“タマゾン川”のもう1つの姿(多摩川河口域・六郷橋緑地) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

以前に何度か多摩川河口域の情報をお届けしたことがありますが、

あれはすべて神奈川県側(川崎市)から撮影したものです。

今回は初めて、対岸である東京都側の河川敷を歩き

河口の羽田空港方面を目指してみました。

 

多摩川でしかも川崎駅がすぐ近くということもあり

河川敷には人が多め。荒川同様に運動場として利用されており

サッカー、野球、ラグビー、そしてテニスと

多彩な使い方がされています。ランニング客も多め。

 

また、場所が場所だけに河川敷で藪にうっかり入ると

ブルーテントのある場所に出てしまう場合もあるため

一見すると「自然散策」には向かない印象があるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

土手の花を観察していれば、

いつものウラナミシジミや左写真のヤマトシジミなど

オードソックスなチョウは観察できます。

また、土手にトノサマバッタが出てくることも。

 

右写真は前回に続いてフタモンアシナガバチです。

自然地のみならず、こうした街中にも多いらしいので

駆除対象とされることもしばしばあるようです。

 

 

 

 

 

大きな河川の河口域ということもあり

川に近づくとこういうカニがたまに観察できます。

ただ、高度成長期に比べれば川の水はきれいになっているものの、

場所が場所だけにゴミが散乱していることもあるため

ハッキリ言ってしまうと衛生的とは言い難いものがあります。

(写真はクロベンケイガニです)

 

初めてのデートで彼女をバードウォッチングに誘うなら

素直に里山系の公園か渡良瀬遊水地あたりへどうぞ(爆)

 

 

 

 

 

 

……とまあ今のところ「何で来た?」と言いたくなるような

ネガティブな情報ばかりですが、もちろんちゃんと理由はあります。

 

この多摩川河口の東京側 六郷橋緑地には干潟があり

干潮時間になると渡りのシギ・チドリが結構観察できるとのこと。

ただ、その場所は看板等で明確に案内されているわけではなく

おまけにバードウォッチング系のブログでも

具体的な場所はぼかされていることが多いため

無計画に歩くだけではなかなかポイントに辿り着けません。

また、上記の通りあまり衛生的でない環境が

散策意欲の妨げになることも無視できません。

 

この日は六郷橋緑地の管理事務所で情報を入手し

当該スポットを目指しました。事務所は六郷土手の駅から

比較的近い位置にあるので、まずはそちらを訪ねるといいでしょう。

 

 

 

 

 

歴史を感じさせる水門も。今も現役のようです。

昨年の19号台風では彩湖や荒川堤防が大活躍しましたが

この辺りはどうだったのでしょうか?

上流である武蔵小杉で溢れたという話は聞くものの

こちらではそういう話は聞いていないのですが……。

 

 

 

 

 

土手を歩いてさらに下流へと歩を進めている内に

おお、川の中に鳥の集団が……。

早速ズームしてみるとしましょう。

 

 

 

 

 

なんと、セイタカシギの集団でした。

写真には3羽しか写っていませんが、

実際のところ20羽くらいはいたように感じます。

 

今年は谷津干潟で本種が撮れていないのですが

伊佐沼といいココといい、

別の場所でこうして会えているのが嬉しいところ。

全体の個体数自体はここ数年増加傾向にあるとも聞きますし

単に谷津干潟での私の運がないだけかもしれません。

(前も書きましたが、今年も谷津干潟での観察報告自体は多数あがっています)

 

 

 

 

 

手つかずの自然地にも確かに憧れはありますが

内心私は、こういうシーンの方をより求めているのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

下流へ下流へとひた進むと、やがて船溜まりが見えてきて

さらに進むと赤い鳥居が……そしてさらに下流方面に進むと

やがてあの羽田空港に到着します。

(その気になれば本当に空港に行けてしまいます)

 

ただ、ここまでくると水深が深くなるのか干潟はなく、

干潮時間になってもシギ・チドリは観察できないので

バードウォッチングが目的なら鳥居の見えた辺りで

そのままUターンした方がいいかもしれません。

 

