ハープスター歓喜と今後 | SCHUMA 3冠日~競馬・POG・予想~

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2005年10月23日。ディープインパクトが菊花賞優勝。ついに無敗の3冠馬のオーナーになった。1993年初夏に始まったPOG人生。翌年にはサンデーサイレンス産駒が登場した戦国時代を12年11勝で生き抜き、SS指数によって発掘した史上最強馬で、今ここに天下統一を果たした。

 新潟2歳Sはハープスターが驚異の末脚で快勝した。直線の入り口では絶望的な位置取りだったが、外に持ち出されると一気に伸びて17頭をごぼう抜き。社内のテレビで見ていた私も思わず「強ぇ~」と唸った末脚は、なんと32秒5。次位が33秒3だから、0秒8も上回ったことになる。まさに次元が違った感じだ。

 ハープスターにとっては、この勝利で阪神JFから桜花賞・オークスへの切符を手に入れたことになり、同時に繁殖入り後の華麗なるベガ牝系継承という大仕事を担うことになった。

 POとしては、昨年のユニコーンS=ストローハット以来1年ぶりの重賞勝ちで、SCH個人としては11年暮れのラジオNIKKEI賞=ダノンバラード以来、2年半ぶりのタイトル奪取となった。1番人気の恍惚と不安を存分に味わい、かつてのイケイケ状態だったころとは違う1勝の重みを堪能させてもらった。

 さて、一日経てば歓喜は思い出に変わり、重賞ウイナーとして暮れから来春に向けた新たな戦いが始まる。そこでハープスターの今後について、今だから書けるあれこれ気付いた点を書き留めておきたい。

 まずはパドック。デビューからわずか1か月で、かなり踏み込みが強くなった印象を受けた。ディープ産駒にしては丸みがあるトモの作りは張りが増した感じで、母父ファルブラヴの強い主張を感じる。ただ、トモが大きくなっても体つきはまだ幼い。ファルブラヴの直子のアイムユアーズなんかもそうだったが、どっしりした下半身に上半身の成長が追いついたときに競走馬としての完成形を見るのだろう。その点でも、「胴が短いからマイルまで」という意見は安易な判断であり、もっと背が伸びて、前後のバランスが整ったときに、走りも適性もシルエットもさらなる進化が見込めるはずだ。

 レースぶりについては、勝ちっぷりの派手さにすべてが肯定されてしまうが、リスクの多い競馬であることは間違いない。個人的にはディープインパクトのPOであってもサイレンススズカを最強に推す“先行派”だ。展開に左右されるディープ型は、流れの緩急を問わず自在に繰り出せる爆発的な決め手がなければGⅠでは善戦マンにしかなれない。ハープスターが目指すべきは父譲りの決め手を持ったディープ型ではなく、先行抜け出しで牝馬2冠に輝いたベガ型であってほしい。そのためには、馬体の成長に合わせて少しずつ前で競馬ができるよう、調教から工夫してもらいたい。

 とはいえ、今回に限ればデビュー戦でぶつけられた精神面の不安もあったので、川田が無理せず馬なりでレースに入ったのは仕方がないところ。それがたまたま最後方の位置取りになったというだけ。また、新潟の芝の状態も、直線は外伸びの馬場だが4角までは内外の差がないので、無理して外から捲るくらいなら外回りの長い直線に勝負を賭けるのも理にかなっている。それでも川田自身が「焦った」とコメントしていたように、直線を向いたとき前との距離は絶望的かと思われたが…。追い出して真っすぐ伸びたのは収穫で、負けを覚悟したなかで勝利というオマケまで付いてきたのだから言うことなし。最後は抑える余裕まであったので、馬体へのダメージが最小限であることを祈るばかりだ。

 来春へ。すでに話題になっているが、松田博厩舎にはレーヴデトワール、サングレアルという2頭の超良血牝馬が入厩を待っている。ハープスターにとってはどんなに活躍してもサンデーRとキャロットの格差は大きく、サンデー2頭が目の上のたんこぶであることは間違いない。まあ、それはドラフトの時点から分かっていたこと。おそらく、新潟2歳Sを使ったのも9月以降にデビューする2頭とのレースのかぶりを避けるためで、今後のローテも2頭の空き家を探しながらということになるだろう。個人的には3冠日1位でサングレアルを指名しているので、ハープスターと2強を形成して切磋琢磨してくれるのが理想だ。

 ついでに、もう1頭。

 土曜の新潟芝マイルの未勝利を勝ったレヴアップスピンの走破タイムは1分35秒5だった。新潟2歳Sとは1秒差。馬場差やペースなどの違いはあるが、条件的に厳しかった土曜の馬場でこの時計で走れるのなら2歳Sに出ていても掲示板はあったのではないか。関東馬なのでハープとはしばらく当たらないだろうから、地味にコツコツ稼いで阪神JFを目指したい。