Analysis of football data_サッカーデータ・スコア解析ブログ -22ページ目

Analysis of football data_サッカーデータ・スコア解析ブログ

ヨーロッパ7大リーグ出場全選手のデータを使って選手やクラブの解析をしています。

ついでに英語の練習中
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どうも、Schusseです。

選手の偏差値解析も一通り完了したので、今日はユナイテッドの今後のスカッドについて考えてみたい。

まず考えなければいけないのはフォーメーションだ。

なにせ、アモリムはこれまでのユナイテッドの監督は根本的に異なり、フォーメーションありきで戦術を考えるタイプだからだ。

なのでまず、このシステムのメリット、デメリットを考える必要がある。

 

そもそも、この3-4-3というシステムは、ピッチ上のスペースを最も効率的に選手で埋めることの出来る配置になっている。

一人の選手の守備責任範囲を円で表した時に、最も効率良く平面を充填出来る配置の仕方は、1列目に選手(円)を敷き詰め、そのくぼみに2列目の選手(円)を入れていく方法が、最も密度が大きくなる(つまり穴が少なくなる)。これはケプラー予想という物で(実際のケプラー予想は平面ではなく立体だが)、「ケプラー予想 笑わない数学」で調べてもらえれば何となくここで言いたいことが理解して頂けると思う。

 

特にディフェンスラインの横幅を考えると、本当は最も理想的なのは3-4-3ではなく4-3-4だが、これだと選手が一人多くなってしまうので3-4-3が最適解、となるわけだ。

また、昨今のハーフスペース攻められる問題に対する対策としても、3-4-3は理にかなっていると言える(ボール非保持時に5-4-1に移行する)。

 

実際アモリムがハーフスペース対策をどのくらい重視してこのシステムに固執しているかは知らないが、一番重要と考えているのは、攻撃時のハーフスペース攻略だろう。

グアルディオラが世に広めた物ではあるが、引いた相手を崩す手段として、

1.      ウィングを大きく外に開かせて相手の4バックを横に広げ、

2.      ボールサイドのサイドバックのセンターバックの間(所謂ハーフスペース、ポケットとも呼称される)に侵入することで相手を崩す、

という、文字にすればシンプルなセオリーだ。

場所的にはゴールエリアの両脇辺りに当たる。

 

ここを攻めるための原理は単純だ。5トップにして、5レーン(中央、両サイド、両ハーフスペース)を全部埋める。相手が5バックで対策してくるのと同じだ。

5トップの形成の仕方は色々あるが、広く一般的なのは2種類。4-3-3の3トップとインサイドハーフで埋めるか、3-4-3の3トップとウィングバックで埋めるか。

もちろん他にも、4-2-3-1とか4-4-2とか3-5-2とかでは、片方のセンターハーフが上がって埋めるとか、逆サイドは空けてボールサイドの4レーンだけ埋めるとか、そもそもそんなことしないとか色々あるが、最も単純化すると上記2例が最も分かりやすい。

 

ただ、この2例は似ているようで大きくことなる。特に違うのは、3トップの両ワイドがサイドに出るか、中に絞るか、という点にある。

 

前者(4-3-3)の場合、ウィングはサイドに大きく貼ることが可能で、それによって彼らの特色(つまり1対1の強さ)を存分に発揮することが出来る。一方でハーフスペースを突くのはインサイドハーフの役割なので、ここにどのような選手を配置するか、も重要である。ペップの場合は、デブライネのようなパス能力の高いタイプと、ベルナルドやギュンドアンのように足元もありつつ走力も兼ね備えたタイプを置いていた。この役割では、前者のタイプにもある程度の走力が求められるが、デブライネはフィジカルも優れた選手なので打って付けだ。

そして、このシステムの利点は、サイドに攻撃力のあるウィングを配置出来、守備ではサイドバックが後ろに備えることが出来る点にある。

 

一方、3-4-3の場合は、ウィングが中に絞ることになる。

このシステムで猛威を振るったのがコンテチェルシーである。この時のウィングはアザールとウィリアンだったが、どちらも内外でプレー出来、シュートもパスも多彩、中央の混雑した状況でも適格な判断が出来た。

サイドには、左はマルコス・アロンソ、右には元々ウィングのモーゼスを配置。これによって右サイドでは大外の攻撃力も確保し、左サイドの場合はアロンソのPA内への侵入とフィニッシュワークをシステムとして組み込むことに成功した。

当時、バリバリのウィングであったモーゼスをWBに起用したことは驚きだったが、今やこのような抜擢はむしろ標準となってきている。(ちなみに、そもそもユナイテッドは、バレンシアの右サイドバック化という前例があり、このような用兵ではむしろ先駆者である)

 

