Analysis of football data_サッカーデータ・スコア解析ブログ -19ページ目

Analysis of football data_サッカーデータ・スコア解析ブログ

ヨーロッパ7大リーグ出場全選手のデータを使って選手やクラブの解析をしています。

ついでに英語の練習中
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どうも、Schusseです。

今回は前回の予告通り、以下の問題について解析していってみよう

「ユナイテッドに来ると選手のパフォーマンスが低下するのは本当か」

 

前回は、ホイルンドに絞って解析し、確かにアタランタ時代よりユナイテッドで成績が低下していることが明らかとなった。

ただ、そもそも「アタランタの選手は誰でも他のチームでは成績が大きく低下する」傾向にあったので、ホイルンドの場合は、「アタランタの問題」か、「ユナイテッドの問題」かは明らかではない。

 

そこで、それ以外の選手について解析し、この点を明らかにしていきたい。

 

 

結論から言うと、その傾向はあるものの、全ての選手に当てはまるわけでは無かった。大別すると下記の4パターンが見て取れた

 

1.      本当に成績が低下するタイプ、ユナイテッド脱出後成績が向上するタイプ

2.      成績は低下するが加齢によると思われるタイプ

3.      低下し、ユナイテッドからの移籍後も低下したままのタイプ

4.      維持できるタイプ

5.      その他

 

それぞれ見ていこう。

 

成績低下タイプ・脱出後成績向上タイプ

 

サンチェス

 

 

代名詞的存在。ユナイテッドに来て1週間で間違いだったと気付いたという逸話が有名だが、実際偏差値もユナイテッド(赤のダイヤモンド)時代が最も低くなっている。その前のアーセナル、その後のインテルいずれにおいても偏差値は高い。

ちなみに、今後も全て、ユナイテッド時代を赤のダイヤモンドで示している。

 

 

デパイ

 

 

代名詞的存在2。彼については、ユナイテッドに来たのが若すぎたという点や、ファンハールだったという点も考慮に入るかもしれないが、脱出後に大きく成長した。成長後にユナイテッドに戻って来たらどうだったのか、はきになるところである。

 

 

ムヒタリアン

 

 

彼はケース1と3,どちらか少し迷うところではある。

ドルトムントから移籍して一気に成績が低下したが、その後アーセナルに移籍しても復活はしなかった。ただ、その後ローマ移籍で復活。

インテルでは再度偏差値が低下しているが、これは役割の変化(サイドハーフからインサイドハーフへ)による物だ。どうしても、ポジションが後ろになるとゴールやアシストが減るので、偏差値は低下してしまう。

 

マグワイア

 

 

彼も呪いにかかった一人と言えるだろう。前出の3人に比べると、それでも一定の貢献はしてくれているが、ハルやレスター時代ほどの輝きを見せられていないのも事実だ。

データを見ると、移籍1年目は同等のパフォーマンスを出せていたが、そこから漸減していってしまっているのが分かる。一見すると加齢によるパフォ低下のようにも見えるが、低下が開始したのは20代なので単純な能力低下と見るべきだろう。

 

 

ポグバ

 

 

こちらも代名詞的存在。

移籍2年目はユベントス時代と同等の成績を出せているが、それ以外の年は軒並み低く、特に2020, 2021の2年は目も当てられないパフォーマンスに終始した。元々ポグバのような、目に見える数値(ゴールやアシスト、タックルやインターセプトなど)以外の部分に持ち味がある選手は偏差値化が難しくはあるが…。

 

 

アムラバト

 

 

彼もフィオレンティーナ時代の良さは全く発揮することが出来なかった。その後はトルコへの移籍となってしまい、ユナイテッド移籍がキャリアの分岐点になってしまった可哀想な例になってしまった。リヴァプールに行っていたら、どうなっていただろうか…。

 

 

ワン・ビサカ

 

 

ユナイテッドでも持ち味は出していた印象があるが、パレス時代に比べると成績は低下傾向だ。彼の持ち味がタックル&インターセプトにあるのは間違いないが、そのような守備機会がそもそもパレスの方が多いことと、ユナイテッドではより攻撃での貢献が求められたがその部分の能力が欠如していたことが原因として挙げられるだろう。

