スコレー・アスコルーに寄せられる質問のうち、比較的よくあるものに、「小論文が時間以内に書き終わらない。どうすればよいか」というものがあります。
400~600字くらいであればまだしも、1000字を超えるようなもの、例えば都立看護専門学校の1200字の小論文答案を、試験時間(都立の場合は90分)以内に内容をきちんとまとめた上で書き終わらせるというのは、文章を書き慣れている人にとってもかなり大変です。そこで時間配分のコツが必要となります。
ポイント① 自分がどのくらいのスピードで文字を書けるのか計ってみる。
課題に必要な文字数(例えば都立看護専門学校なら1200字)を書くのに何分かかるか。時計を使って一度計ってみましょう。文字は、なぐり書きにならない程度でかまいません。途中で失敗して書き直したり、書いた後に見直したりすることを考えると、ここで計った時間に10~15分ほど加えた時間が、答案を書くのに必要な時間ということになります。
ポイント② 構想はしっかりと練る。
試験時間から、ポイント①で調べた時間を引いたものが、構想を練るのに必要な時間ということになります。
その時間をめいいっぱい使って構想を練ってください。ここでは漠然としたものではなく、ある程度具体的に話の流れを決めてしまいます。どのように話を進めるのか。どういった経験・事例を書くのか。問題用紙の余白に箇条書きにして書き出しましょう。できれば内容だけでなく、各段落を何文字(何行)くらいにまとめるのか、というところまで詰められるとベターです。
ポイント③ 書き始めたら最後まで一気に書き上げる。書きながら考えてはいけない。
そして構想が決まり、書き始めたら、最後まで一気に書き上げてしまいましょう。
書きながら考える人もいますが、書きながら考えると、時間をロスすることが多く、また、どんどん新しいことが思いつくので、話が最初の問題からどんどんズレていきます。友達とお話をしているときに、ちょっとした言葉をきっかけに話がどんどん脱線していって「あれ? 何の話をしていたんだっけ?」となるのと同じことが起こります。友だちとの会話ならそれでも構わないのですが、小論文の答案としては、「何の話をしているのかわからなくなる」というのは致命的にまずい。
「書きながら考える」のではなく、「考えてから書く」ように心がけてください。
ポイント④ 必ずしも制限字数ぴったりに書く必要はない。
「1200字以内で書きなさい」と言われると「1195字くらい書かないと評価されないのではないか?」と思ってしまう人がまれにいますが、そんなことはありません。1200字で書けという課題で400字くらいしか書いていないというのはまずいですが、だいたい制限字数の9割くらい、1200字なら1100字くらい書いてあればきちんと評価してもらえます。答案が完成した後に数行空きができたからといってそこに追加の説明を加える必要はないわけです。最初の問題提起から最後のまとめまで、論理的で筋の通った答案となっていれば、ちゃんと評価されます。文字数ぴったりにすることより、筋の通った答案を完成させることを優先してください。
時間内に答案を書き上げるために、ぜひこれらの点に気をつけてみてください。
スコレー・アスコルー
http://scholeascholou.web.fc2.com/index.html