「キモい」「危ない」「不愉快」の三重苦(引地川親水公園) ※グロ | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

WARNING!

この記事には生理的嫌悪感を起こさせる画像が含まれています。

予めご了承の上、免疫のある方のみお読みくださいませ。

(死体画像などは出てきませんのでそこはご安心ください)

 

 

 

 

 

ついでに「暑い」も加わって四重苦なのですが、

まあ猛暑は生きもののせいじゃないので置いておくとしまして。

 

ここは引地川親水公園です。

前回来た時(桜のシーズン)に草が刈られて更地になっていた土手の斜面には

もう早くも草が生えてきていました。バッタの姿もちらほら。

 

 

 

 

 

 

田んぼの用水路に目を向ければ、お馴染みのトウキョウダルマガエルの姿が。

数は多いですがやや小さい個体が多く、見つけるのに少し苦労しました。

 

 

 

 

 

こんな、アマガエルもびっくりの指先サイズの個体も。

……っていうかよく乗っかって平然としてるよな、コイツ。

(試しにこのまま放置していたら1分以上乗っていました)

 

 

 

 

 

田んぼの一角に目を向けると、

一部イネがなくてただの沼みたいになっているところが。

実はこれ、ただ農家の方が植え忘れたわけではないようなのです。

 

上の写真、イネの根元付近をクローズアップすると

その理由と思われるものがいくつか見つかるかと思われます。

ここから先、嫌悪感を感じる画像が入りますのでご注意ください。

心の準備ができた方のみドラックプリーズ。↓

 

 

 

 

 

 

 

 

すごい数です。イネの茎にびっしりと貼り付いています。

全部ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の卵です。

少なくとも卵塊の数だけ、この田んぼに生息していたということになります。

 

ジャンボタニシは元々食糧として持ち込まれるも普及せず、

逃げ出したり破棄されたりしたことで野生化した外来種。

しかも、ガビチョウなどのように害の程が不明な種と違い

コイツはイネを食い荒らして田んぼを壊滅させる最悪の存在です。

 

田んぼの中に足を突っ込むわけにいかなかったため

これ以上のクローズアップはできませんでしたが、

用水路の壁面にもかなりの数産み付けられていましたので

そちらを接写してみました。改めて覚悟のできた方、ドラックプリーズ。↓

 

 

 

 

 

 

 

嫌悪・畏怖・敵意・悲哀・絶望・吐気・焦燥・憎悪・悲観、あるいは殺意まで

数多の負の感情を否応なく起こさせるこの毒々しい外見をとくとご覧ください(呪)

この卵塊は強い力で貼り付いており、雨風程度では剥がれ落ちません。

しかも毒をもっているらしく、この卵塊を食う天敵は日本にはいません。

唯一天敵となるのが、昨年大騒ぎになったあのヒアリだったりします(汗)

 

一応、赤い内なら水に掻き落としてしまえば孵化しなくなりますので

枝でつつくなりかかと落としするなりして水没させてしまうのが

一番効果的な駆除方法とされています。

上の卵塊も、撮影後に私の手で水没させました。

さすがに人様の田んぼには入れないので、田んぼ内のものはそのままですが。

 

水没させるくらいでは不安という方もいらっしゃるかと思いますので

その場合は仕方ありません。圧殺してください。

情けは無用です。見つけ次第潰してください。

生かしておけばイネを食らい、上の写真のように田んぼが丸坊主になります。

 

外来種に罪はない。持ち込んだ人が悪いんだ、とか何とかいう正論をよく聞きますが

それはそれ、これはこれ。

生かしておいても百害あって一利ないので、

心が痛もうが駆除してください。

 

 

 

 

 

 

一部の田んぼでは水路の水が増えており、車道にまで溢れていました。

これによって水没してしまった卵塊もありましたが(右写真)

上記のとおり水に落ちると孵化しなくなるので、

この個体に関していうなら駆除完了ということになります。

 

