1本のサクラの枝から(花をたずねて鎌倉歩き/遊行寺→龍宝寺→大船植物園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

久々に参加しました「花をたずねて鎌倉歩き」講座より。

この日はまず遊行寺(ゆぎょうじ)から回りました。

箱根駅伝の中継でよく名前を聞く、あそこですね。

訪れるのは今回が初めてです。

 

この日(4/17)は天候に恵まれなかったものの

予報で覚悟していたほどの雨は降らず、至って穏やか。

大船植物園(後述)までほとんど傘の出番はありませんでした。

 

 

 

 

 

 

八重桜(右)が辛うじてまだ残っていましたが

やはり通常であれば満開期のはずなので

開花期が全体的に前倒しになっていることを実感します。

左はエビネです。もちろん植栽したものと思われます。

 

 

 

 

 

バスに乗って龍宝寺に移動。目の前に車道がありますが

周囲三方を山に囲まれており、とても静かです。

奥の寺社の方は車道からも離れていますので

静かに参拝できるのではないでしょうか?

 

ここも八重桜が咲いているほか、矢車草や牡丹なども咲いており

静けさの中にほのかな華やかさも共存する空間となっています。

花好きの方にはいいスポットかもしれませんね。

 

 

 

 

 

こんな感じこんな感じ。

ツツジやジャーマンアイリスなども開花していました。

これで天候さえよければチョウの飛来も期待できたのですが

つい先程まで雨が降っていたこともあり、

この日はなかなか観察できませんでした。

 

 

 

 

 

比較的天候に左右されにくい鳥については

撮影できた個体こそ少なかったものの

鳴き声は結構聞きましたので、それなりにはいるようです。

 

写真はヤマガラですが、とんでもなく離れた木の頂におり

しつこいようですが悪天候だったので写りは悲惨。

Photoshopで加工しようかとも考えましたが

ここまでくすんでいるのを無理に加工すると不自然になるため

泣く泣く(?)そのまま掲載しております。

(教訓:編集ソフトにも限界がある)

 

 

 

 

 

大きくしなり頭くらいの位置まで枝垂れてきた八重桜。

葉を裏返して見ると、小さな昆虫が確認できました。

(花の真上にある葉っぱに注目)↓

 

 

 

 

 

クローズアップするとこんな感じ。

撮影した時点では何かわかりませんでしたが

どうやらムネアカアワフキのオスらしいです。

非常に小さいし決して珍しい昆虫でもないそうですが

とりあえず本ブログでは新顔です。

 

遭遇率・・・3 (サクラの仲間の葉などによく発生する)

インパクト・・・1 (このサイズじゃ致し方なし)

美しさ・・・2 (背中の赤い斑点がポイント)

俊敏性・・・3 (本来なら)

知名度・・・1 (ほとんど注目もされない様子)

 

ちなみにメスの方も胸部に赤い模様がありますが

より模様が大きいのですぐ見分けがつくそうです。

 

 

 

 

 

更にこちらもチェック。

同じ八重桜の木にいた、ムネアカアワフキとほぼ同じサイズの昆虫。

以前に紹介したプラタナスグンバイとよく似ていますが

こちらは同じグンバイムシ科でも別の種。ナシグンバイといいます。

 

遭遇率・・・3 (多分探せばいるはず)

インパクト・・・1 (このサイズじゃry)

美しさ・・・3 (独特のフォルムに透ける身体は拡大すると美しい)

俊敏性・・・2 (派手に飛び回る虫ではない模様)

知名度・・・2 (果樹園の方々には忌み嫌われているようです)

 

主にナシやリンゴなどのバラ科の植物の汁を吸うことで

樹勢を弱らせてしまう厄介者とされています。

八重桜を含む「サクラ」もバラ科なので、食事処として利用している模様。

ただし元から日本にいた昆虫ではあるようです。

 

 

 

 

 

そうした小さい昆虫が目当てなのか

それとも本当はチョウやハチなどのもうちょい大きい獲物狙いで

今は雨上がりにつき黙って体力を温存しているのか

ワカバグモが葉の色にとけ込んで休憩していました。

 

1本の八重桜から3種の生きものを確認し

そのうち2種は地味ながらも本ブログの新顔……。

私は普段「少しでも広い範囲を歩く」ことを重視しているため

こうして葉っぱ一枚一枚をチェックすることはないのですが

やって見ると色々な発見があるものです。

そうした方向性での「生きものめぐり」も展開すれば

面白いかもしれませんが、同時に時間が掛かり過ぎるので

キリがないかもしれません(汗)

 

 

 

 

 

龍宝寺からは、徒歩でフラワーセンター大船植物園へ。

講座ではなく、個人でも何度か来たことのあるスポットですね。

エントランスが以前よりも華やかになっています。

 

 

 

 

 

 

牡丹(左)やストロベリーキャンドル(右)など

春らしい植物が多数開花。バラも少し咲き始めているようです。

 

 

 

 

 

温室内。ブーゲンビリアなどが多数開花していました。

多少の変化はあるものの、温室なので常に花が楽しめます。

こちらもエントランスと同様に華やかになった気がしますね。

(この植物園は2018年4月以降は日比谷花壇が指定管理者となっています)

 

 

 

 

 

ちょうど開花期だったヒスイカズラ

非常に目立つ花ですが、前知識が何もない人だと

何かの実だと勘違いしてしまうかもしれません。

 

 

 

 

 

 

このように自然な雰囲気を再現した小川の流れる場所では

エビネなどの山野草も開花していました。

ほか、園内の雑木林内でも以前エビネを確認していますが

この日は時間の都合上、そちらまではチェックしていません。

(まあ、なくなるということは基本ないと思いますが)

 

 

 

 

 

花の開花期は大分前倒しになった気がしますが

冬鳥については、あまり前倒しに旅立ったという印象がありません。

この日もまだツグミが残っていましたし、

今日(4/30)も仕事で葛飾区を訪れた際に確認しています。

一方、同じ葛飾区内某所では早くもルリボシヤンマを確認するなど

色々なものが「混在」しているのを感じました。

 

まあ、春は結構よくあることです。

いちいち「異常気象ガー」とかワイドショーみたいなチープなことを喚くのも

ここまでくると正直エネルギーの無駄かもしれません。

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年5月15日(土)16日(日)に開催いたします。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらをご覧ください。

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。