スケスケといわれて思い浮かぶものは(赤城自然園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

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雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

スケスケの実(ONE PIECE)が思い浮かんだら今時の若い世代。

みさえサンのスケスケおパンツが思い浮かんだら30台以上。

 

 

 

 

別に池の水がスケスケというわけではありません。

この手の池は水が汚れていなくても、底まで透けて見えることは滅多にありません。

(おまけに前日に結構な雨が降っていたので澱んでいました)

 

久しぶりの赤城自然園ですが、この日はあくまで仕事のついで。

仕事用の写真を撮りながら初夏の園内の様子をザッとリサーチしていました。

あまり時間がなかったので、いつもの散策の要である自然生態園はカット。

より入口側に近い、セゾンガーデンと四季の森を一周するだけに留めました。

(何せ16:30閉園なので)

 

 

 

 

 

 

ウラギンヒョウモンらしい奴(左)と、一足先にやってきたっぽいアサギマダラ(右)。

本来ここでアサギマダラが大量発生(?)するのは9月以降の話です。

ちょうど吸蜜に利用されるフジバカマが咲き始めるシーズンですね。

 

 

 

 

 

翅を閉じていますが、どうやらこれはミドリシジミのようです。

毎年撮っている秋ヶ瀬公園のミドリシジミにまだ会えていないため

これが今年初ということになります。

 

 

 

 

 

多分、モリアオガエル。もちろん上がオスで下がメス。

木にぶら下がって泡みたいなのを産むのが有名ですが

別にぶら下がった状態でないと交尾できないわけじゃないようです。

一瞬シュレーゲルアオガエルかもと思いましたが、

背中の模様や大きさからすると、やはりモリアオガエルでしょう。

 

可能な限りクローズアップして撮影していましたが

この直後、突然2匹でこちらに向かって体当たりをしてきました(汗)。

私の手を掠めてそのまま2匹とも川に落っこちてしまいましたが……↓

 

 

 

 

 

それでもなお決してはなれることはなく、

懸命に岩に張り付いて交尾を続けていました。

こういうのは生きものの性です。何を差し置いても交尾したいのです。

交尾に執着すると破滅するのは人間だけです

 

 

 

 

 

サクラソウの仲間 クリンソウに遭遇。

湿った環境を好むらしく、小川沿いに群生していました。

本家のサクラソウよりも遥かに丈が大きく、

あちらより大分遅れて開花する傾向にあるようです。

 

 

 

 

 

 

小川沿いって、こんな感じです。

そういや軽井沢レイクガーデンでも同じような環境に咲いていました。

ただし、いずれも人の手で植栽されたもの。

自生のクリンソウともなると、かなり分布域は限られるようです。

(奥日光の方に1ヶ所あるという噂ですが……)

 

 

 

 

 

 

対照的に、割とどこでも姿を見かけるギボウシさん。

(でも左の花は、通常の下向きに咲くタイプとはちょっと変わっています)

特徴的な花を咲かせるギボウシは、そのサイズバリエーションが実に豊富で

グランドカバーレベルの小さいやつもあれば

写真のようにとてつもない存在感を発揮するビッグサイズのものも。

花がなくても葉で楽しめるということで、庭や公園などでも人気者です。

 

 

 

 

 

種の鞘ができていたシラネアオイ

今年は春の開花シーズンに足を運べなかったのが残念なところ。

 

 

 

去年、春の赤城自然園を散策した際には

カタクリをはじめとして多数の早春の植物を観察し、

ミヤマセセリなどの春の昆虫にも色々とエンカウントしましたが

6月に入ってはもう流石に厳しいかなと思っていました。

 

が、思いがけない「春」の象徴が突然目の前に……↓

 

 

 

 

 

シロツメクサで吸蜜しているこの白いチョウに注目。

スジグロシロチョウよりも一回り大きく、

身体の周囲が黒くて分厚い毛に覆われています。

これこそが、かねてより撮りたかった春限定の昆虫 ウスバシロチョウです。

 

遭遇率・・・1 (自然度の高い環境でないと会い辛いです)

インパクト・・・3 (サイズはキタテハよりも大きい?)

美しさ・・・4

俊敏性・・・3 (割とゆっくり飛びます)

 

 

こんな形ですが、実は立派にアゲハチョウの仲間だったりします。

微妙に翅の形も異なるので、図鑑等で予めその存在を知っていた人でないと

スジグロシロチョウなどのシロチョウ科と勘違いしてしまいそうです。

 

上記の通り、年内で発生するのは春1回だけ。

平地ではもうシーズンを過ぎていたはずですが

標高が高く平地より冷涼な赤城自然園では、まだ残っていたようです。

(むしろカタクリなんかが咲いている時期だと、ここでは早過ぎる模様)

 

 

 

 

 

別の個体ですが、翅がちょっと傷んでしまっています。

時期的にもう寿命が近いのか、ちょっと頼りない飛び方で

挙句私のTシャツにしがみついてしまいました。

 

名前の通り翅が薄くて透けているため、

オレンジの生地が透けて見えています。

 

 

 

 

 

 

手に乗せてみれば、指の色だって透けて見えてしまいます。

 

 

 

 

 

動きが鈍かったので、これはいい機会と正面から1枚。

この顔、よく見るとギフチョウにそっくり。あちらも春限定のアゲハチョウです。

また、体毛が妙に濃い気がするのも共通の特徴。

早春の寒さ対策みたいなものなのでしょう。

 

あくまで仕事のおまけだったにも拘らず、

念願のウスバシロチョウに遭遇できたのは大変な幸運です。

同時に、平地・都心との環境の差を強く実感させられました。

 

余談ですが、しんのすけの妹(ひまわり)が生まれた辺りから

みさえサンがスケスケおパンツについて言及される機会が激減しました。

無駄にやかましいPTAに配慮したのか、

2人目ができて需要がなくなったのかは判然としていません。

 

 

 

 

 

帰り道、畑近くの電信柱にとまったノスリ

これだけの自然度の高いエリアなので

最早ノスリくらいはいて当たり前みたいな印象がありますね。

 

 

 

 

 

アスファルトを持ち上げて顔を出したタケノコ

滅多に人は歩かないとは言え、ここは一応歩道なので

高齢者などが引っかからないか心配になりましたが

タケノコの成長度の速さを考えると、あの後すぐデカくなり過ぎて

車道からも目立ってしまい、業者に伐採されてしまったんじゃないかと思います(汗)。

 

先行してFacebookに写真をUPしたら

私にしては妙に多くの方から「いいね!」を頂戴しました。

 

 

 

 

 

最後に、無人駅の番人です。

タッチしないで入場しようとすると、飛び立って威嚇してきます。

ちゃんとタッチしてからでも威嚇されましたが。

 

 

 

 

【6/12 赤城自然園(および渋川市内)で撮影した生きもの】

鳥類・・・キビタキ、ツバメ、トビ、ノスリ、ハクセキレイ、ヒガラ、ホオジロ

昆虫類・・・アサギマダラ、イチモンジチョウ、ウスバシロチョウ、ウラギンヒョウモン、オオヒラタシデムシ、コアオハナムグリ、シオカラトンボ、シモフリコメツキ、ダイミョウセセリ、ナナホシテントウ、ヒメアカタテハ、ヒメアシナガコガネ、ヒメウラナミジャノメ、ビロウドコガネ、ミドリシジミ、モンシロチョウ、ヤブキリ

その他・・・ニホンカナヘビ、モリアオガエル