練馬の名所。団地と一体化した都市公園(光が丘公園&四季の香公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

練馬区の公園といえば石神井公園が高い知名度を誇り

本ブログでも何度か登場しているわけですが

(というより石神井公園以外で練馬区のスポットを紹介したことがない)

このたび仕事の一環として6月~8月末にかけて何度か練馬区に足を運び

これまで行ったことのないスポットを多く開拓しました。

 

今回ご紹介するのは、練馬区の北側に位置する光が丘公園

その隣に位置する四季の香公園。実は面積だけなら光が丘公園の方が

石神井公園よりもはるかに広く、隣接する四季の香公園と合わせると

その緑地の広さはとんでもないものになります。

一方で自然度という観点では、水生植物の貴重な自生地を有し

渡り鳥やカワセミなどが多く見られる石神井公園の方が上だろうと考え

東京のみならず神奈川・埼玉等と年々散策フィールドが広がる中で

なかなか光が丘まで足を運ぶ機会がなかったのですが……。

 

 

 

 

 

 

まず、四季の香公園から。この公園はいくつかの小さい公園が

光ヶ丘団地の周囲に散りばめられる形で構成されているため

団地の広場を一般開放しているような印象を受けます。

 

四季の香ローズガーデン(左)というバラ園もあり

10月以降であれば秋のバラが見頃です。

一方で最近バラの四季咲き性が高まって季節を問わず咲く品種も多く

これを撮影した8月末の時点でも結構多く開花していました。

バラ以外にも色々季節の花が咲くため(最近のバラ園は大抵そうですが)

基本的にオールシーズン楽しめるガーデンとなっています。

 

こういう場所が団地に囲まれた中にあるというのも面白いもの。

ランタナやオミナエシといった吸蜜に適した植物も多いためか

オオスカシバ(右)などの昆虫も結構訪れていました。

 

 

 

 

 

 

他にも、田んぼ(左)があったり小川(右)があったり……

ひと昔前までの都市公園のイメージを覆す心地よいスポットです。

 

 

 

 

 

手摺の上を歩くハラビロカマキリ

このくらいの時期からようやく成熟したカマキリが

多くなってくるような気がします。(真夏はまだ未成熟個体が多い)

 

 

 

 

 

続いて光が丘公園へ。デザインこそ所々にシンメトリーを取り入れた

お洒落な都市公園風ですが、広いバードサンクチュアリを有するなど

潤沢な自然も多くリラックスできます。

 

ちなみに写真右奥にいるオッチャン達は

カワセミを待っているバードウォッチャーの皆さん。

写真の池自体が上記のバードサンクチュアリに接しているため

あちらからカワセミがよく飛んでくるみたいです。

 

 

 

 

 

公園の雑木林内でたびたび見かけたアオイトトンボ

(体感的には昭和記念公園より多かった気も)

メタリックグリーンがやはり美しく、目を惹きます。

 

 

 

 

 

 

池で産卵するギンヤンマ(左)と、ただのアブラゼミ(右)。

こういうオーソドックスな昆虫も当然光が丘公園には数多く生息しています。

 

ちなみにただのアブラゼミですが、こういう正面写真を撮ったのは久しぶり。

口吻が針のようでちょっとビビります。実際、これを木の幹に突っ込んで

樹液を吸うわけですから、鋭く尖っているのもまあ当然のことか。

(人がこれに刺されたという話は今のところ聞いたことがありませんが)

 

 

 

 

 

先程の池に現れたカワセミ

色がやや黒ずんでいるということは、幼鳥かもしれません。

 

この日は何羽かのカワセミを見かけましたが

後述するバードサンクチュアリは土日祝日しか開門されておらず

開門していても鳥までの距離が結構遠いので、

単にカワセミ目当てであれば上記の池に張り込みすれば十分だったりします。

 

 

 

 

 

 

公園内には、高木並木もあれば運動場もあり、雑木林もあるなど、

構造としては何となく代々木公園に近いものを感じます。

一方でカントウタンポポの貴重な自生地が保全されているなど

自然度についてはやはり光が丘公園に軍配が上がるようです。

 

開花したカントウタンポポについては、また来年のお楽しみとしましょうか。

 

 

 

 

 

便所の壁面に、こんな昆虫がとまっていました。

アミメクサカゲロウといい、名前の通り既出のクサカゲロウの仲間。

触角の形状などで見分けられるそうで、普通種ながら今回が初紹介。

御岳山に続いての便所で新顔登録です

 

遭遇率・・・3(多分これまでにも会っているような気がする)

インパクト・・・2

美しさ・・・3 (ほぼクサカゲロウに準じる)

俊敏性・・・3 (クサカゲロウと同じくゆっくり飛ぶ)

知名度・・・2 (ちなみにクサカゲロウは3くらい)

 

なまじ昆虫について知識を齧った人ほど

「緑色の細くてひらひら飛ぶ虫=クサカゲロウ」と思い込んでしまいがち。

実際私も勘違いしていた面があり、多分今回掲載するより大分前に

何度か遭遇し、写真も撮っているんじゃないかと思われます(汗)。

 

 

 

 

 

テニスコートの目の前にはこんなボーダーガーデンも。

地域のボランティアの方が植え替えや世話をされているそうです。

 

 

 

 

 

 

以前にも紹介した「夏花」を軸として色々な植物を植えているため

花を訪れる昆虫も多数観察できます。

左は、ジニアを訪れたアオスジアゲハ

右は、去年何度か似たシーンを撮ったペンタスで吸蜜するホシホウジャクです。

 

この日は撮影できませんでしたが、オオセイボウもよく飛来するとの噂。

オミナエシが植わっているので、そこで蜜を集めるのでしょうか?

