「じゃあそろそろオイトマしようかな・・・」
今はすっかり自習の常連となった新中3のK君が初めて塾に来たときのこと。
「国語と英語はまずまず出来ている方なんで、最初は数学からしっかり対策したいです!」
そう言ってスパイクプラスの門をたたいてくれた生徒です。
「結構ムズい問題もありましたけど、ちゃんとやり方を聞けば全部いけましたね!」
塾に通うのは初めてだったということで最初は緊張もあったでしょうが、初回の体験授業からすっかり打ち解けてくれました。
とても学ぶことに対して意欲的で、私から
「テスト前の土日なんかはどんどん自習で使ってもらってもいいからね!」
なんてハッパをかけると、
「テスト前じゃなくても行ってもいいんですか?毎週とかでもいいんですか??」
と、ムチャクチャ嬉しい反応を返してくれたものです。
で、入塾以来、ほぼ毎週末しっかり自習に来ては学校の課題を進めたり塾の問題集を進めたり、一生懸命にコツコツと学習を進めております。
とても意欲的な姿勢で頑張ってくれるものですから、一緒の時間に頑張っている高校生の先輩たちにも良い刺激になっているようです。
良い相乗効果が生まれているのには、K君に感謝せねばなりません。
で、そんな彼の帰り際のセリフ。
「じゃあそろそろオイトマしようかな・・・」
冒頭のセリフですが、これには思わず笑ってしまいました。
なかなか中学生のチョイスとは思えません(笑)
普通だったら、『そろそろ帰ろうかなー』ですもんね。
「えらいおっちゃんみたいな言葉使うね!」
ツッコミを入れると、「えーそうっすかー、別に普通に言いますけどねー」なんて反応が返ってきました。
彼にとってはいたって普通の表現だったようです。
「読書はめっちゃ好きです!○○とか△△とか・・・」
入塾して随分たちました。
もうすっかり緊張はなくなり、毎日のように雑談に花を咲かせています。(←もちろん勉強もしっかりやった上で、ですよ!)
なるほど、国語や英語が得意なのも、色んな言葉を使いこなしているのも、本を読むという土台があってこそ。
活き活きと好きな作家の話をするところに、彼の熱量を感じます。
「こないだなんか5時間もぶっ通しで本読んでしまいました!おばあちゃんからは、『ちゃんと勉強もしなさい』って言われちゃいました・・・。」
なんて話も。
なるほど、本人もおばあちゃんも、本を読むことを勉強だとは思っていないようですね(笑)
好きだからやっている、ただそれだけ、ってなもんでしょうか。
そりゃ読解力だって身に付くし、語彙力だってそう。
勉強して頑張らなきゃ、っていう人間には、到底及ばないところに既に到達しています。
なるほど、やはり私の仕事の第一は、数学や理科を彼に仕込んで楽しんでもらうところにありそうです・・・。
「俺ってめっちゃ人に影響されやすいんやってー、俺もめっちゃ本読みたくなってきたわー。
じゃあ○○さんの小説で、これは良かったってやつ1冊教えてもらってもよい?」
たまに答えることを嫌がる人もいますが、今までの人生でしょっちゅう色んな人に投げかけて来た質問の類がこれです。
『好きな映画は?』『好きな小説は?』『好きな漫画は?』
私はむしろ映画も小説も漫画も全然触れてこない方の人生を歩んでいますが、大きな熱量を感じたときに気になって聞いてみることが多いのです。

で、ちゃんと聞いた限りはスマホにメモを取って、できるだけ自分もそれに触れてみる。
そうすることで、その人の琴線がどこにあるのかだとか、その人が大事にしているであろう価値観みたいなものが、おぼろげながらに見えてくることがあります。
純粋に作品を楽しむのと同時に、
『あー、そっか、こういうところがアイツ好きなんやろうなー』
みたいに想像を膨らませながら楽しめるので、1つの作品で2倍楽しめている気がします。
写真は彼に勧めてもらったものです。
相当な数の作品を読み込んできた彼のオススメということもあって、めちゃくちゃ面白い作品でした。
普段は全然小説は読まない私でも、あっという間に読了。
「いやー、めっちゃおもろかったわー、登場人物多すぎてどうなるかと思ったけど、展開がすごくってガッツリ引き込まれたわー」
好きな作品を人に紹介するのって、結構気を遣うものです。
ちゃんとお礼を言うと、
「△△もめっちゃ読んで欲しいー、あれはマジで感動する!ちょっとレベルが違いすぎますから!」
と、嬉しそうに喜んでくれました。
「おー、もうしばらく暇そうやから、また今度本屋行ってみるかな」
と、新たなメモを取り始めると、
「先生ー、□□とかは読んだことあります?恩田陸が面白かったなら、多分□□もめっちゃ面白いと思いますよ!」
他の生徒からも新たなオススメがわいてきました。
なるほど。
そういえば、今年の生徒らは読書家が多い。
休み時間に本を読んでいる子もチラホラ。
そっかそっか、普段は
「この問題がちゃんと解けるようになったなら、次はこのレベルの問題とかやっといたらいいよ!」
なんて私の方から彼らにオススメをするわけですが、その逆襲にあっている感じですね。
ふっふっふ。
今は読書のモチベが高い時期、喜んで次の作品にも手を伸ばしてみようと思います。
きっと私は小説の初心者ですから、『何から読んだらいいか分からん』みたいな状態なんです。
これもきっと勉強の初心者が、『何から勉強したらいいか分からん』と一緒なんだと思います。
しっかり私の助言を彼らに聞いてもらうためにも、逆に彼らの助言には真摯に耳を傾けて、素直に学んでみようと思います。
趣味は読書です、なんて言う日は当分来そうにありませんが、「○○も△△も、何冊かは読んだことあるよー」くらいは言いたいものです。
せっかくのチャンスですから、読書家の生徒らから盗めるものは盗んでやろうと思っています。
無論、そのお返しに、私の持っているものも無理矢理押し付けてやりますからね。
持ちつ持たれつの精神で、頑張っていきましょうね。
さ、今日も帰ってチョロっと読書の続きでもしましょかね。
『めっちゃ続き読みたいー!』までの気持ちにはなれてないのは、きっと彼らよりも適性がないからなのでしょう。
しかし、『読書くらいした方がいいよね』って気持ちはあるので、提出義務のない楽しい宿題やと思ってのんびり取り組みます。
たくさん読んでいるうちに、自分の気持ちがどう変化していくかはすごく楽しみですからね。
しばらく読書週間は続けていこうと思っております。
ということで、そろそろお暇させていただきますね。
読書の春、西野でした。