 

 

 

 

そしてこの日は、ついに生きている個体にも遭遇してしまいました。

これこそがジャンボタニシ(といってもタニシの仲間じゃありませんが)です。

この写真だと大きさはわかりにくいかもしれませんが、

少なくとも上の指に乗っているカエルの2倍くらいは大きい個体です。

(昨年撮ったあの貝は、やはりコイツではなく在来のタニシだったようです)

 

遭遇率・・・3

インパクト・・・4

美しさ・・・1

俊敏性・・・2

 

 

俊敏性2としましたが、これは結構ガチ。

実はコイツ、貝のくせに妙に動きがすばやく、行動半径も広かったりします。

ゆえに放置しておくと被害がどんどん拡大してしまう恐れがあるのです。

昨年訪れた際にも1つ卵塊を見つけ、処分しましたが、

まさか1年でここまで増加しているとは思いませんでした(汗)。

早いところ抜本的な対策が必要になってくるでしょう。

 

 

 

 

 

上の水路にいた個体を捕獲してみました。

こうしてみると貝殻の形が、昨年撮ったあの貝とは明らかに違いますね。

(前に撮ったタニシは円錐状に縦に長かったはず)

 

元々、昭和末期に食用として入ってきたこの貝ですが

そもそも在来タニシを食す文化すら浸透し切っているとは言えない中、

こんなのが受け入れられるはずもなく……と、

この辺の流れはウシガエルに通ずるものがありますね。

また、例の卵も試行錯誤して食べようと試みた勇者が数多くいるそうですが

到底食用に適するものではなく……。

 

北海道のウチダザリガニ(←美味らしい)と違って

今後食用として再利用される見込みはまずありませんので

対策はただ1つ、駆除するしかないというのが現実です。

 

 

 

 

 

 

いい加減ジャンボタニシから離れて、公園の周りの森で昆虫を探します。

(今更ながら、引地川親水公園というタイトルながら公園内で撮った生きものはほとんどいません)

 

写真は森の中で見つけたウスバカゲロウ。捕まえて見ると結構大型。

少なくとも、似た形のクサカゲロウよりは遥かに大きくガッシリしていますね。

また、一節では「成虫になると何も食べず、短命で死んでしまう」とも言われますが

実際は小昆虫を食べながら数週間以上は生きられるんだそうです。

結構よく飛び回りますしね。ただ、トンボと比べると捕まえるのは容易です。

 

なお、昆虫を素手で捕まえられる件について奇異(時に尊敬)の目で見られることがありますが

今ちょうどこれを書いている間に爬虫類ハンターの加藤さん(クレイジージャーニー)がTVに登場。

この人に勝てることは未来永劫ないと思います。

 

 

 

 

 

おっと、これは過去に一度しか撮ったことのないホシベニカミキリですね。

(撮ったのは東京港野鳥公園です)

森の入口のところで1匹だけウロウロしているのを捕まえました。

 

 

 

 

 

カミキリムシの中ではそこそこ大型で力もあり

手に持つと結構暴れてくれました。

それでも飛んで逃げなかったため、存分に接写を楽しめましたね。

 

カラーは何となくイチゴを髣髴とさせ、森の中にいたら間違いなく目立ちますが

基本は臨海域を好むらしく、数も少なくて出合えたらラッキーというレベルだとか?

 

 

 

 

 

 

同じカミキリムシでも、こちらはヨツスジハナカミキリ

この日もアジサイの花に飛来していました。サイズは見ての通り小さめ。

コイツも派手な色ですが、これはハチに擬態して天敵対策しているんだとか。

 

なお、この手の「ハナカミキリ」系統の幼虫は枯死・腐食した木を食べるため、

人にとっては決して害虫といえる存在ではなかったりします。

しかし園芸愛好家の方の中には、カミキリムシと聞くと十把一絡げに害虫と決め付けて

駆除しようとする方がいるらしいので、そこは冷静な対応が求められますね。

 

