ダービーを目指して指名したつもりが、安楽死処分になったり(アドマイヤテンカ)、去勢されたり(マーシフルフェイト)、2着・取消・回避・回避と繰り返して未勝利のまま放牧に出てしまったり(カラメルマキアート)、休養の繰り返しだったり(アドマイヤテキサス)と、まったくいいところがない我がチーム3冠日の男馬たち。そんな中、ダービーの週にレースを使えるこの馬は、幸せではないものの“不幸中の幸い”くらいの評価はしてあげられるかもしれない。
ボーダレスワールド。
ダービーディスタンス向きの大型ダンスインザダーク産駒として注目を集めたのは1年前。だが、入厩目前にインフルエンザが発生し、函館競馬場直前で牧場逆戻りになって人生が一変した。その後は絞れない体とノドの持病との戦いとなり、デビューは3月の中山に。芝2000予定を芝1600に切り替え、1週繰り上げてデビューしたものの、直線で息切れして4着に敗れると、2戦目は4月の福島芝1200というすごい落ち目っぷり。しかし、そこでも3着に敗れた結果、ついに3戦目となる今回は旭川の交流競走というものすごい選択をしてきたのである。
舞台は28日の旭川第9競走ダート1000m(右)19:15発走
JRA交流競走「アルキバ特別3歳 条件3-1組」
ここに五十嵐冬樹で出走する。
それにしても「国境のない世界」という意味のボーダレスワールドという名前が、「中央・地方の垣根のない世界(=交流競走)」を意味しているように思えてくるとは、なんと皮肉なことだろう。
さらに驚いたのは、同じレースに阿部ちゃんのマイネルラウディーが出てくること。お互いにダービーを目指して指名した2頭が、ダービーの週に旭川で激突するなんて、1年前に誰が想像しただろう。
優勝賞金はわずか50万。
それでも勝ちたいと願うのは、もう意地でしかない。