 

 

 

 

 

花が増える

 ▼

蜜目当ての昆虫が増える

 ▼

そういう昆虫目当ての昆虫が増える

 

……というわけで、光が丘公園にもいたハラビロカマキリです。

人工物ではなくこうして植物にとまっていると

遠目ではどこに隠れているのかパッと見でよくわかりません。

 

 

 

 

 

昼食は光が丘公園内のレストラン「われもこう」にて。

ビーフシチューのセットをいただきました。かなり美味。

他にも色々メニューが充実していますのでお勧めです。

 

 

 

 

 

さて、昼食後はバードサンクチュアリを中心に回ります。

とはいっても入れるのはあくまで観察小屋だけであり

人が直接サンクチュアリの中に入れるわけではありません。

見ての通り池が広くなかなかの自然度を誇りますが

東京港野鳥公園と同じく、一定の距離を保った上での観察が求められます。

(まあサンクチュアリでなくとも極端に鳥に接近するのはやめるべきですが)

 

 

 

 

 

望遠鏡が設置されているので、カメラや双眼鏡がない方にも安心。

また、バードサンクチュアリ常駐の専門スタッフもいるので

鳥についてわからないこと等があれば尋ねてみましょう。

ただ、上記の通り基本休日しか開いていないのでご注意を。

(光が丘公園自体は24時間365日オープンしています)

 

 

 

 

 

サンクチュアリ内で水浴びをするオナガの集団。

何となく今年はオナガを方々でよく見かける気がします。

カブトムシが多いという声はよく聞きますが、オナガはどうなのか?

 

とは言え、オナガ自体は別に珍しい鳥でもなく

ここまでで観察できたのもカワセミを始め、アオサギやダイサギなど

都心部の公園・庭園で普通に観察できるような面々ばかり。

郊外とは言え都市公園ではやはり致し方なしか、と思ったその矢先……。↓

 

 

 

 

 

なんと、オオタカが姿を現しました。

 

 

 

 

 

しかも池に降り立ち、水浴びを始めるというサービスぶり。

間に草が入ってしまったのがちょっとばかり残念ですが

歴代のオオタカの写真の中では間違いなく最も良い写りです。

(距離があったので、さすがに旧カメラではこうはいかなかったはず)

 

いくら最近オオタカの数が回復傾向にあり

NHKの某番組などで「都会進出しつつある」と言われても

23区の公園で簡単に観察できるような鳥ではありません。

 

コイツが出現した瞬間、集まっていたバードウォッチャー各位が

一瞬にして目の色を変えるのはこの世界(?)ではよくある話。

まあ、他の猛禽(トビは除く)でも似たような感じになるのでしょうが。

 

 

 

 

 

さらにはサシバまで飛んできました。

逆光とは言え、これでも本ブログでは一番良い写り。

(そもそもマトモに撮れたサシバの写真がこれまで1枚もなかった)

オオタカよりもレア度が高いという声も方々で聞きますので

恐らくこれが今回の最大の収穫と言えるでしょう。

 

正直、あくまで仕事の延長線上で一応訪れたに過ぎなかったのですが

まさかこれほどの収穫があるとは思いませんでした。

奥多摩や秩父などの純自然地に惹かれる気持ちももちろんありますが

もしかしたら私の場合、こういう都会のオアシスを開拓していく方が

性に合っているのかもしれません。

 

 

 

【8/29 光が丘公園&四季の香公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、オオタカ、オナガ、カイツブリ、カルガモ、カワセミ、キジバト、サシバ、シジュウカラ、ダイサギ、ヒヨドリ

昆虫類・・・アオイトトンボ、アオスジアゲハ、アオドウガネ、アカボシゴマダラ、アブラゼミ、アミメクサカゲロウ、イチモンジセセリ、ウラギンシジミ、オオカマキリ、オオスカシバ、オオハナムグリ、オンブバッタ、キンケハラナガツチバチ、ギンヤンマ、クマバチ、クロアゲハ、クロウリハムシ、クロカナブン、コアオハナムグリ、ゴマダラチョウ、コミスジ、サトキマダラヒカゲ、シオカラトンボ、シロテンハナムグリ、チャバネセセリ、ツクツクホウシ、ツマグロヒョウモン、ナツアカネ、ナミアゲハ、ハラビロカマキリ、ヒメアカタテハ、ベニシジミ、ホシホウジャク、マメコガネ、ミンミンゼミ、ムラサキツバメ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ

その他・・・アカミミガメ、ニホンカナヘビ

 

 

 

【8/29 光が丘公園&四季の香公園で捕獲したポケモン】

イーブイ・・・1

エアームド・・・1

オタマロ・・・2

カポエラー・・・1

キバニア・・・1

キモリ・・・2

キャモメ・・・1

ココドラ・・・1

サイホーン・・・1

サボネア・・・5

シママ・・・1

チラーミィ・・・2

ドードー・・・27

ドガース・・・1

ヒトカゲ・・・1

ヒノアラシ・・・2

ブイゼル・・・1

ホエルコ・・・1

ポポッコ・・・1

マメパト・・・1

ラブカス・・・1

リリーラ・・・1

 

駅近の都市公園というだけあってポケストップやジムがかなり多く

アイテム調達が容易なので、ポケモン狩りで困ることはまずありません。

この日は光が丘公園がドードーの巣になっていたらしく、

ぽつりぽつり起動するだけでも結構な数が捕獲できました。

ちなみにポケGOの配信が始まった当初、あちこちでドードーばかり沸いて

半ばブーイングに近い声が挙がったこともありました。今は昔ですが。