 

テレス

 

 

テレスについてはポルト時代が良すぎたという側面もある物の、ユナイテッドでは良さを出し切ることは出来なかった。ヴァレンシアなどを見ると、ユナイテッドはサイドバックが活躍しづらい、ということは無いとは思うのだが。

ただ、それでもプレーは悪く無かったので、少なくともマラシアよりは良かったと思うんだけどな。

 

ロナウド

 

 

あのロナウドですら、ユナイテッドの呪いをはねのけることは出来なかった。移籍1年目は何とか微減で保っていたが、2年目の成績はあまりに酷い。まぁそもそも2年目はほとんど試合に出ずにサウジに移籍したような記憶ではあるが。

 

 

ペレイラ

 

 

ユナイテッド在籍時の偏差値がとにかく低い。そもそも、彼をどう起用したら良いのか、サイドなのかトップ下なのかセンターハーフなのか、それすら定まっていなかった。

その後移籍によって自分のポジションを獲得し、フルハムでも良い仕事をしてくれているのでファンとしては嬉しい限りだ。やっぱりユース上がりの選手には末永く活躍して欲しい。

 

続いて、成績は低下したが加齢が関係していそうなタイプ。

 

 

まずはイブラ様。

 

 

PSGをフリーで退団したことから分かるように、30代になってから移籍して来たので、成績が低下するのはある意味当然と言えるだろう。また、リーグアンで完全に無双しているPSGの方が偏差値が高く出やすいのも同様に当然と言える。

これらから、ユナイテッドである程度偏差値が低下したのは必然だし、ミラン移籍後と同様の偏差値なので、実質的にはユナイテッドに来てもパフォーマンスが低下しなかった選手の方に分類できるだろう。

2018は成績が一時的に低下しているが、この年はそもそも前年の怪我のせいでほとんど実働していない。

 

 

カバーニ

 

 

イブラ様と同様、加齢によりPSGをフリーで退団。

おまけに、その前年から加齢による偏差値低下が見えていたので、ユナイテッドでもそれほど偏差値が高く出なかったのはこれまた必然だろう。

2年目でさらに成績は低下したが、その後バレンシアでも同等のパフォーマンスだったことから、成績低下がユナイテッドのせいではない、と言える。

 

 

ヴァラン

 

 

彼はユナイテッドでのパフォーマンスは酷かったが、実はそもそもそのうんと前から、レアルにおいても成績低下が著しかった。

そもそも自分は普段解析していてヴァランがスタッツ上優れていないことを把握していたので、何で取るの?と思ったが、実際その通りの結果になってしまった。

一応世界的にはヴァランの衰えはそこまでバレてはいないようだったので(実際当時はまだCBで世界一市場価値が高い選手だった)、ヴァラン獲得により他の一流選手もユナイテッドに行きたいと思ってくれるかも、という効果には自分は期待していたのだが、そんな効果を発揮することも出来なかった。

彼については成績低下はユナイテッドの問題ではなく、元々その程度だったと言えるだろう。

 

 

次は、成績低下し、元のコンディションに戻らない選手。

これは要するにサンチョだ。

 

 

ユナイテッドで一気に成績が低下した上に、古巣のドルトムントに戻っても、元々ほどのパフォーマンスは残せなくなってしまった。

今年はチェルシーに移籍し、こちらでも移籍当初は良かったが、段々とスタッツは低下してきてしまっている傾向にあるように思う(今年の話なので、解析には含められていないが)。

こうなると、ユナイテッド移籍前のパフォーマンスはハーランドありきだったのでは? とさえ思えてくる。

本来、アモリムのシャドーにはうってつけの選手だったが、ここまで成績が戻らないのであれば放出止む無しだろう(どちらにしろ買取義務付きなので、出ていくことが既定路線だが)。

 

 

ここまで見ると、確かに成績が低下する選手が多いことは事実だ。

だが、中には、ユナイテッドでも成績が低下しない選手は存在する。

代表例が、当然我らがブルーノだ。

 

 

