市川會の千穐楽にも行って来ました。
もう先月の12日のことになるんですね。
✳︎カーテンコールの時のことが微笑ましくて楽しかったので、覚えている内にと思い追記しました。
(が、既に細部は記憶の彼方でした。。。)
襲名のご祝儀で出演してくれるメンバーの豪華なこと。
海老蔵さんが古典芸能の素晴らしさを少しでも広めたい、体感してほしいと続けて来た古典への誘いを、ほかの古典芸能の方々も応援してくれているということなのだろうなと、チラシを見た時嬉しくなったのを思い出しました。
シアターコクーンに入場するとアンケートやチラシなどと共にパンフレットが一人一冊づつ渡されます。
チケット代に筋書き代が含まれているところに、三代襲名披露公演が出来たことへの、感謝の気持ちを見に来てくれるファンに対して筋書きとして贈ってくれているように感じました。
これが千穐楽の能楽師のメンバー。
壽紅さんの舞台を見るのは初めてでしたが、舞踊では緊張感のある堂々とした姿で、翠扇襲名をずっと辞退されていたと聞いていたこともあり、繊細で少し神経質な完璧主義の方なのかなと勝手に想像していたのですが、
が、
が、
が、
口上で印象がガラリと変わりました。
とってもとっても明るくて朗らかで可愛らしい方でした。
きっと、ちょっとおっちょこちょい。
そんな楽しい想像をしてしまうほどでした。
壽紅さんの口上で一気に場が和みました。
一気に観客の心を掴んだんじゃないかと。
かく言う私もすっかりファンになってしまいました。
壽紅さんの口上を聞いている麗禾ちゃんが、本当に楽しそうな嬉しそうな表情をしていて、家族の仲の良さが窺い知れたように感じてほっこりしました。
上手より壽紅さん、海老蔵さん、翠扇さん、そして一番下手がぼたんちゃんという並びでした。
ちなみに、今の市川海老蔵の父親が十二代目市川團十郎で、その妹が市川壽紅であり、この二人の父親が十一代目市川團十郎、海老蔵の祖父です。
そして、海老蔵の妹が市川翠扇で、海老蔵の娘が市川ぼたん、息子が来年八代目市川新之助を襲名する堀越勸玄です。
(ここのみ敬称略で失礼しました)
そんなわけで、この襲名を空から十一代さんや奥さま、そして、團十郎さん(十二代さん)と麻央さんがどれほどお喜びかと想像して胸が震えてしまいました。
まあ私の場合は、成田屋でなくてもどの役者さんの襲名でも口上で涙が出て来てしまうので、この公演で泣かないわけがないのですが。
(きっと、そんな方が多いので襲名興行はどの興行も人気なのだと思います。だって感動するんだもん。)
麗禾ちゃんの踊りは丁寧に大切に踊っていて、可愛らしく華やかで清楚なのに、そこはかとない色気もあって素晴らしかったです。
これから、大きな大きな花を咲かせて行ってほしいです。
彼女は本当に大人というのか、かなり成熟した精神を持って生まれて来ているように感じます。
これは、弟の勸玄くんにも言えることですが。
あの年齢で日々努力を積み重ねて行く様子を見せてもらっていて、私自身とてもいい影響をもらっていると思います。
あの二人を見ていると、年齢は単なる記号のようなもので、精神年齢とは全く別物なんだと感じます。
私の方がよほど未成熟だなぁと。
その勸玄くんは、麻央さんの人を明るく照らすような陽の気や、壽紅大叔母さんのひょうきんな血を感じるような、舞台に出て来ただけで見ている人を自然と笑顔にしてしまう魅力のある子ですね。
舞台に立って踊っているのが楽しい感が伝わって来る舞台でした。
しかし、カンカンは本当に安定感抜群ですね。
どっしりしていて、器がデカい。
そこはお祖父ちゃんの十二代さんから受け継いだものでしょうか。
二歳八ヶ月の初お目見えの舞台から見ていますが、その時から一貫してカンカンはどの舞台でも臆することなく堂々としていて品格があると思います。
一番すごいなと思うのが、他人軸じゃなくて自分軸な所。
自分の舞台の評価を観客の反応に求めず、自分が納得出来る内容で出来たかどうかで決めているというのが、本当にもうどこまで大人なのと思います。