3-4-3は、トップレベル(つまりCLに出るようなクラブ)で見ると意外とこの10年で成功例は少ない。ペップシステムの対策で5バックを採用するチームが増えたこと、コンテの大成功で真似をするチームが増えたこと、を鑑みると少し意外ではある。3バックを採用しているチームはインテルやアトレティコ等々存在するが、3-5-2(or 3-4-2-3)のケースが多い。

コンテチェルシー以外での大成功事例はアロンソのレヴァークーゼンくらいだろう。彼の場合は、元々4バック嗜好だったように感じるが、チームメンバーを鑑みてこのシステムに変更、それが結果的に功を奏した。

 

アロンソのシステムはコンテと比べて圧倒的に流動的であり、またコンセプトも完全に異なる。だが、要員配置的には似た部分がある。

・内に絞ってもプレーできる、クオリティの高いシャドーを2枚配置する

・WBは攻撃力を重視

・攻撃的CHと守備的CHの組み合わせだが、攻撃的CHも守備力を兼備

 

レヴァークーゼンの場合、シャドーの1枚はヴィルツで固定。もう一枚を、アドリ、テラ、ホフマン、今年からはテリエ、で回す。この、もう1枚の役割はキャラによって変動し、アドリとテラはよりダイナミックに動くフィニッシャー役、ホフマンは崩しの局面でヴィルツをサポート(しつつフィニッシュも可能)、テリエはその間、という印象だ。

また、圧倒的なのがWBの攻撃力で、どちらのサイド(フリンポンとグリマルド)も昨シーズン、ゴールとアシストの合計は15以上あったように記憶している。

その分は、CHとフィジカル要素に満ち溢れた3CBでカバーする。CHはジャカが基本で、相方はより守備的なパラシオスかアンドリッヒ。どちらもカバーエリアが非常に広い上に、攻撃でも貢献が見込める選手だ。

ちなみにコンテの場合は、ここをマティッチとカンテが務めていた。この時のマティッチは攻守に本当に好きが無い、パーフェクトな選手だった。

 

このように、用兵は似ているが、崩しの局面は少し違う。

コンテの場合は3トップ+WBで5レーンを埋めるような攻撃を嗜好していたような記憶があるが、アロンソの場合は変幻自在のヴィルツが軸になるため、よりその特性に合わせた形になっている。システムありきというより、まずはヴィルツありきだ。

基本彼は特定のレーンに留まることは無く、フラフラと色々な場所に顔を出す。が、どちらかというと左サイドに依ることが多い。そこで、グリマルドとジャカ、場合によってはCFともう一人のシャドー、左CBなどと絡みながら、1レーンに1人ではなく選手を限定されたスペースにオーバーロードして相手を崩しにかかる。この時、逆サイドのハーフスペースは埋めず、敢えて開けておく。

 

そして、崩した後にラストパスを逆サイドのポケットに流し込み、そこに一気に侵入して来たフリンポン(またはもう一人のシャドーや右CH)が合わせる、というのが崩しのメカニズムだ。

 

ちなみに、他にトップレベルである程度成功した3-4-3としてはトゥヘルのチェルシーが思い出される。

この時は、シャドーにはマウントやハヴァーツ(シエシュもいた気がする)などの、中央を主戦場とする選手が起用されることが多く、サイドはWBが埋めていた(マルコス・アロンソやリース・ジェームスだったような気がする)。この時の成功要因(微妙ではあるが)は、攻撃面というより守備面の整備にあったように思う。このシステムでは、個々の選手は基本的に5レーンに当てはめられ、その縦のゾーンを自分の守備範囲として明確化することで守備時の動きが単純になり、結果として失点を減らすことが出来ていた。攻撃面ではちょっと手詰まり感があったが、それはやはりサイドの攻め手不足が要因として大きかった。

実はこれ以外にもう一つ、トップレベルでの成功例としてガスペリーニアタランタがあるが、これは特殊例過ぎるので今回は考察しない。

 

以上をまとめると、再掲ではあるが下記が3-4-3成功のための必須要件だろう。

・3-4-3でトップレベルで成功した例はコンテチェルシーとアロンソ薬屋くらいである

・どちらの例も、シャドーのクォリティが攻撃力に直結し、内外どちらでもプレー出来る選手であることが必要となる(トゥヘルチェルシーでは、シャドーが中向き過ぎた)

・その上で、WBには攻撃面における強みが必要であり、その強みはシャドーの能力と補完的である必要がある。(シャドーに内外で崩せる能力があれば、WBは得点力やクロスに特化しても十分厚みが出せる。シャドーが中で働くタイプであれば、WBはサイドを崩せる能力が求められる)