常に一定以上の成績を残してくれる。2020はちょっと成績が低いが、これは冬の移籍で出場時間が短いためだ(シーズントータルのゴール数が少なくなる)。

また、面白いことに、1年おきにパフォーマンスが増減する傾向が見られた。ただ、どちらにしろ常に偏差値60を超えており、これはウディネーゼ、サンプドリア時代より明らかに高い。

 

 

カゼミロ

 

 

何のかんのと批判されがちではあるが、実際のところ偏差値上はレアル時代とまったく変わらないパフォーマンスを続けてくれている。加齢が、とか言っているが、実際のところ守備能力には陰りが見られない。

問題なのは、判断の速さがプレミアに順応し切れていないところだろう。年齢ではなく。

 

 

ルカク

 

 

意外ではあるが、ルカクはユナイテッドで成績が低下した、ということはななかった。まぁ確かに、エヴァートン時代は成績が高いし、インテルでもユナイテッド時代より多少成績は良いが、とてつもなく差があるという印象ではない。多少パフォに影響はあったが、他の選手ほどではない、と言えるだろう。

 

 

マティッチ

 

 

マティッチはいつでも素晴らしい。攻撃も守備も、どちらも高い精度でこなすことが出来る。まぁさすがに2016シーズンには及ばないが、これはちょっと高すぎだ。ユナイテッド移籍前の時点で一度成績は低下しており、何ならその後ユナイテッドで偏差値は上昇傾向。卒業後もそのスタッツを維持している。

 

 

グリーンウッド

 

 

彼についてはまだ何かを言うのは早いが、復帰後のヘタフェではそれなりのプレーをしたものの、実はユナイテッド時代の方が成績は上だ。とは言え、もちろんブランク明けであったことは考慮の必要がある。今年はもっと成績が上がるだろう。

 

 

我らがエレーラ

 

 

彼の一貫性には何も言うことがない。

ビルバオ復帰初年度だけ成績が低下したが、それ以外では常に一定の、しかも毎年高い水準の成績を残している。マティッチ、エレーラと調子が良い時のポグバの3センターはキャリック・フレッチャー・ハーグリーブスのトリオに匹敵した。

 

こう見ると、ユナイテッドであっても、成績を維持できる選手も一定数存在することが分かる。特に、ブルーノ、カゼミロ、マティッチ、エレーラと、中盤の選手でかつハードワークを厭わない選手は、ユナイテッドであろうが同等の仕事が出来ることがお分かりいただけるだろう。

 

 

一方で、実は、「ユナイテッドの時の方が偏差値が高かった」選手も存在する。

例えば、ヤング先生。

 

 

ユナイテッド在籍時に比べ、晩年~卒業後の成績の方が低くなっていることがお分かり頂けるだろう。要因として、ポジションが後ろに下がったこと(サイドバックをやるようになった)、加齢の影響、が挙げられる。

 

 

ブリント

 

 

彼もユナイテッド晩年の成績が低下しており、移籍後も同様の偏差値となっている。ただ、どちらかと言うと、2016,2017の偏差値がむしろ高すぎた、と言えるかもしれない。同ポジションの他の選手と比べても、この時の偏差値は非常に高値だ。ヤングと比較してもらえればお分かりいただけるだろう。

 

 

スモーリング

 

 

ローマ移籍時に非常に高い偏差値を出したが、翌年以降は偏差値が低下。これは恐らく加齢による物だろう。

 

 

ダルミアン

 

 

インテル移籍で大復活のような印象を持っているが、実際偏差値で表してみるとデータ上はユナイテッド在籍時の方が良かったことになる。チーム自体が上手く行っているか、そうでないか、によって大きく印象が変わる選手、と言えそうだ。黒子的な役割なので、チームが勝てないとどうしても「攻撃面で目に見える貢献が無い選手」と言われてしまいがちなのかもしれない。

 

 

最後に、これらに当てはまらない選手を見ていこう。

 

マウント

 

 

マウントは、そもそもユナイテッドに来る前のシーズンから一気に成績の低下が見られていた。そして当然、ユナイテッドでも成績は同等(実際にはさらに少し低下しているが…)だ。この前年の成績なども鑑みれば、2000万ユーロくらいが妥当だったハズなのに、トップパフォーマンスのみを見て6000万ユーロ以上突っ込んだ判断は異常だったと言わざるを得ない。