 

 

 

 

引き返して先程の干潟周辺に戻ってくると

ちょうど潮が引いてきたらしく、サギ&シギの姿が。

中央右で集団になっているのはハマシギ

中央下と左にいるやや大きいのがアオアシシギのようです。

 

 

 

 

 

ハマシギをクローズアップ。

間に細長い樹林帯があったために

枝が入ってしまっているのが残念なところ。

実は干潟の目の前に出られる小道もあるのですが

諸事情あり、接近することはできませんでした。

 

理由は……ちょっとここでは伏せます。(大汗)

 

 

 

 

 

かなり距離はありましたが、アオアシシギです。

 

 

 

 

 

さっきのセイタカシギ観察ポイントに戻ってきました。

土手からだとかなり距離はありましたが

今のカメラならそれなりに撮ることは可能です。

 

三脚&砲台装備ならもっと鮮明に撮れるのでしょうが

それをやってしまうと土手の利用者(ウォーキング客)の邪魔になるので

控えた方がいいかもしれません。実際、この日三脚を構えている人は

自分の知る限り1人も土手では確認できませんでした。

 

 

 

 

 

セイタカシギの集団を、改めてクローズアップ。

 

 

 

 

 

もういっちょ。

ユリカモメやオオバン、冬のカモ達なども集まって

随分な大盛況となっておりました。

 

高度成長期には泡立つ恋の予感洗剤と廃液で泡立った汚い川と言われ

現在は南米系外来種が侵入してきた「タマゾン川」などと揶揄され

実際確かにそういう面はあるのですが、

あくまでそれは多摩川のほんの一面に過ぎません。

現在ではかなり水質が改善し(確かにゴミは漂着していますが)

渡り鳥の中継点として利用されるほど環境がよくなっています。

 

 

 

 

 

餌となる生きものもちゃんと生息しているようです。

ちなみにこれはセイタカシギの若い個体。

頭部に黒い部分が残っているので、すぐ識別できるはず。

 

 

 

 

 

 

ついでに、こんなシーンも撮影することができました。

セイタカシギの交尾を見たのは今回が初めて。

咄嗟だったのでイマイチな写りになってしまいましたが

大きな収穫と言えるでしょう。 騎乗するの大変そう

 

 

 

 

 

最後に、土手と工業地帯と川とセイタカシギの位置関係

1枚の写真で表してみました。(左奥の点々がセイタカシギ)

「意外と近いんだな」ということが伝わればOKです。

 

 

 

 

【11/8 六郷橋緑地で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオアシシギ、アオサギ、イカルチドリ、イソシギ、イソヒヨドリ、ウミネコ、オオセグロカモメ、オオバン、オナガガモ、カルガモ、カワウ、コサギ、シジュウカラ、ジョウビタキ、セイタカシギ、ハクセキレイ、ハシビロガモ、ハマシギ、ヒドリガモ、ヒヨドリ、ユリカモメ

昆虫類・・・イチモンジセセリ、ウラナミシジミ、オンブバッタ、キンケハラナガツチバチ、コバネイナゴ、セイヨウミツバチ、セグロアシナガバチ、ツユムシ、トノサマバッタ、ナミテントウ、フタモンアシナガバチ、ベニシジミ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ

その他・・・クロベンケイガニ、ベンケイガニ

 

 

【11/8 六郷橋緑地で捕獲したポケモン】

ウリムー・・・1

カラカラ・・・8

キバニア・・・1

キリンリキ・・・3

ストライク・・・4

ソルロック・・・1

タマタマ・・・10

チルット・・・1

ヒノアラシ・・・5

ブイゼル・・・1

フシギダネ・・・2

ヘイガニ・・・6

ポッチャマ・・・1

マンキー・・・1

ミズゴロウ・・・1

ミニリュウ・・・4

ワンリキー・・・1

 

六郷橋緑地は公園として認識されており、ヘイガニの巣となっていました。

ポケストップは少なめなので、あまり狩りには向かないかもしれません。