渋谷「~~、~~~…」
渋谷は下を俯きながらブツブツ喋っている。
彩「ブツブツ、ブツブツ、何言うてるか分からんわ。」
渋谷「……ぶっ殺す。」
渋谷がキッと彩を睨みつける。
今までにない鋭く強い眼光だった。
ダンス(強い目……。)
彩「おーこわ。でもな、言葉で喧嘩は決まらへんねん。実力に伴っとんのか?その言葉。」
渋谷「…うるせえよ。」
彩「あ?」
渋谷「うるせえっつってんだよ。」
彩「よくそんな威勢よくいられるな。フラフラやん。」
確かに私は今、気力だけで立っている。
今にも倒れそうだ。
でも、ダンス、お前が私の両脚を支えてくれている。
だから私は今立っている。
ダンスに支えられて立っている。
渋谷「うらあああああああ!!!」
渋谷が勢いをつけて彩に向かって走っていく。
今までにない気迫。
彩も若干圧倒されていた。
彩(なんや、さっきまでとは全く別人やないか…!)
彩がそんな渋谷に気をとられ、一瞬動きが止まった。
とどのつまり、反応が遅れたのだ。
渋谷の渾身の一撃が彩を貫いた。
悪鬼「彩っ!」
渋谷の感覚では完全に極まっていた。
過去最高の一撃。
今まで渋谷の繰り出したどの攻撃よりも極まった一撃。
実際、そうであった。
渋谷に思わず笑みが零れた。
が、しかし、渋谷の目の前にはのけぞりはしたものの、倒れていない、彩の姿があった。
彩はゆっくりと上体を起こす。
渋谷「バカな………」
彩「いったぁ。今のは効いたわ。うちやなかったら勝負あり、やったな。」
菜々「…さすがのフィジカルや。」
自分の全てを乗せた最高の一撃。
それを出し切った渋谷に力はもう残されていなかった。
渋谷は崩れ落ち、膝をついた。
彩「どうやら、今のが最後の攻撃、みたいやな。」
菜々「…決着、やな。」
彩の右蹴りが渋谷に炸裂した。
音が響く。
そして、渋谷は血潮を吹き、再び、天を仰ぐこととなった。
その横で横たわるダンスの頬に涙が伝っていた。