いつか行ってみたいと思っていた元巨人・條辺のうどん店。修業時代の様子や長嶋茂雄が書いた暖簾の話など、何度もテレビで紹介されていたので、讃岐うどん好きとしてはぜひ味わってみたいと興味津々だった。
そんな絶好の機会が突然訪れた。東武東上線の志木で数時間のヒマができたのだ。ここぞとばかり10分ほど下りに乗って上福岡まで足を延ばした。
閑静というか発展途上の駅前通りを直進すると、あの暖簾が目に入った。時間は午前9時過ぎ。さすがに客は1人しかいなかったが、私の後から続々と4人ほど入ってきた。さすが繁盛店といった感じ。20人ほどでいっぱいになる店内は、意外なほどBGMが大きい(店主の趣味か)。
冷やし温玉を2玉とかしわ天とゲソ天を注文した。これまで食べたどの讃岐うどんより太いが、コシがあってのど越しがいい。評判になるだけのことはある。確かにうまい。つるつると一気に平らげてしまった。
天ぷらは、かしわはこれで100円でいいのかと思うほどデカくてやわらかい。逆にゲソは揚げたてではなかったようで少々かため。それでも120円とは思えないボリュームだった。
実は来店したときは條辺不在で拍子抜けしたのだが、しばらくして大柄の男が入ってきたので、もしやと思うとやはりあの條辺だった。
黙々とうどんを打つ背中は、どことなくブルペンで肩を作っているクローザーを連想させる。そう思うと、できたうどんのコシの強さは、剛球投手のボールの重さに似ている気がしてきた。「ごちそうさま」「ありがとうございました」会話と笑顔のキャッチボールのタイミングも、もちろん絶妙だった。
いつか、また行こう。