 

 

 

 

帰り際、ジャンボタニシのいた水路近くで見かけた小昆虫です。

クローズアップしているのでわかりにくいですが、大きさは1cm以下と超小型。

普段であればまず気づくことのない地味な存在なのですが

今回はジャンボタニシをチェックしていたら偶然目に入ってしまいました。

正体はアオバアリガタハネカクシ。これでも甲虫の仲間なんだそうです。

 

遭遇率・・・3 (探せばいるらしい)

インパクト・・・1

美しさ・・・2

俊敏性・・・3

サワルナキケン・・・5

 

 

湿地帯を好む虫らしいので、田んぼにいたのはまあ納得。

見た目はそこそこきれいですが、間違えても触ってはいけません。

コイツの体液には猛毒があり、うっかり潰して触れると蚯蚓腫れのようになり

大変な痛痒さに悶絶することになります。

ぶっちゃけ、タイトルの「危ない」だけはコイツに起因するといえます。

 

見た目で負の感情を掻き立てられることはほぼありませんが(小さいですしね)

物理的に人に苦痛を与えてくるため、ある意味ジャンボタニシより危険。

ジャンボタニシの卵については潰して駆除するのがおススメですが

コイツに関しては間違えても圧殺なんてしようとしないでください(汗)

触れなければ無害ですしね。 それどころか農業害虫を食らう益虫であるという説も。

 

 

 

 

 

田んぼではなく、森の中でアオダイショウに遭遇しました。

下手に手を出せば噛まれる恐れはもちろんあるものの

総合的に見たら人への害なんてたかが知れています。

 

 

 

今日の記事、全体的に美しさ・カッコよさ等に欠ける連中しか登場していませんが(爆)

駆除対象とすべきなのはジャンボタニシだけです。

ホシベニカミキリなど、ちょっと嬉しい出合いもありましたし

新顔登録も2種(内一種はジャンボタニシですが)できましたので

「首都圏生きものめぐり」としては収穫があったと言えますね。

 

ただ、ホントあのは何とかしてくれ頼むから

藤沢市に掛け合ったほうがいいんだろか……。

 

 

 

 

 

帰りはバスで辻堂へ。随分久しぶりにきた気がしますが

駅前の商業施設がいい感じのテラス緑化をしていたので1枚。

パラソルもあるので、暑さに耐えられるなら外でティータイムもいいかも?

☆(ゝω・)vキャピ ←このAAはネット界隈でかなり嫌われているそうです(爆)

 

 

 

 

 

最後に、駅構内で見かけた昆虫展のご案内。

上野の国立科学博物館で10月8日まで開催しております。

先日行ってきたのですが、昆虫好きの方なら結構楽しめるはず。

有料ですが香川照之さんの音声案内サービスも受けられるそうですので

興味のある方、お財布に余裕のある方はぜひどうぞ。

 

 

 

【7/15 引地川親水公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・カルガモ、コチドリ、ツバメ、ハクセキレイ、ムクドリ、モズ

昆虫類・・・アオバアリガタハネカクシ、アオバハゴロモ、アジアイトトンボ、アブラゼミ、アメンボ、ウスバカゲロウ、オオシオカラトンボ、オンブバッタ、カナブン、キタテハ、キマダラセセリ、キマワリ、シオカラトンボ、ショウリョウバッタ、セグロアシナガバチ、ツチイナゴ、ナミアゲハ、ニイニイゼミ、ハグロトンボ、ヒカゲチョウ、ヒメギス、ベニシジミ、ホシベニカミキリ、マメコガネ、ミンミンゼミ、モンキアゲハ、ヤマトシジミ、ヨツスジハナカミキリ

その他・・・アオダイショウ、アカミミガメ、スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)、トウキョウダルマガエル、ニホンアマガエル、ヌマガエル、ミミズ

 

※猛暑で移動するのがやっとだったため、ポケGOの記録はありません(汗)