もう金曜日。追い切りも終わり、枠順も確定し、そろそろオークスで買う馬を決めなければならないと思いつつもどこか心が動き出さないのは、昨日書いた天気という重要なファクターが「未定」だからだろう。おそらく、日曜当日の朝まで馬場状態を気にしながら迷走しそうな気がする。
それでも「買いたい馬」は2頭いる。
1頭は桜花賞で本命を打ったブラックエンブレム。出遅れて10着に終わったとはいえ、1週早く栗東入りしながら追い切りなしで臨む冒険に対して“2冠狙える器”という理由で期待したのだから、ここも買わないわけがない。
もう1頭は…。話は11年前にさかのぼる。私たち夫婦が新婚旅行で「ラスベガス→ブリーダーズC観戦」に行った際、同じツアーに参加していたのが開業前の田村調教師親子だった。その縁もあって開業後に厩舎にうかがったのが2001年の秋。そこで田村さんから聞いた話で印象に残っているのが、厩舎に初めての重賞タイトルを運んできた青葉賞馬ルゼルの話だった。外国産馬として初めてダービーに駒を進め、4コーナーでは勝てると思ったという。しかし、そこから粘りきれなかった裏には“青葉賞を勝たなければ権利が取れない”という意識から、どこかで馬に無理をさせてしまっていた仕上げの難しさがあった、と。今回、そのルゼルと同様、トライアルを勝って本番に駒を進めてきたのがレッドアゲート。テレビのインタビューで田村さんはフローラSについて「サラッと勝った」と表現していた。その「サラッと」という表現に“まだ目一杯ではない”という師の意地を感じた気がした。“ルゼルの教訓”が数年の時を経てどんな形で実を結ぶか、ソーマジックとの2頭出しで臨む厩舎の勢いに乗ってレッドアゲートには熱い走りを期待している。