◆昭和医科大学附属看護専門学校(一般Ⅰ期)
出願期間 11月25日~1月5日
試験日 2026年1月12日
試験科目:国語、数学ⅠA・生物基礎から1科目選択、面接
過去問は学校のホームページで公表されている。
国語
本校の国語の問題は、関東の専門学校のうちでも特に独特で難易度的も高い。他の科目はそれほど難しくなく、問題数も少なめなので、学校として国語力に力を入れていることがわかる。
最初に「漢字」「慣用句」「文法」「文章表現・敬語表現」など国語知識系問題がずらっと並び、後半に読解問題が1題というのが例年のパターンだ。また、大問1、2、……といったよくある分け方ではなく、国語知識系問題から長文読解まで、ずらっと問題が続いている。この出題形式はおそらく今年度も変わらないので、過去問に取り組み、この出題方式に慣れること。
国語知識系問題は全体として難しいが、「漢字」の問題は特に難しい。六大学以上の大卒者でも「読めない漢字があった」という報告を受ける。
過去問をいくつかピックアップしてみよう。「綱紀粛正」「帰依」「辟易」「黎明」「截然」「慇懃」「大仰」「敷衍」「傍目」「忽然」「周章狼狽」「上意下達」「相好」「懇ろ」「拠り所」……。すべて問題なく読めるだろうか。
レベル的には漢検2級程度の問題だ。一般的な看護学校の入試は3~4級のレベルを意識して出題している。本校はそれよりもレベルが高い。一問でも多く点数を取りたいなら、漢検2級を目標に漢字の対策をしていきたい。
また、「う」と「お」、「ず」と「づ」の使い分けといった「仮名遣い」の問題も毎年のように出題される。「とおい」と「とうい」のどちらが正しいかといった問題だが、「まぢか」と「まじか」、「りずめ」と「りづめ」のように、間違えやすいものもある。使い分けの仕方は確認しておこう。
また、知識系問題の最後には、論理系の問題が出題される。初めてみるとどう考えたらよいか困ってしまうのが、論理系の問題だ。例年のパターンでは、①三段論法と②対偶をとって真偽を判断する問題が出題されることが多い。
①なら……
Aさんは看護学生である。ここでは看護学生は常に名札を着用する。ゆえにAさんはここでは常に名札を着用する。
……といった三段論法が正しいかどうかを判断させるものだ。この手の問題は、数学の問題ではないが、ベン図を書けば簡単に解ける。
②なら……
ノートパソコンを所有していない学生がいれば、それはこの大学以外の者である。
……という命題が、与えられた命題と一致するかどうかを判断させるものだ。この場合は、対偶をとって判断してみればよい。命題と対偶の真偽値は一致するから、「対偶」を取った形が、選択肢と同じになっていれば、それが、命題と同じ内容のものになる。これは、ちょっと慣れが必要。たいていの場合は、対偶を取る解き方で解ける。
このパターンのほかに、2025年度の問題では、第13問の、二つの文の内容が同じか異なるかを判別させるという、独特な形式の出題があった。主語と述語の対応を意識して読み比べてみよう。
こういった知識系問題の後、読解問題が出題される。空欄補充問題などに続き、最後に記述説明問題が1問出題される形が例年の出題パターンだ。ほとんどが選択式だからといって油断しないように。
全体としてみると、問題量はかなり多い。前半の知識系問題に戸惑って後半が時間が足らなくならないように、時間配分には注意が必要だ。
勉強方法としては、学校が配布している過去問題集に十分に目を通し、さらに、知識系の問題集や参考書を用いて、漢字、四字熟語、語句の意味、言葉づかい等の知識系問題をしっかりおさらいしておくことである。漢検の問題集はおススメの教材だ。
論理系の問題には、一般の就職対策本の一般教養・一般常識問題集を用いて、論理判断の問題をこなすとよい。(就職試験の問題には、ほとんど同じ論理系の出題がけっこうある。)
数学
2024年度は大問6問の出題だった。2023年度は大問8問。
近年は6~8問程度の出題のことが多い。近年の1期試験の問題構成は以下の通り。
《2025(R7)年度の一般1期の問題構成》
大問1 小問集合(根号のある式の計算、因数分解、場合の数、2次式(平方完成)、集合、三角比(三角形の面積)、一次関数など8問)
大問2 2次不等式
大問3 場合の数
大問4 2次方程式(判別式)
大問5 3元連立1次方程式
大問6 図形(証明問題)
大問7 整数の性質(証明問題)
《2024(R6)年度の一般1期の問題構成》
大問1 小問集合(式の展開、因数分解、根号のある式の計算、一次不等式、組み合わせ、二次関数など7問)
大問2 三角比(正弦定理、余弦定理)
大問3 三角比(三角比の相互変換)
大問4 集合
大問5 整数の性質
大問6 組み合わせ(経路問題)
《2023(R5)年度の一般1期の問題構成》
大問1 小問集合(式の展開、因数分解、分母の有理化、連立不等式、組み合わせ、集合)
大問2 命題
大問3 命題
大問4 二次関数(平方完成・頂点の座標)
大問5 三角比(余弦定理)
大問6 三角比(相互変換式)
大問7 場合の数・確率
大問8 整数の性質
《2022(R4)年度の一般1期の問題構成》
大問1 小問集合(式の展開、因数分解、連立不等式、分母の有理化)
大問2 二次関数(判別式)
大問3 式の計算(√の計算)
大問4 三角比(正弦定理)
大問5 確率
大問6 文章問題(1次不等式)
《2021(R3)年度の一般1期の問題構成》
大問1 小問集合(式の展開、絶対値記号のある不等式、因数分解(因数定理)、三角比(余弦定理)、
)
大問2 有理化
