これは首輪じゃなくて眼鏡……(新横浜公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

実はここに来たのは初めてではなく、昨年1度だけ初春に訪ねたことがあります。

が、その時は収穫と言えるものが全くなく、他に紹介したい記録が山ほどあったので

「なかったこと」にしてスルーしてしまいました。

この日は、とある珍鳥が飛来しているという情報を入手したため、

地下鉄ではるばる湘南台からここまでやってまいりました。さて、結果は如何に?

 

 

 

 

 

 

この新横浜公園には森林といえるものは全くなく、

基本的に水辺と芝生、そしてスポーツ施設で構成されています。

そして川(鶴見川)の水が溢れた際に、一時的に水を流し込んで洪水を防ぐという

遊水地としての役割も担っています。(当然洪水中の公園は水没します)

 

これらの特徴を見ると、本ブログではお馴染みの境川遊水地公園と非常によく似ています。

どちらかというと新横浜公園の方が、運動場づくり(集客)に力を入れている気がしますね。

 

森がないため、シロハラなどの森林を好む鳥にはあまり好かれない環境かも?

一方でツグミ(右)は原っぱだろうとお構いナシに飛来するため、随所で見られました。

 

 

 

 

 

 

なお、知っている方も多いかと思われますが、

この公園のすぐ目の前にかの日産スタジアム(横浜Fマリノスの本拠地)があります。

遠目に見てもわかるほどの巨大施設です。かつてW杯が開かれただけのことはあります。

 

スポーツの聖地のお膝元ということもあってか、

新横浜公園には野球場テニスコートスケボー広場バスケ広場など、

様々なスポーツを楽しめる施設があり、さらには子供向けの遊具も多いので

実際のところ境川よりも遥かに来園者が多くなっています。

 

 

 

 

 

水辺に目を向けて見ると、まずよく観察できるのがオカヨシガモ

ここでは一番多いんじゃないでしょうか?

よく見る冬ガモ軍団(マガモ、コガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、スズガモ)と

比べると数がやや少なく警戒心も強いはずなので、ちょっと意外でした。

 

 

 

 

 

ヨシ原に隠れていることもありますが、数が多いだけに出てくることも多く

冬場から早春にかけてぶらぶらしていれば、見られないということはあまりないでしょう。

……ん? でも右のカモは一体……。

 

 

 

 

 

遠距離につき写りはイマイチですが(葛西のサンカノゴイのほうがマシ)、

意外なほどあっさり会うことができました。

この日の目的だった珍鳥、クビワキンクロです。

 

遭遇率 … 1

インパクト … 3

美しさ … 3

俊敏性 … 4

 

 

写真の個体はメス。オスはキンクロハジロに似ているようで、

名前の通り首輪状の模様がある……らしいのですが、如何せん日本への飛来数が少なく

手持ちの鳥図鑑にも掲載されていなかったりします(アカハジロも載っていない)。

ただ個体数が少ないという情報はないので、「珍鳥」というより、

本来の旅のルート上にない日本に偶然迷い込んできただけの「迷鳥」と呼んだ方がいいでしょう。

余談ですが、アカハジロの方は絶滅の危機に瀕しています。

 

とりあえずメスに関しては、首輪よりも目の後ろの白い模様がよく目立ちます。

メガネキンクロという名前の方がしっくり来ますが、

肝心のオスにはそれが当てはまらないそうなので却下です(汗)。

 

 

 

 

 

アオサギダイサギオカヨシガモクビワキンクロ

クビワキンクロは左下の方に浮かんでいます。すぐ見つかりますね。

 

 

 

 

 

貴重な、羽バタバタの瞬間。

でも私のカメラの腕ではこれが限界です(汗)

 

 

 

 

 

近くにホシハジロのメスもいました。

目の模様を含め、クビワキンクロのメスとちょっと似ていますが

模様の形や体色などは明確に差があるため、見間違えることはないでしょう。

 

 

 

 

 

ちなみにクビワキンクロを始め、水鳥が多数出現する池は

運動場とほぼ隣接しています。境川よりも近いです。

カメラを構えるバードウォッチャー勢のすぐ後ろを、

写真のようにジョギング客が通り過ぎることもしばしば。

もっとも、鳥はこういう環境に慣れているようであまり逃げ出すこともないですし、

バードウォッチャーの皆さんも全く気にした様子はありませんでした。

 

これもまた、1つの自然共生型社会のスタイルなのかもしれません。

 

 

 

 

 

なお、この日はちょうど3時間限定でピカチュウが大量発生するイベントが開催されており

「巣」でも滅多に見られないようなとんでもない状況に!

とは言え、ピカチュウは御三家と同様に非常に逃げやすく、

無計画に捕獲を試みるとハイパーボールやズリの実が湯水のごとく消えていくため、

余程のピカチュウファンでもない限り全部ガチで捕まえようとはしない方がいいでしょう。

 

ちなみにちょっとショックな話。この日捕獲したポケモン一覧のメモが

数日前にどこかに紛失してしまったため、今回はポケモンリストがありません(汗)

道端で拾った人はアレ見て何を思うだろう?

 

 

 

 

 

大分日が傾いてきました。そろそろ引き上げるとしましょうか。

ちなみに池の向こう側に見えるヨシ原には入ることができませんが、

その奥に河川敷があり、そちらは普通に歩くことができるようです。

 

今回ご紹介した通り、大きなスタジアムのお膝元でありながら

自然環境も豊富に残され、野鳥の多い環境となっています。

こうした空間が今後もしっかり残されていくことを願うばかりですね。

 

 

 

 

 

ノスリ「わかったかクsoガ●ども」

 

……こういう時「じゃあドローンは大丈夫だね!」とか

重箱の隅をつつく奴が昔クラスに1人はいた気がします(爆)

ヘリコプター「など」とあるから絶対×だと思いますが

 

 

 

 

【今日のカワセミ君】

冒頭の人工池に出現しました。

水辺環境が良好なため、割とコンスタントに見られます。

(昨年来た時にも何度か見かけました)

 

 

 

【1/20 新横浜公園で撮影した生きもの】

アオサギ、オオバン、オカヨシガモ、カイツブリ、カルガモ、カワウ、カワセミ、カンムリカイツブリ、キジバト、クビワキンクロ、コガモ、コサギ、シジュウカラ、ダイサギ、ツグミ、トビ、ノスリ、ハクセキレイ、ハシビロガモ、バン、ヒヨドリ、ホシハジロ、ムクドリ、モズ