どうも、Schusseです。
例年以上に時間がかかってしまった22-23シーズンの成績表解析も今日でようやく最後。センターバックの章に入ろうかと思う。
CBを最後に回した理由は単純で、「最も数値化が難しいposition」だからだ。
なんせ、強いチームほどディフェンスの回数が少ない=CBの偏差値が低く出がち、になってしまう。そのため、守備が脆弱で、最後の砦のCBが体を張ってディフェンスしているほど、そのCBは優秀ということになってしまう。
ということでCBの解析は難しいのだが、その中でも「強いチームにありながらディフェンスのスタッツが高い選手」は存在する。また、近年はCBにビルドアップ能力が高く求められる傾向があり、その点は数値化可能だ(こちらについては、ボールを持つ回数が高いチームのCBほど値が高く出てしまう傾向はあるが)。
前置きが長くなったが、データに参ろう。
まずはいつも通り3大リーグから。
右に行くほど守備力に秀でたCBで、その中で平均線より上に出ていればビルドアップ能力も高いということを意味する。
まず目に付くのがピケだ。昨年の時点で36歳だがまだ守備力も高く、かつビルドアップにおいてもすべてのCBを上回っている。良い選手だった。ユナイテッドでもうちょい活躍してくれていたらなぁ。
他に優秀なのがLucas Martinezだ。
特にビッククラブにおいては、CBに求められるビルドアップの水準が高くなる。そう考えると、縦軸において56を超えるような選手が望ましい。ある程度の出場時間を確保できた(星が大きい)選手で言うと、Joe Gomez, (ちょっと意外だが)バディアシレ、チアゴ・シルバ、クリバリ、アルバレス、ミリトン、そしてわれらがマグワイア、ロメロ辺りが第一集団に入ってくる(Multi defender, Defense leader共に偏差値56以上で、かつ平均線より上)。
それ以外だとDanilo, Kim Min-Jae辺りも優秀だ。
こう見ると、CBを爆買いしたチェルシーの選手が多い。これ以外にさらにコールウィル、チャロバー、フォファナ、ディザシがいるんだからどうなっているんだ(クリバリはもういないけど)。
一方で残念なのがアラバ、ヴァラン、コーディ、ロマニョーリと言った選手達だ。彼らは全体的には守備時に待ちの傾向があり、アクティブにボールを奪いに行く選手と比べると偏差値が出ない。シュクリニアルとかも同様だ。
年齢で見るとこうなる。若手ではスカルヴィーニが注目株だが、偏差値という点ではまだもう一押し欲しい(と言っても、低くは無い)。。それ以外ではbadiashile, Thiaw, Colwillが注目となるだろう。
続いてブンデス・リーグ1。
トップはマブロパノスだ。次いでパヴァール、フンメルス、シュロッターバック弟とブンデス勢が続く。
嬉しいのはバイリーだ。何だかんだ言うが独力で奪いきる力はやはり高い。
パス能力で目立つのはウパメカノ。バイエルンだと守備機会が少ない分、ライプチヒ時代と比べるとディフェンス力の偏差値は低下したが、ビルドアップでも貢献が出来る。
一方残念なのはターだ。コスヌも近いところにいる。これはクラブの戦術の問題なのか、それとも…? ただ、1つ言えるのは、ターは一昨年くらいまではかなり偏差値が高い部類だった。それを鑑みると、おそらく戦術の影響が出ているのだろう。
若手で言うと、Smolcic, Gvardiol, Lukebaが注目株となる。ご存じの通りグヴァルディオルは昨年までライプチヒ、ルケバは今年からライプチヒだ。
次いでなのでラダーも見ていこう。
まずはユナイテッドの3人。
実は、とにかくマグワイアは偏差値は高い。
ショーはSBとしても出場していたので単純に比較するのは難しいが、リサマルと比較してもインターセプト、クリア、ショットブロックでは引けを取らないし、タックルの成功率も高い(タックル自体の成功数やクロスブロックはリサマルの方が上だが。そして当然、空中戦は圧勝だ。他にも、パスヤード総距離数、ロングパス成功数、サイドチェンジ成功数でも上回り、キャリー(持ち上がり)でもショー以上。
真面目にやれば、スピード以外の面では相当頼りになる。んだけど、なぜか批判されるんだよあぁ。まぁ足が遅いのは欠点としては大きいんだけど(本当はCBの偏差値にはスピードの値を入れ込みたいのだが、各選手のスピード関連のデータを公開しているサイトが見つからないのでいまだに入れ込めていない)。
ユナイテッドその2。