大問3 小問集合(一次関数、2でも3でも…割り切れる数)
大問4 データの分析(平均値、中央値)
大問5 二次関数(対称移動、判別式)
大問6 確率
202年度の問題は、全体的に見れば基本的な問題が多いものの、最後の2問は証明問題だ。証明問題を課す看護専門学校は珍しい。計算できるだけでなく、きちんと説明もできるように準備していきたい。問題集だけでなく、教科書の証明問題なども復習しておこう。
生物
大問4問。近年の問題構成は以下の通り。
《2025(R7)年度一般Ⅰ期の問題構成》
大問1 心臓
大問2 記述問題(スプライジング、細胞性免疫と体液性免疫、免疫寛容、特定外来生物の定義とその一例)
大問3 ホルモン、神経系(血統濃度の調節)
大問4 酵素、細胞分裂、DNAとRNA、交感神経、免疫、HIV、バイオーム
《2024(R6)年度の問題構成》
大問1 細胞分裂、細胞周期(グラフの記述問題も含む)
大問2 記述問題(炭酸同化と光合成、後天性免疫不全症候群、DNAとRNAの構造の違い、一次遷移と二次遷移)
大問3 肝臓(肝臓の構造とそのはたらき)
大問4 細胞呼吸、血液成分、腎臓の構造、呼吸・循環の中枢、副交感神経、すい臓とホルモン、免疫グロブリン、国内在来種)
《2023(R5)年度の1期試験の問題構成》
大問1 酸素解離曲線
大問2 記述問題(血清療法、グルカゴン、適応免疫、日本のバイオームの水平分布)
大問3 腎臓(腎臓の構造と機能、濃縮率の計算)
大問4 染色体、細胞小器官、ATP、肝臓の機能、交感神経の作用、副腎から分泌されるホルモン、体液量の調節に関与するホルモン、陰性植物
《2022(R4)年度の1期試験の問題構成》
大問1 DNAの複製、タンパク質の合成
大問2 記述問題(細胞内共生説、免疫寛容、大量に発汗した際の腎臓における変化、炭素循環)
大問3 心臓(拍動の速さ)
大問4 細胞の構造、細胞分裂時の染色液、適応面接、肝臓のはたらき、血液中のカルシウムイオン濃度、ホルモン、交感神経、バイオーム
《2021(R3)年度の1期試験の問題構成》
大問1 免疫
大問2 記述問題(日和見感染、セントラルドグマ、ワクチンと予防接種など)
大問3 酵素(酵素反応における基質濃度や酵素の量と反応時間・反応速度の関係)
大問4 細胞、恒常性の維持(血管、肝臓、腎臓、交感神経・副交感神経のはたらき、血糖濃度の調節)、地球温暖化
例年、記述問題が多い。
生物基礎範囲から幅広く出題されるので、どこを出題されても、正確に記述、説明できるようにしておく必要がある。過去問に取り組む際、学校や塾の生物の先生にお願いして、記述問題のチェックをしてもらうなど、それぞれの立場でできる練習を重ねてほしい。
細胞に関する問題(細胞の構造や細胞小器官、細胞分裂など)、人体にかかわる問題(心臓や血液、肝臓、腎臓のはたらき、ホルモン・内分泌系、免疫)あたりを中心にしっかりと復習し、バイオームや生態系について軽くおさらいしておくと、ある程度得点を取れるだろう。
面接
1:2の個別面接形式。面接時間は10分程度。
大きな空間にいくつもの机を並べて、一度に大勢の面接を行うのが特徴。また、タイマーでしっかりと時間を図り、時間が来たら途中でも終了となる。
多くの学校では面接は個室で行われ、面接官との距離も結構離れている。ここはそうではない。目の前に面接官が2人おり、隣を見れば、他の受験生が面接をしている。当然隣の机からの声も普通に響く。本校独特のなんとも言えないこの雰囲気に、自分のペースを惑わされないように、集中したい。
面接の質問内容は、エントリーシートに記入したことが中心となる。エントリーシートのコピーをチェックし、どの部分にツッコミが入ってもしっかりとした受け答えができるようにしておくと良いだろう。一般的な質問内容を挙げておくならば、看護師・学校の志望理由、家族・友人について(看護師になることについて周囲の反応)、これまでの人間関係や対人トラブル、職種・キャリアについて、経済問題(学費・生活費について)、若い人との人間関係、理想の看護師像、自己PR1分などである。
《面接試験でよくされる質問》
Q1.なぜいま看護師をめざしているのですか?
Q2.本校を受験されたのはなぜですか?
Q3.将来、どんな看護師を目指しますか?
Q4.自分の性格の長所と短所を言ってみてください。
Q5.これまでの社会人経験で学んだことは何ですか?
Q6.周囲の若い学生たちとうまくやっていけますか?
Q7.これから勉学に専念できる経済的な裏づけはありますか?
Q8.ご家族の理解は得られていますか?
Q9.健康のために気をつけていることは?
Q10.○分間で自由に自己PRしてください。
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2025(令和7)年度 昭和医科大学附属看護専門学校 入試問題 解答・解説
2024(令和6)年度 昭和大学医学部附属看護専門学校 入試問題 解答・解説
2023(令和5)年度 昭和大学医学部附属看護専門学校 入試問題 解答・解説
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2021(R3)年度 昭和大学医学部附属看護専門学校 入試問題 解答・解説
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社会人・大学生のための看護系受験研究会
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