Analysis of football data_サッカーデータ・スコア解析ブログ -20ページ目

Analysis of football data_サッカーデータ・スコア解析ブログ

ヨーロッパ7大リーグ出場全選手のデータを使って選手やクラブの解析をしています。

ついでに英語の練習中
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どうも、Schusseです。

今回はホイルンドについて考えてみよう。

 

前回は、「次回は「ユナイテッドに来ると選手のパフォーマンスが低下する問題」について考えてみよう。」と言っていたのだが、そのデータ作っている時に同時に解析出来たので、まずはホイルンドに絞って「移籍前後のパフォ比較」をしてみたい。

 

というのも、最近ホイルンドに対する風当たりはかなり強くなってきている。なんせ、点を全く取れない。

これまではユナイテッドの周りの選手の問題と考えられてきたが、そうでは無いことがバレてきている。つまり彼は、「フィジカル的なポテンシャルは十分なのだが、ゴールを取るという点においては能力が全くもって未成熟」なのだ。

だが、ハッキリ言ってこんなことは最初から分かっていたハズだ。彼を獲得した当時から、私はその点を明言してきたつもりだ。

ホイルンドで満足か? 1 & 2

https://ameblo.jp/schusse/entry-12813638101.html

https://ameblo.jp/schusse/entry-12814453570.html

 

それなのに、ユナイテッドは彼を神の如く崇め、放出不可リストわずか3人に含め、完全に寵愛してきた。一体彼のどこの何を見てそう思ったのか、全く理解できない。デカいのに早い、というのは分かるし、それだけで価値があるのも分かるが、結局フォワードは点を決められなければ価値は低い。

 

最近ようやくアモリムもそのことに気付いたようで、ザークズィーをトップで使い始めた。

最近はシャドーの駒不足もあって彼をシャドーで起用していたが、タイプ的に見ればザークズィーをトップ、突破力と走力のあるホイルンドをシャドーの方が理にかなっている。(そもそも冬の市場でシャドー候補が単純に2減したのが間違いだったと思うが。ディアロが怪我したらどうしよう、とか考えなかったのだろうか?)

 

ということで今日は、2年前に立ち返って、ホイルンドの獲得がどうだったのか、を考えたい。私が言いたいことはこれだ。

 

「アタランタの選手は基本アタランタ補正がかかって成績が上振れするのに、アタランタですら成績が高くなかったホイルンドに巨額の投資をすることはそもそも間違っていたのではないか?」

 

私は10年近く選手の偏差値解析をしてきたので良く分かるのだが、アタランタに所属する攻撃的ポジションの選手は、他のクラブに在籍する時に比べてかなり偏差値が高くなる傾向にある。組織がしっかりしている分、ポテンシャル以上の攻撃力が発揮できる環境が整備されている、ということも出来るだろう。

 

その分、アタランタ印の選手の獲得には慎重になるべきで、移籍後もアタランタ時代と同様のスタッツを残せる可能性は低いのだ。この点を十二分に考慮する必要があるのだが、ユナイテッドはその点の確認を怠っていたとしか思えない。

 

では、実際のデータを見て行ってみよう。過去10年弱で、ある程度アタランタで出場時間を確保していた選手たちの、年度毎の偏差値をプロットしてみた。

まずはフォワードから。アタランタは明確なセンターフォワードを配さないケースも多く、この10年である程度出場機会を確保したFwはホイルンドを除くとサパタとムリエルだけだ。

 

 

 

アタランタでの成績が青いダイヤ、それ以外のクラブ所属時の成績は丸で示している。みて頂くと分かる通り、どちらの選手もアタランタ移籍によって急激に成績が向上していることが分かる(サパタは2019, ムリエルは2020)。サパタはムリエルに出場時間を奪われる形で偏差値が低下傾向にはあるが、どちらにしろ、アタランタでは成績が高く出ること、偏差値66くらいが基準になること、が分かる。

正直、世界トップレベルとは認知されていない彼らで偏差値66が出るのだから、50ミリオン以上の価格で獲得するような選手であれば、当然アタランタでは70くらいの偏差値が求められる。

 

では、ホイルンドはどうか。

 

 

見て頂くとお分かりの通り、アタランタですら散々だ。58強くらいの偏差値しかない。そして当然、アタランタから移籍すれば偏差値はそれ以上に減少する。これはアタランタというチームの特性上必然だ。

 

今季アタランタでエースを務めるレテギの偏差値データは当然まだ有していないが、移籍によって大幅に偏差値が向上することは自明である。そのことを加味しても、

・アタランタではフォワードの偏差値はかなり実力以上に高く出がち

・アタランタのフォワードには最低65以上の偏差値が求められる

・移籍後の偏差値は5くらい減ることを覚悟すべきである

 