とにかく、ヴァランって数値にすると試合中に何をしているのか全く分からない。タックルしない、インターセプトしない、パスも少ない。ボール持った時の立ち振る舞いはエレガントで雰囲気あるんだけど、でもそれ以上ではない。
シティとも比較。
シティのCBは基本パスはマグワイア以上だが、ボール奪取スキルではマグワイアが上だ。
とは言え、ストーンズやアカンジとの比較だと、マグワイアはパスでも引けは取らない。Long key passがもうちょいあるともっと良かったけど。
ついでにエヴァンス。
エヴァンスはパスうまくなったよねぇ。特に左足がメチャンコ上手くなった。鈍足なのでマグワイアと並べると不安しかないけど。
それ以外の選手も並べるので興味があったら見てくれ。
Van Heckeはちょっとプレー時間短いが、どちらもパス、守備共に優秀だ。
Joe Gomezはサイドバックとしてのプレーも増えたので参考程度ではあるが、徐々に生きる道を見出しつつある。
バディアシレは守備、攻撃共に悪くない。左利きと言うのもポイント高い。
クリバリはデータで見るとそこまで悪くはなかったんだけど。タックルもかなり多いし、ロングキーパスもかなり記録している。単純にチェルシーが悪かっただけなのでは無かろうか。
キム・ミンジェも平均的に良い。データには乗らないが、スピードもそこそこあるのも嬉しい。
レアルは選手によってかなり差がある。アラバはスタッツがかなり低いが、その分ミリトンは攻撃・守備のバランスが取れている。一方ベドナレクは攻撃がさっぱりなのでビッククラブ的には難しいが、インターセプトがとにかく多く下位チームにとっては有難い存在だ。
個人的にはロメロは推しだったのでユナイテッドに来てほしかった。
コナテはちょっと伸び悩み気味。ライプチヒ時代は本当にエレガントな選手だったんだけど。Salisuはもう少し攻撃面での進歩が欲しい。
こちらの二人はパス能力は良いが、特にEric Garciaはやはり守備面の軽さが目に付く。
両極端の二人。それにしてもコールウィルのパス成績は素晴らしいね。まぁブライトンだったからというのもあるだろうが、oA(セットプレーやクロス以外のアシスト)の値も高い。
ジョレンテはMistakes lead to…(相手のシュートにつながったミスの回数)が多すぎる(=偏差値が低すぎる)。
こう見るとアトレティックはCBのバランスが取れている。
クリステンセンはもちろん良いが、相棒がアラウホ or クンデに限定されそうな気はする(裏のスペースは彼らにお任せ)。まぁその点はマグワイアほどではないだろうが。
ここから先は貼っておくだけにするのでご自由に見て頂きたい。
ブンデスとフランスでは、トップはマブロパノスとフンメルスだ。当然フンメルスはスピードには難があるが、ある程度守備機会は少ないと思われるドルトムントにおいてもこれだけのタックル・インターセプト・クリアを記録しているのは流石だし、パスは申し分ない。
以下については流していくのでこちらも見てほしい。例えば、
シュロッターベック弟は攻守でバランスが取れている
バイリは出場時間が十分ではないがタックル+インターセプト、ショットブロックは相当レベルが高いし、何気にロングパスの成績がやたら良い
ウパメカノはパスの成績が滅茶苦茶高いが、ライプチヒ時代に比べると守備全般の値は低下気味(それでも、低くはないが)
伊藤のスタッツはグヴァルディオルにかなり近い(Long key passでは劣るけど)
ザガドゥは結構優秀。これがFreeだったのはかなりお買い得だっただろう。
個人的に興味を持っているテアテはパスは悪くないしキャリーも出来るが、ボール奪取の面でもう一声欲しい
最近話題のヨロはインターセプトに優れる。パスは悪くはないが改善の余地がある。
では、本題の誰を取るか、だが、これはかなり難しい。何度も書いているように、CBはスタッツだけからは判断できないからだ。
ということで、この点は後日別途考えてみよう。
また、もう一つ難しい点として、スタッツが5大リーグに限られてしまうという点が挙げられる。個人的に今注目のCBはベンフィカのシルバと、スポルティングのイナシオ、デオマンデの3人だがいずれもデータが無い(さらに言うと、実はスポルティングのコアテスが一番面白かったりもするが、年齢的には厳しい)。
特にイナシオは左利きだしこの中でも抜群にパスセンスがありそうに見える(コアテスを除く)ので、注視したいところだ。一方でスピードはちょっと他には劣るかもしれない。