俺だってケ●シなんか嫌いです。うお、こっち来んな!(小網代の森) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。


GW初頭のある日(宮ケ瀬に行った次の日です)小網代の森に行きましたら、
ちょうど20代前半と思われるカップルがデートに来ていました。
若いのに珍しいかも?

が、おねーちゃんの方は相当の虫嫌いだったらしく、写真の木道を歩きながら
何度となく悲鳴を上げていらっしゃいました。1分に3回くらいの頻度で。
それもそのはず、この木道の手摺には1メートルごとに1匹くらいの割合で
ケム●やらイ●ムシやらが這い回っており、迂闊に手を伸ばそうものなら悲劇が待っています。
あまりに高い遭遇率(≒ピラミッドで「おうごんのつめ」を取った後のエンカウント率)ゆえ、
会わずに通過することは絶対不可能と思ってください。

以前にも書きました通り、私は本来あの手の幼虫が大嫌いですので
小網代の木道を通過する時には極力道の中央を歩き、左右は見ないようにしています。
が、中途半端に高い動体視力が災いし、大体3メートルに1回くらいは気付いてしまいます。
逃げ回っていては夏の生きものめぐりなどできないので、ある程度は克服しましたが
それでも嫌いなものは嫌いなのです。



フジがちょうど美しいシーズンですね。
●ムシから気を逸らすにはちょうどいいです。一瞬の気休めですが(呪)





川の上流から下流までが全て含まれる小網代の森では、
上~中流域の河原に頻繁にカワトンボ(ニホンカワトンボ)が現れます。
本種を撮るのがこの日訪れた目的の一つでもありました。

上記のカップルが近くを通りかかった際、カワトンボの存在を教えてあげました。
おねーちゃんも少し気をよくしてくれたようです。美しいは正義。
まあ、一分後にまた林内に悲鳴が響き渡っていましたけどね(汗)





柱の隅で微動だにしない小さなゾウムシ。
全長1センチにも満たないですが、アシナガオニゾウムシという少々厳つい名称です。

遭遇率 … 3
インパクト … 1
美しさ … 2
俊敏性 … 1

特に珍しくはないらしいですけど、本ブログでは新顔さん。
ハムシなどと同じく、木の葉や林道の手すりなどをチェックしていると結構見つかるかも。
(その2倍以上の確率でケ●シとエンカウントするわけですが)





ハマダイコンが最盛期。
今月の背景画像にも使用させていただいています。




 
アブラナ科のハマダイコンは、本家アブラナと同じく昆虫の好きな吸蜜場。
アゲハチョウの数が多く、モンキアゲハ(左)とジャコウアゲハ(右)が多数見られました。



こちらはキアゲハ。ただし花はハルジオンですね。
ハマダイコン畑は黒系統のアゲハに占拠(?)されているため、
こちらに移動してきたのかもしれません。



河口域へ。
干潮時間だったのか、かなり遠くまで干潟が続いていました。
ただ、今回は残念ながら渡りのシギは確認できませんでした。


 
ここの干潟はカニの宝庫。シンボル種といえるアカテガニはまだ冬眠中ですが、
写真のヤマトオサガニを始め、数種類のカニが確認できます。

ちなみにアカガニも、棲み家の穴の奥にちらと姿を確認できました。
せっかくのスリープタイムですので、無理に引っ張り出すのはやめましょう。


 
昨年ここで初めて撮影したマメコブシガニ。今年も健在でした。
このカニは前後に動ける一方で左右に移動できず、しかも動きが大変鈍いので、
その気になれば左写真のように簡単に捕まえることができます。挟まれても痛くない。
もちろん観察したらちゃんと逃がしてあげましょう。長く水から出すのも禁物です。



そして、ある意味アカテガニに比肩するシンボル種ともいえるチゴガニ
干潟の随所で例のダンスを踊っており、ちゃんと案内板も出ています。
GWらしく観光客も多く、皆さん興味津々な様子で観察・撮影を楽しんでいらっしゃいました。

無事(?)にケム●ゾーンを脱したらしい上記のカップルも来ていました。
悲鳴あげっ放しだったおねーちゃんも、チゴガニダンスには「可愛い!」と大喜び。
ここまで散々な目にあったようでしたが、最後にいい思い出ができたようでよかったです。
というか、あれだけキャーキャー悲鳴あげつつもちゃんと河口まで来ていたのですから
今思うとあのおねーちゃんは意外とつおい人だったのかもしれません。

ちなみに彼氏の方はケ●シに免疫があるらしく、
おねーちゃんのリアクションを見て終始笑いっぱなしでした。幸せそうで何より(棒読み)





↑本日の特典画像
「たまげたなあ」





【4/30 小網代の森で撮影した生きもの】
鳥類・・・シジュウカラ、トビ、メジロ
昆虫類・・・アオスジアゲハ、アシナガオニゾウムシ、オオスズメバチ、キアゲハ、キタテハ、サトキマダラヒカゲ、シオヤトンボ、ジャコウアゲハ、ニッポンヒゲナガハナバチ、ニホンカワトンボ、ベニシジミ、モンキアゲハ、ヨコヅナサシガメ
その他・・・アカテガニ、アシハラガニ、ケフサイソガニ、コメツキガニ、チゴガニ、ニホントカゲ、ホンヤドカリ、マメコブシガニ、ヤマトオサガニ