これらの観点から考えて、ホイルンドの投資は失敗であったと言えるだろう。ただしこれは、明らかに予測出来たことだ。

 

では、この点もう少し深堀するために、アタランタの攻撃的MFの偏差値も解析してみよう。MFはフォワードほど偏った成績は出ないので、偏差値は62辺りがボーダーだろう。これを超えれば相当優秀なMFと言える。

 

イリチッチ

 

 

アタランタ移籍で大幅に偏差値が向上し、62を超えている

 

マリノフスキ

 

 

アタランタでは偏差値62を超えており、マルセイユ・ジェノア移籍後は偏差値が大幅に低下

 

ミランチェク

 

 

アタランタでは62前後、トリノ移籍で偏差値が大きく落ち込み、アタランタ帰還である程度回復。

 

パプ・ゴメス(アレハンドロ・ゴメス)

 

 

アタランタ在籍時は常に62前後の偏差値をキープするも、ガスペリーニと衝突してセビージャ移籍後は偏差値が低下。

 

ボガ

 

 

アタランタ移籍2シーズン目に急激に開花するも、移籍によってまた元の偏差値に逆戻り。

 

ルックマン

 

 

 

アタランタ移籍で偏差値激増。才能が完全に開花した。彼についてはプレー見る限り、この後移籍しても同じくらいの存在感を示してくれそうな予感はする。アタランタの呪縛を取り払う例外になるか、興味深く見ていきたい。

 

 

デ・ケテラーレ

 

 

ミランでは苦戦したが、アタランタで存在感を発揮。

 

いかがだっただろうか。私がデータを持っている2015年以降で、ある程度アタランタで出場時間を確保し、かつ他クラブ在籍時のデータもある選手に絞った結果ではあるが、傾向は明白だ。

アタランタには選手を優秀に見せる魔法がかかっているのである。

トップクラブのスカウティング部門はこんなことは先刻重々承知であろう(私でも分かるくらいなのだから)が、それにコロっと引っかかってしまったクラブがある。それがマンチェスター・ユナイテッドなのである。

 

 

ただ、望みがないワケではない。

当然、例外がいるのだ。それは、「アタランタ在籍時はまだ若く、伸びしろが残っていた選手」だ。

代表例がぺターニャだろう。

 

 

アタランタでは若かったこともあり出場時間も十分に確保出来ず、ほとんど存在感の無い偏差値で卒業することになったが、その後ナポリで実力を発揮した。

ただ、それでもフォワードで偏差値58だと物足りなくはあるが、どちらにしろアタランタ卒業後に成長できる可能性があることは示してくれている。

 

もう一つの例がムサ・バロウだ。

 

 

こちらも若く、アタランタ2年目は成績が低下したが、ボローニャ移籍後はそれよりは向上した。と言っても、アタランタ1年目ほどの輝きは見せられていないので、成長したと言えるのかは微妙ではあるが。

 

 

ホイルンドはフィジカル的なポテンシャルは十分だし、性格も悪く無さそうだ。アタランタ在籍時は21歳と非常に若く、例外となる可能性はあるだろう、と私も思っていた。

だが、上に述べた理由で、失敗の可能性はかなり高く、それ故あの移籍金は明らかに大過剰だった。その半額くらいが妥当な金額であった。

また、成長に期待しての獲得にするべき選手だったのに、いきなりエースに据えた判断も大きな間違いだった。現時点でエースを張れるような実力が伴っていないことは火を見るより明らかだったハズだ。

(もちろん個人的にはホイルンドには頑張って欲しい。ただ、彼にとっては、マッカーシーとファンニステルローイと言った、シュートを教えられるアシスタントコーチが次々とチームを去ってしまったことも誤算だっただろう。特にルートからは、もっと色々なことを吸収して欲しかった。今の彼にはお手本となるフォワードがチーム内に存在しない。これは大きな問題である。)

 

この辺りの判断力・隻眼の無さは、今のユナイテッドの惨状を反映していると言って差し支えないだろう。

今後どうするのだろうか。

 

次回こそは、ユナイテッドに来ると成績が低下する問題、について検証していきたい。

 

追記

スカマッカを見逃していたので追加しておく。彼はサッスオーロ時代にも高い偏差値を出していたので少し趣は異なるが、アタランタ移籍で大きく偏差値が向上したこと、アタランタでは偏差値66が出ていること、は他の選手と同様だ。