・CHは広いエリアをカバーする守備力と共に、展開力も求められるが、この部分はCBと補い合うことも可能ではある

・ウィング+インサイドハーフで5トップを形成出来る4-3-3と違い、3-4-3ではWBが5トップに入る必要があるため、サイドの攻守のバランスを取りながら4-3-3と同等の攻撃力を出すことが非常に難しい

 

では、我々はどうするべきか。

これに見合った戦力を有しているか、を考えていこう。

Fw: ホイルンド、ザークズィー

シャドー:ブルーノ、マウント、ガルナチョ、エリクセン、ディアロ

WB:ダロト、ショー、マズラウィ、マラシア、アントニー

CH:ウガルテ、カゼミロ、コリアー、メイヌー

 

上記のようにこのシステムはまずシャドーありきなので、まずこのポジションから考えていこう。内外でプレー出来る多彩なクォリティを持つ選手が2枚必要なわけだが、現状その条件を満たすのはディアロしかいない。ブルーノ、エリクセン、マウントは完全に中向き、ガルナチョは外向きである。

つまり、この時点で戦力が整っていないと結論付けることが出来てしまう。補強が必要だが、それまでの間はこれで急場を凌ぐしかない。選択肢は二つだ。

1.      片方はエリクセンやブルーノの様に中向きの選手として、その分WBにサイド突破を可能とする選手を配する

2.      ガルナチョを起用し、その分中の崩し要員を別途配する

どちらの場合も、シャドーの片割れはディアロしかない。

 

ではWBを考えよう。上記の通り、ディアロはシャドーでしか使えない(ディアロ以外にシャドーの適任者がいない)。ショーは不在、マラシアは戦力外なので候補はアントニー、ダロト、マズラウィだけだ。

ケース毎に考えよう。

1.のケースの場合、WBにサイドを突破できる選手が必要であり、現状候補はアントニーしかいない。にも拘わらず、彼を放出してしまった。カゼミロを全く使わない点と言い、アモリムの用兵には少々疑問が残る。アントニーは数少ない解決策だった。

こうなると、1.は採用しづらい。しかしそうなると、2.を採用せざるを得ない。この場合、チーム内に豊富に存在するトップ下タイプのシャドーを全く起用出来ないというデメリットが発生する。マウントは怪我で不在だし、エリクセンは年齢的に稼働が難しくはあるが、ブルーノをこのポジションで起用しづらくなる。

2.の場合は中の崩し要員が必要なので、センターハーフでブルーノ起用、となる。これを基準に考えよう。

 

このケースでは、3-4-3成功条件の一つ、CHは共に広いスペースをカバーする必要がある、を満たすことが難しくなる。

そこで、ここはフォーメーションで何とかすることを考えよう。

攻撃時は3-4-3から3-2-5にポジションチェンジするのがアモリムの特徴(というか3-4-3は大体そう)で、通常5トップはWB/シャドー/CF/シャドー/WBで形成される。

そのケースを、この場合はシャドー(ガルナチョ)/CH(ブルーノ)/CF/シャドー(ディアロ)/WBとすることで凌ごう、というアイディアである。

この場合、左のWBが浮くので、彼が元々のブルーノのポジションに収まる形となる。4バックでよく行われる、SBが内に絞るというシステムのWB版だ。実際、アモリムはこのシステムを最近は割と採用することが多い。ただ、十分な攻撃力が得られているかと言うと甚だ疑問ではある。理由としては、まだシステムの理解が不完全なことと、フォワードの質不足が挙げられるだろう。コンビネーションで崩すような形が皆無だし、ビルドアップに手間取るのも問題である。シャドーにエリクセンを配してディアロを右WBにすれば改善すると思われるが、それだと守備があまりに問題だ。

そもそも、この可変システムにした場合、3-4-3の「守備範囲の明確化(トゥヘルの項で記したように、各々の守備範囲を縦に割ることが出来る)」、「ボール非保持時に5-4-1に移行可能」という守備のメリットを完全に享受することが難しくなる、という問題も生ずる。

 

 

言わずもがな、ユナイテッドの中心はブルーノである。現在のユナイテッドにあって、唯一ブルーノだけが世界トップレベルの選手と断言出来る。そのため当然、彼を中心としてシステム(特に崩しの局面)を考えたいところだが、上記の通り、3-4-3ではブルーノの最適解が現状見出せない。

 

これは大きな課題である。

 

今のところ、アモリムシステムは上手く回っているとは言い難いが、先行例を参考に考えればその要因は割と合点が行くところだ。

・内外でプレー出来る質の高いシャドーの不足(若いディアロのみ)

・CFの質不足(前から何度も書いているが、ホイルンドは将来への投資であって現時点での実力は全く伴っていない)

