今期のPOGは今のところ快調に勝ち星と2着を量産しているが、振り返ると、現3歳世代も実はなかなかのラインナップで、うまく歯車が噛み合っていたら、春のクラシックもまた違った結果になっていたのではないかと思ったりする。
タラレバ祭になってしまうが、ノッキングポイントが本気でダービーを狙っていたら…、ダノンタッチダウンが本気でNHKマイルCを狙っていたら…、ダノンザタイガーが東スポ杯か共同通信杯でもう一つ上の着順だったら…、シャザーンが骨折しなかったら…。POGにも流れがあり、中心になるべき馬が一度道を踏み外すと、他の馬たちにも連鎖して、持ち馬全体がおかしな方向に進み出す。こうして溜まりに溜まった負のエネルギーが一気に爆発したのが、極悪馬場の皐月賞だった。
良馬場ならワンツー決着があっても不思議じゃないと、期待に胸を膨らませて送り出したダノンタッチダウンとシャザーンだったが、まさかの荒天に泣き、ダノンタッチダウンは半ば投げやりな先行策で大失速し、シャザーンは後方から早めに仕掛けてゴール前の伸びを欠いた。
この皐月賞がワタシにとってはどん底。ただ、落ちるだけ落ちるとバイオリズムは上向くしかないわけで、続くNHKマイルでダノンタッチダウンがあと一歩の4着に好走すると、ダービーではノッキングポイントが16番人気の低評価を覆す大激走で5着。そのノッキングポイントは休養を挟んで臨んだ新潟記念で、古馬の壁を破り見事に重賞初制覇を成し遂げた。V字回復はまだまだ続く。次はもちろん、シャザーンの番だ。
【セントライト記念】
◎⑭ソールオリエンス
○⑥シャザーン
▲④レーベンスティール
★①キングズレイン
★⑤ドゥラエレーデ
△⑦シルトホルン
3連単◎○▲ボックス
3連単◎⇔○⇒★
3連単◎⇒★⇒○
3連複◎○~★△
安定した先行力と鋭い決め手を武器にしていたはずのシャザーンが、すみれSで出遅れて最後に物凄い脚を繰り出したことで、この馬本来の脚質が分からなくなってしまった感じがする。
皐月賞が良馬場だったら、岩田望はどんなポジション取りをしたのだろう。個人的には自在性を生かした先行策で勝負してほしいと願っていたが、その後のダービーでの戦いぶりを見ると、距離不安もあってかテンから出していく態勢にはなっていなかった。結果的に有力馬が積極的に前で運んで、そこでの決め手比べになってしまったので、後方待機で外を回った組はまったく出番なし。ただ回ってきただけだった。
血統背景を含めファンの多い素質馬である。ダービーも5番人気に支持されていた。出るだけでなく上位争いを期待されていた証である。そこで見せ場すらない9着という結果は残念すぎたし、岩田望にはこの敗戦を糧に必ず秋に巻き返してもらわなければならない。
飛躍の秋が始まる。ひと夏越しての変化として友道師は、“少し前のめりの走りから体を起こして走れるようになった”と表現していた。母もやや晩成だったように、ここから本当のシャザーンに変身していく。大本命ソールオリエンスを相手に、どんな位置取りからどんな競馬を見せるか。期体感たっぷりに全力応援する。