潜るために、歩くことを捨てた(千葉公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

ちょっと仕事(土曜ですが)で千葉に足を運ぶことがあり、

その前に午前中に時間があったので

久々に千葉公園に足を運びました。

滞在時間はせいぜい1時間半程度でしたし

駅近くの「THE 都市公園」という印象のスポットゆえ

あまり目立った収穫は見込めないのですが、

時間を潰すには丁度いいかもしれません。

 

 

 

 

 

デブ丸々と羽を膨らませたキンクロハジロ

トップの写真にも写っていますが、

この日観察できた冬ガモはコイツの集団とスズガモ1羽だけ。

数は少なくなかったのですが別所沼公園以上にバリエーションに乏しく、

ちょっと寂しかったです……。

 

 

 

 

 

ところでこのキンクロハジロ(とスズガモ)ですが

写真のように立っている姿を見る機会が非常に少なく

大抵の場合は水に浮いていることにお気づきでしょうか?

そして立っている場合もカルガモなどとは異なり

胸を張るようにして上体を起こしています。

 

これは偏に、彼らの脚がカルガモ等と異なり

身体のかなり後ろ側から生えていることに起因します。

この脚は泳ぐ際に都合がよく、特に潜水に有利な模様。

実際、キンクロハジロもスズガモも頻繁に水に潜り

水中で獲物を捕らえる傾向がありますね。

 

が、泳ぎやすい反面、立って陸地を歩くには不向き

カルガモなどと同じように歩こうとすれば

前かがみにぶっ倒れるのが関の山です。

つまり彼らは、陸地での食事を捨てて水上生活に適した形に

進化したカモと言えるわけです。

多分、同じく潜水頻度の高いミコアイサも同様かと思われます。

 

ちなみによく陸に上がって芝生で食事しているヒドリガモなんかは

本種とは対照的で、カルガモと同じような形状をしています。

 

 

 

 

 

どこか玩具のようで顔が面白いキンクロハジロは

子供達を始め結構興味を引きやすい模様。

この日、バードウォッチングの教室らしきものを開催していましたが

人慣れしていて間近にくるキンクロryに皆さん注目していました。

 

 

 

 

 

 

ちなみに前にも話しましたが、千葉公園の目の前には

左写真奥に見えるようにモノレールが走っています。

その他はほぼ住宅街ですが、あまり高いビルはありませんので

特に池周辺は開放的で人気の憩いの場となっています。

(ベンチに座っている高齢者が非常に多く感じました)

 

 

 

 

 

 

樹林帯も広く、シジュウカラ(左)やヤマガラ(右)など

割とオーソドックスな鳥は結構な数が観察できました。

 

 

 

 

 

森の中ではシロハラにも何度か遭遇。

アオジも鳴き声は聞こえたのですが、出てきてくれません(汗)

 

 

 

 

 

日本家屋風の集会所(茶室)。

ちょっとした庭もあり、周りの木が多いこともあって

落ち着いた雰囲気になっています。

 

あと、左奥の方に鬼滅のコスプレしている人がいます。

漫画の舞台が大正時代(ちなみに「るろ剣」は明治時代)なので、

この手の場所はちょうどいい撮影スポットになるようです。

 

 

 

 

 

園内にある……というより隣接している護国神社

中央の建物の左右に樹木が植えられているのがわかりますか?

右はよくあるサクラ(ソメイヨシノ)なのですが

左はちょっと今まで見たことのない木でした。↓

 

 

 

 

 

 

これがその樹木。橘(たちばな)といい

見てもわかる通り柑橘類の一種です。

日本に元々から生える自生の柑橘類らしいですが

分布域はかなり限られ、絶滅危惧種となっています。

(ここにあるのはもちろん植えられたものでしょう)

 

なお、甘みが少なく酸味が強いので生食には向かないらしく

専らマーマレードなどに使われる……らしいのですが

その場合は栽培種のダイダイなんかの方が利用されやすく

橘の知名度は決して高くありません。

(鳥にとっては食事に変わりないらしく、食われた実が多数あります)

 

柑橘類としてより、人の苗字としての印象が強く

実際、googleで「橘」で検索をかけると、

橘さんというテニプリの某部長なんかがよくヒットします。

関東での手塚のライバルになりそうだったのが跡部に出番を取られた人ですね

 

 

 

 

 

 

も開花していました。この時はまだ3~4分咲き程度でしたが

今はちょうど満開期に差し掛かっている頃でしょう。

そういえば紅梅の方が白梅より早く咲きやすい……との噂。

これについては個体差や環境差もありそうですが

確かに方々回っていると、紅梅の方が先に見頃を迎える気もします。

 

 

 

 

【2/6 千葉公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アイガモ、アオサギ、カルガモ、カワウ、キジバト、キンクロハジロ、コサギ、シジュウカラ、シロハラ、スズガモ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ムクドリ、ヤマガラ

その他・・・アカミミガメ

 

★生きもの探索ツアー開催に向けて準備中! 2021年4月開始予定です。

 ご期待ください。m(_ _)m