・エースであるブルーノのポジションが無い(シャドーに置くにはドリブル能力が無い上に役割が固定されてしまい、CHにすると守備のタスクが多い)

・サイドから崩せるWBが存在しない(特にシャドーにドリブルスキルの無い選手を配する場合は必須になる)

・ブルーノをCHで起用しない場合、CHの攻撃力不足(成功例ではマティッチ、ジャカ、ヒルマンドと言ったビルドアップに適したCHが存在するが、このタスクを実行出来る選手がいない)

 

 

ではどうすれば良いか。

結局は、今の人員をフルに生かすのであれば4-2-3-1や4-3-3に戻すのが一番手っ取り早い。これならブルーノもガルナチョも生きる。

ただ、それはあり得ないだろう。

 

そうであれば補強するしかない。

まずはとにかく前線3枚の補強だ。CFは明らかに実力不足。オシムヘンかギョクレシュの2択だろう。

シャドーは2枚必要。内外どちらでもプレーできる、アザールやウィリアンのようなタイプが理想だ。我々にとっての理想像は、ブルーノがいる以上コンテチェルシーではなくアロンソ薬屋だろう。つまり、5トップを5レーンに貼り付けるのではなく、WBはある程度外に貼るとして中の3人は流動的にしておいて、片側のポケットをまず取りにかかる。その上で、逆サイドで仕留める。

これであればブルーノの長所もある程度活かすことが出来る。とは言え、シャドーにはドリブルスキルのある選手が欲しいところなので、やはりヴィルツのようなシャドーは必要だ。

当然候補はヴィルツかシャビ・シモンズ、次善でチェルキ、その次の候補はバエナ、エゼ、ブラント、ルックマン。ルックマンだとちょっと役割は変わって来るが…。

本当はサンチョとグリーンウッドで良いんだけどね。

あとはブルーノをどうするか。上記の通りであれば、5トップの1枚は役割を流動的に出来る(WBは外のレーン、CFは真ん中のレーン、片方のシャドーはボールサイドのハーフスペースとして、逆サイドのシャドーは5レーンを必ずしも埋めなくても良いので流動的にポジションを変えても良い)ので、シャドーで使うことも不可能ではない。この場合はWBを攻撃的にしたいが、片方はディアロで良い。

この場合、内外出来るシャドーが1枚だけになるので、何としてもヴィルツかシャビを取りたい。

ジャカの役割を刺せる場合はWBを少し守備的にしてバランスを獲る。ただ、そうは言ってもある程度の攻撃力は必要なので、ラウムのような攻撃的SBを配することを考えたい。

 

また、いずれにせよ、ある程度ハイラインになるのでCBはもう少しスピードが欲しい。特に、3CBの中央はスピードが必要だが今はここがマグワイア or デリフトになっている。もう少しテコ入れしたいが、これからさらにCBに賭けるお金は無いだろう。

 

以上まとめると、何とかブルーノを3-4-3に組み込む場合、

ブルーノをシャドーで使うなら

1.      ヴィルツ or シャビ・シモンズ

2.      オシムヘン or ギョクレシュ

3.      マティッチロールの出来るCH

4.      より攻撃的な左WB(グリマルドのような選手)

5.      スピードとパスセンスを完備した3CBの中央が出来る選手(左利きだとリサマルの代役も出来るので尚良し)

が必要だ。

 

ブルーノをCHで使う場合は、

1.      ヴィルツ or シャビ・シモンズ

2.      オシムヘン or ギョクレシュ

3.      もう片側のシャドー(チェルキ、バエナ、エゼ、ブラント、ルックマン、サンチョ、グリーンウッド。エンクンクでも良いかも。ディアロと併用)

4.      攻撃力のある左WB(ラウムやカレーラス辺り)

5.      スピードとパスセンスを完備した3CBの中央が出来る選手(左利きだとリサマルの代役も出来るので尚良し)

 

いずれの場合も、マティッチロールの出来るCH控え、も欲しいところ。

 

ラッシュとマラシアは放出。

ガルナチョは出場時間限られそうなので成長のために、メイヌーは実力不足なのでレンタル。

カゼミロは残すべき(ウガルテが怪我したらヤバい)。

ホイルンドは期待するならレンタル、そうでないなら放出。

アントニーはWBの補強次第。

エリクセンは本人の希望次第(負けている時のカードとしては非常に魅力的)

マウントは怪我次第(怪我が無ければサブとしては優秀)

 

ただ、お金無いからなぁ。頑張ってラッシュ、マラシア、アントニー、ホイルンド、サンチョ換金して、シャビとオシムヘン or ギョクレシュの2枚だけでも取って欲しい。あとは、カレーラスと、フリーになりそうなアンヘル・ゴメス、放出されそうなエンクンクでとりあえず凌ごう。