく、

そういうこともあって今回撮れなかったのが非常に不安だったりします。

 

実は全く会えなかったわけではなく、道中1匹だけ明らかにキバネと思われる個体が

上空を横切ったのですが、そのまま遠くに行ってしまい撮ることは叶いませんでした。

結局そのままお昼まで粘ってもキバネは現れなかったため、

泣く泣く切り上げ、埼玉圏内の別のスポット(事情あり秘匿)に移動しました。

 

 

 

 

 

 

【以下、埼玉圏内某所その2へ移動した後の記録です】

 

メダカ。かなり多く泳いでいました。

 

 

 

 

 

夏鳥の代表格、オオヨシキリが早くも現れました。

ゲッチョゲッチョと相変わらず喧しいですが、

健全なヨシ原の指標種のような存在なので、会えると嬉しいものです。

 

が、この日もっとも嬉しかったのは……。↓

 

 

 

 

 

 

遊歩道からふと近くの葉を見ると、図鑑でしか見たことのない模様が!

 

 

 

 

 

 

 

これは初顔合わせ。ゴイシシジミが現れました。

碁石みたいな斑点模様があるシジミチョウで、絶滅危惧種とまではいえないものの

かなり生息域が局所的で、そう簡単に会える種ではないそうです。

 

遭遇率 … 1
インパクト … 2
美しさ … 3
俊敏性 … 4

 

そこいらのゼフィルスよりも出合うのに苦労する種。

翅の模様が独特ですが、もう1つ不思議な特徴としまして

実はこのチョウの幼虫は、アブラムシなどを食べる純肉食性なんだとか。

それは見てみたいような、見たくないような……(当然イ●ムシ型ですので)。

 

 

 

 

 

 

 

森の掃除人……もといオオヒラタシデムシ。ミミズの死体を食べています。

この日は森を散策中にやたらたくさん出合いましたが、

何かあったんでしょうかね? そんなに死体は見かけませんでしたが……。

 

 

 

 

 

とあるポイントにこんな看板が。

ほほー、小さいながらも美しいとな。

まあしかし、看板にあるからってそう容易く見られるものでは……

 

 

 

 

 

と思いきや、すぐ目の前に現れました。

 

 

 

 

 

暗かったのでフラッシュ使用&クローズアップ。

もちろんこれも初顔合わせ。看板にあるとおり、シラホシカミキリです。

 

遭遇率 … 2
インパクト … 1
美しさ … 4
俊敏性 … 3

 

公園・緑地ではよく見かけるガマズミの葉などを食べるらしいので

多分探せばそれなりに会う機会はあるんじゃないかと思います。

が、ネックになるのが看板にもあるとおり非常に小さいということ。

体長・太さを加味して考えると、そのサイズはゴマダラカミキリの5分の1以下。

ハンミョウと比べると約2分の1くらい……といえば、いかに小さいかがよくわかることでしょう。

 

ただ、美しいことは間違いなく、近くで見ると目を奪われます。

公園などでガマズミを見かけたら、探してみてはいかがでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

帰る前に、光のある場所に出てくるのを待って、フラッシュなしで1枚。

うーん、あんまり色の差は出ませんでしたね。

メタリック系の昆虫だともろに色違いになるのですが、

本種はタマムシやハンミョウと違ってああいうキラキラした感じはなく、

テントウムシさながらの斑点と翅のグラデーションがきれいなタイプです。

 

2日間かけて、昨年以上に多くの新顔と出合い、

ヨツボシトンボなどのまた違うシーンも撮ることができたわけですが

如何せん本命&定番を1度も撮れなかったというのが痛いところ。

来年はもう少しピンポイントで、時期を誤らずに足を運びたいものです。

(きっと1週間前倒しすればちゃんと撮れたんじゃないか……と思う(汗))

 

 

 

【5/14&20に撮影した生きもの】

鳥類・・・オオヨシキリ、オナガ、カイツブリ、ガビチョウ、カルガモ、カワラヒワ、キジバト、ツバメ、トビ、ハクセキレイ、ヒバリ、ホオジロ、ムクドリ

昆虫類・・・アカサシガメ、アカヘリサシガメ、アカボシゴマダラ、アサマイチモンジ、アシナガオトシブミ、オオヒラタシデムシ、オジロアシナガゾウムシ、オニグモ、カマキリの幼虫、キンケハラナガツチバチ、クロボシツツハムシ、コアオハナムグリ、ゴイシシジミ、コミスジ、サビキコリ、シオカラトンボ、シオヤアブ、ジャコウアゲハ、ジョウカイボン、シラホシカミキリ、スジグロシロチョウ、スジブトハシリグモ、セイヨウミツバチ、ダイミョウセセリ、チャバネセセリ、ツチイナゴ、ナナホシテントウ、ナミテントウ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメギス、モンキチョウ、モンシロチョウ、ヤツボシツツハムシ、ヤブキリ、ヤマトシジミ、ヤマトシリアゲ、ヨツボシトンボ、ワカバグモ

その他・・・アカミミガメ、ウシガエル、ニホンカナヘビ、メダカ