嗚呼、本命はいずこ……(舞岡公園 1日目・2日目) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

少し前から、方々のブログ等で

アリスイという希少性の高い鳥が舞岡公園に出没しているという情報がありました。

そのため、1月下旬から2月上旬にかけて、実に4日間舞岡で張り込みを実施。

私の場合、ここまで1つのスポットに連続で足を運ぶのは相当珍しいことです。

 

4日間分を一気に紹介すると写真が膨大な量になってしまいますため、

まずは1日目と2日目についてご紹介するとしましょう。

 

 

 

【1日目 (1月21日)

 

この時はまだ例の大雪が首都圏で降っておらず、

寒空ながら、舞岡公園にはまだまったく積雪がありませんでした。

 

 

 

 

 

ヨシ原に来ていたアオジシジュウカラ

留鳥のシジュウカラと違い、平地のアオジは基本冬鳥ですし

コゲラやエナガなんかと違ってシジュウカラと混成群をつくることはないのですが

ヨシ原で偶然一緒に食事するのは結構よくあることです。

大きさはほとんど変わらないですね。並ぶとよくわかります。

 

 

 

 

 

 

前にもお話しましたとおり、舞岡公園では古民家の敷地内でフクジュソウ(左)が見られます。

自然な感じで林床部に咲いていますが、さすがにあれは植栽したもの……かな?

ソシンロウバイもいい咲き具合。今(2月中旬)もまだ花は見られるはずです。

(今日、別の公園でも満開の姿を見られました)

 

 

 

 

 

 

舞岡公園には、鳥目当てで通っているなら基本誰でも知っているであろう

有名な鳥見スポットがあります。ここには木の実の生る中高木が生えており、

写真のようにメジロを始めとして各種小鳥が飛来します。

上の写真は1日目。この時はまだ実もふんだんに残っていました。

複数のメジロがついばんでいましたが、そう簡単にはなくなりません。

 

 

 

 

 

冬の舞岡公園ではおなじみのタシギ。他の公園ではそう簡単には見られませんが

基本ここでは毎年出合えます。(去年と同じ個体である可能性も高いですね)

湿地で泥にくちばしを突っ込み、ミミズなどを探して食べるタシギですが

土中のミミズの姿なんてもちろん見えませんので、何度も何度も刺し続けます。

おかげでいつもくちばしの付け根辺りが泥だらけです(汗)。

 

 

 

 

 

タシギの出現する件の鳥見スポット周辺は、特に樹木に囲まれていることもなく

オープンになっているため、上空から狙われやすそうにも見えます。

実際、写真のノスリのように舞岡には複数の猛禽が飛来しますし

狙われるリスクは十分にあります。ただし、鳥見スポットとして有名になったがために

日中は人が多く、猛禽も警戒してそう易々とは降りてこられないかもしれません。

(ただ、過去にここでタシギが日中猛禽にやられたことはあるようです)

 

ところでこのノスリ、逆光気味で非常に見難いですが、

何でこんなに羽がボロボロなんでしょう? カラスとケンカでもしたのでしょうか?

 

 

 

 

 

カワセミも、いつもの池に出現しました。

若干向こう側を向いてしまったものの、そこそこ鮮明に撮れたかなと。

 

初日はタシギ、ノスリあたりが収穫でしたが

目標であったアリスイは残念ながら見られませんでした。

 

 

 

 

 

【2日目 (1月27日)

 

2日目とはいいましても平日は仕事で来られませんので

実質1週間弱間が開いてしまいました。その間、月曜日にあの大雪が降り、

土曜の時点でもこんな感じで大分雪が残っていましたね。

園路はそれなりに除雪整備されていましたが、ここはあくまで自然公園の中ですし

人の立ち入らない部分は基本そのままです。写真でも柵の向こう側の田んぼは白一色。

また、わかりにくいですが田んぼの水は寒波でカチンコチンに凍っていました(汗)。

 

 

 

 

 

2日目の園内。1日目トップの写真とほぼ同位置から撮っていますので

比較してみてくださいませ。なお、田んぼ脇の園路は激しくぬかるんでいるため

公園の方で「歩かないでください」と注意喚起がされていました。

 

とりあえずこの日も鳥見スポットへ。

先客のバードウォッチャーさんの話だと、タシギが引っ込んでしまい

アリスイも午前中に出てそれっきりだとか。あぁ、なんか地雷臭が……。

 

 

 

 

 

……なんやコレ?

あなたと一緒なら寒くないとでも?(ケンカ腰)

 

 

 

 

 

あぁ~、子をなす前にとっとと捕獲してください(怒)

現地舞岡公園では、タイワンリスにより破壊されたアオゲラの巣など

このリスによる被害報告がよく出ています。

また、先日城山でであったニホンリスも、タイワンリスの台頭が原因で数を激減させた生きもの。

生態系の観点でいうと、ウシガエルと並んで害を及ぼしている代表的な外来種です。

どうにか個体数を減らさないといけないのですが……。

 

 

 

 

 

タシギは出ませんでしたが、

代わりにこの日はより希少性の高いヤマシギが姿を見せてくれました。

以前にも紹介しましたが、この鳥は非常に遠いところに現れる傾向があるため、

私のカメラではどんなに頑張ってもこれが限界です(大汗)。

 

一度出てくると、距離がある分、人にびびって逃げるということは基本ないので

長時間にわたって撮影することが可能。飛ぶことはあまりなく歩くだけですから

然るべき機材さえ所有しているのであれば割りと簡単に撮影できるはずです。

写真はちょうど食事中。食べるものについては基本タシギに準じます。

 

 

 

 

 

ちょっと不鮮明な写真で申し訳ないですが、この日のヤマシギは2羽同時に出現しました。

上段と下段に1羽ずつ、左向きで地面にくちばしを突っ込んでいるのがわかりますでしょうか?

 

ちなみに去年舞岡を訪れた際には、目撃情報はあったものの

私はヤマシギに会うことができませんでした。

今回はアリスイ目当てで何日も張り込みをしたおかげで、

初日は逃したものの、2日目に一応撮影することができたわけです。

「継続は力なり」ともいえますが、そう何日も同じ公園に行っていると

私も読者の皆様もさすがに飽きるかなと思われます(汗)。

 

 

 

 

 

2日目も上空にノスリが現れました。

初日より距離があり、一瞬のことでしたので写りはすこぶる悪いです。

ただ、羽の形状と腹部の腹巻き模様はちゃんと見えますね。

傷が見当たらないので、初日に見たノスリとは別個体じゃないかと思われます。

 

結局2日目もアリスイは姿を見せず、冷えてきたこともあって夕方16時で撤収しました。

どうも午前中の方が出現率が高いようなのですが、

私の場合土日の午前中は他に用事がありますし、そう簡単には足を運べません。

3日目はこの翌日の日曜日、再度お昼から散策を始めました。

そちらの結果につきましては、長くなりますので次回の記事でお送りいたします。

 

 

【3日目・4日目編に続く】