 

 

エリクセン

 

 

エリクセンはブレントフォード時代に比べると明らかに成績が低下しているが、実はインテル在籍時とは同じ程度だ。当然トッテナム時代よりは低くなっているが、これは起用方法の違いと言えるだろう。

トッテナムやブレントフォードではファイナルサードでの仕事(ゴールや、特にアシスト・キーパス)が求められた一方、インテルやユナイテッドではより深い位置からのビルドアップでの貢献が求められた。そうなると、当然目に見える数値は低下するので、偏差値の低下は致し方ないところだろう。

 

 

ダロト

 

 

一度だけミランにレンタルしたことがあるが、移籍とかチームとか関係無く、少しずつ偏差値が低下している。特に去年の落ち込みが酷いが、これはテンハーグによってサイドバックっぽい仕事より、中に入ってビルドアップの仕事を求められるようになったことが大きいだろう。

つまり、彼もエリクセンと同じで、求められる仕事が変わったために見た目の偏差値が低下したタイプ、と言える。

ただ、クロスが余りにもお粗末なので、そこを改善しないと長期的な成長は見込めないだろう。

 

 

マタ

 

 

我らがマタは残念ながらユナイテッドの成績しかないので特に解析することが出来ない。2020年に一度成績が低下したが、そこから復活してきたことが分かる。もう少しプレータイムを与えるべきだったと今でも思う。アモリムにはマタみたいな選手が合ったんだろうなぁ。

 

 

ショー

 

 

彼も、ユナイテッド以外のデータが無いので参考値。こう見ると、1年おきに偏差値が上下することが分かる。サイクルで言えば今年は良いショーが見られるハズだったのだが…。そもそも代表に出たせいでクラブの試合に出れないようじゃ問題外だ。

 

 

いかがだっただろうか。

確かにこう見ると、ユナイテッドでは成績が低下する選手は予想通り多く、しかも特に攻撃的なポジションに顕著であった(サンチェスを筆頭に、デパイ、ムヒタリアン、ポグバ、ロナウド、サンチョ)。ただ、中には、そもそも金が無くて老齢の選手を取ってきているから、というケースも見受けられた(イブラヒモビッチ、カバーニ。ヴァランはそもそもレアル時代に衰えていたのにネームバリューのみで獲得したフロントがバカ)。

 

一方で、ユナイテッドに来ても成績が低下しなかった選手も一定数存在することも明らかとなった。ルカク以外では、ブルーノ、カゼミロ、マティッチ、エレーラ、ヤング、ブリント、スモーリング、ダルミアンが該当する。基本的に彼らに共通しているのは、健診性の高い選手、守備をキッチリこなせる選手だ。

 

これまで、ユナイテッドは移籍選手の墓場と見られていた。実際私もそういう印象だ。しかし実際のところ、ユナイテッドでもパフォーマンスを発揮できるかどうかは、パーソナリティに依るのである。責任感と自律意識を持ち、クラブのためにコミットする。そういう性質の選手であれば、ユナイテッドであろうがプレーの質は低下しないのである。

 

もちろん、今回の解析で偏差値が低下した選手たちは、他のチームでは良い成績を収めている。そのため、クラブ自体に問題があることも確かである。

当然我々には、獲得する選手を精査し、上記のprofileに合致する、献身性の高い選手にフォーカスして補強を行いスカッドを形成していくという手段もあるが、それは問題の本質を無視する行為に他ならない。彼らの成績をユナイテッドでのみ低下させてしまう根本原因がどこにあるのか、それを探り、修正していくことが最も喫緊の課題と言えるだろう。外野には、それが何なのか分からないのが歯がゆいところなのだが・・・。

ただ、それは一朝一夕では達成し得ない。5年以上の月日が必要となるだろう。そのため、結局は、直近の成績を改善するためには当面は「献身性の高い」選手に絞ったアプローチが必要となっていくだろう。

献身性も能力も高い選手なんて、ブルーノ以外にそうそういる物ではないし、そういう選手は当然高額なので、そうは言っても難しいところだ。

次回は、来年の補強を現時点で考えてみたい。