驚愕の質問にたじろぐ瞬間 | ココロはかき卵

ココロはかき卵

良いも悪いも思い切りてんこ盛りの東海岸の街で日々、ホームレスやmental illness、薬物依存症と向き合う日々の徒然。

金曜はクライアントの外科医とのアポでした。


Oncology内です、つまり腫瘍専門の外科医です。 


マンモグラフィを撮ったのが先月で、怪しい部分が確認されたので更に超音波検査をされて、生検までされてしまったクライアント。 


思ってみなかったことに、生検結果は癌らしいとの事。

それはエラい事やと速攻、外科医とのアポを取ったんです。 


このクライアントは難聴で補聴器を付けてはる。
もうシニアにどっぷり浸かった年齢だけど、自分で物事を判断するのは苦手で、理解力も緩い人。 


以前にこのクライアントの住んでる環境を書いたことがあるけど、それは強烈なキャラの擬似家族(クライアントは自分の家族と認識してる)と住んでますの。



家長は60代のおっ母さん。 

このおっ母さんがクライアントにも家族にも怒鳴り倒すキャラが強すぎる人。 おっ母さんは文盲でそのせいもあってか、人を信用しない。 


私は今だにおっ母さんには手こずってます。 


おっ母さんは私がアポとかに同行するのが気に食わないんです。文盲のコンプレックスのせいか、自分が全てコントロールしていないと気が済まない。 


あからさまにそれを態度に出すし、クライアントがそれの影響を受けるわけ。 


おっ母さんのことをママと呼んで、ママがどう思うか聞いて、それに同調するんです。 


これはちょっとねぇ。。。 


アポではteaching hospital(病院内か系列のクリニック等ではインターンドクターが本ドクターのスーパーバイズの元で診察にも関わることが多い)なので、経験積み中のインターンドクターが最初にクライアントに会いました。 


健康状態やなんやの色んな質問の時にインターンドクターが家族とその病歴について聞きはった。 

そしたら、クライアントが、


 "ママに聞いて" 


って言っておっ母さんを指したんですワ。 


クライアントは白人で誰が見てもおっ母さんより年上。
おっ母さんはブラックのプエルトリカンです。


インターンドクターはしげしげと二人を見てから、助けを求めるように私の方を見はった。 爆笑


ほんで、私が二人の関係を説明したんです。
その後におっ母さんがクライアントが家に転がり込んで来た経緯をインターンドクターに話してね。 


やれやれ。 


その後、外科医が来てクライアントに病状とプランの説明。
まだ前癌状態だと言うのでちょっとホッとした。
まずはMRIを撮ってください、という指示でした。
手術の話はその後。 


外科医が一生懸命に説明してくれて、終わりに質問があるかクライアントに聞きました。


どれくらい理解したんやろう、と怪しみながらクライアントを見ていたんですが、クライアントは顔色一つ変えずに、質問ないです、と言いやった。


外科医とのコンサルが終わってクリニックを出る支度をしていた時、クライアントがいきなりおっ母さんに聞きましてん。 


 "癌ってナニ?"


えっはてなマークビックリマークびっくり


 癌を知らない? 


 あーたは人との接触がない人類未踏地に住んでるワケじゃないよな。 


癌の事、聞いたことないはてなマークはてなマークはてなマーク


ひっくり返りそうになったワタシ。 


道理で生検結果を言った時にも今日の外科医の説明にも不安にならんかったワケや。 


癌がなにか知らんから。
知らんモン勝ち。 


同じくおったまげたおっ母さんは説明に困って私に助けを求めましたワ。 


身体の中にデンボ(大阪弁でデキモノ)ができてね、それが大きくなると病気になるの。せやから、取ってしまわんといかんのよ。 


って、とりあえずひどい幼稚な説明をする羽目になったです。 


これは問題。 


手術には患者が病気とどうして手術するかの理解を確認した上で同意書を取らないと医師は執刀できない。 


生検の時も医師が説明、おっ母さんと私が
補助説明してから、クライアントが同意書にサインしやったんですけどね。 


アレも怪しいな。 


道理で生検もホイホイ機嫌よくやっちゃったわけや。 


なので、次回の外科医とのアポの前に外科医によくクライアントと話をするように頼もうと思っています。 


長年この商売やってても、今だに何かおったまげがある日々であります。