七月の歌舞伎座の千穐楽での外郎売の貴甘坊役で、
自分の納得出来る演技が出来ずに舞台後悔し泣きをしている勸玄くんをブログで知り驚きました。
観劇後の感想は勸玄くん素晴らしいのオンパレードだったからです。
それもそのはず、泣いた理由というのが、
台詞を間違えたとかではなく、息継ぎに納得出来ない箇所があったからだと。
どれだけ自分に厳しいのか、
いや、どれだけ舞台を本気で楽しんで上を目指して演っているのかと、本気で御見逸れしました。
はい。
でも、他人軸でなく自分軸で生きることが幸せに生きる秘訣ですから、カンカンを見ると自分が今自分軸で生きているか問いかけるスイッチになったりするので、有り難いです。
なので、彼は盛大な拍手をもらっても得意顔とかしないんですよね。
既にというより、最初から子役ではない彼の先が楽しみ過ぎです。
好きこそものの上手なれとなりますように。
それこそ、今の彼の年代の歌舞伎役者の子たちは、どの子も本当に素晴らしいですよね。
もー、皆本気で覚悟を持って舞台に立っているので、その姿を見るだけでも惚れ惚れします。
そして、翠扇さんは覚悟がこちらにビシビシ伝わって来る道成寺でした。
美しく凛としていて、これからの活躍が楽しみ過ぎます。
そして、ご祝儀出演の尾上.藤間両宗家の舞台を初めて見ましたが、ご褒美をもらったような、思わず顔がニコニコしてしまう幸せな舞台でした。
やっぱり凄い方々なんだなと改めて感じましたし、
役に合わせた幸福感のあるふくよかなオーラを纏って、余裕があるのだけれど丁寧な素晴らしい踊りでとても贅沢な時間でした。
お二人共声も素敵なんですよね。
一言一言分かりやすいし流石の流石でした。
そして、最後の押し戻しの海老蔵さんもご褒美でした。
やはり荒事の役似合い過ぎました。
自分の中に成田屋に対する勝手な思い入れがあるので、どの演目も本当に胸に来るものがありましたが、高砂が本当にカッコ良かったです。
カッコ良かったなんて言うと、能楽をバカにしてるのかと怒られそうですが、分かっていない人間の戯言なので許して下さい。
それはもう圧倒的な迫力でした。
それこそ、海老蔵さんのブログにこの日の高砂を舞台裏から見ている子供たちが載っている「未来」がありますが、
こんな素晴らしい舞台をこの年齢で生で見て、肌身で感じて育って行く子供たちの未来が楽しみでなりません。
健康でいて生の舞台を見続けたい。
心からそう思います。
そんな親戚気分の人が沢山いると思うので、日本の健康長寿寿命の役にも少したっているのかも。
なんてね。
今日のおまけ
千穐楽だったので、拍手が鳴り止まずカーテンコールがありました。
勸玄くんが浴衣姿で舞台袖から出て来た時に、匂い立つような品を感じました。
涼やかで爽やかな香りを感じたような気さえして、少し驚きました。
白地に水色の浴衣の色合いが好みだったせいかもしれませんが、匂い立つオーラを感じてワクワクしちゃいました。
姉弟のお茶目な素の関係も出たりして、客席が大いに沸く場面もあって微笑ましかったですが、
幼いのにきちんと興行での自分での立ち位置をわきまえているようで、他の皆の襲名だから僕はそんなに目立っちゃいけないと思っているのだと思うのですが、
一人づつお客さんの声援に応えて一歩前に出てお辞儀をする場面でも、
ぼたんちゃんの次に僕も出ていいのかな?お父さんの顔をずっと見ていて、OKの合図が出たのを確認してから一歩前に出て来てくれるんですよね。
カーテンコールは二回だったか?
三回?
あー、忘れてしまいました。
やはり舞台はすぐに書かないとダメですね。
一度目のカーテンコールの時だけでなく、その後もその都度お父さんからのOKが出たのを確認して一歩前に出て来る姿に、なんだか凄いなと感じました。
普段はワガママ言ってもいいけれど、舞台上は全く別物だと深く理解しているのだなと。
最後の最後は(いや、多分最初のカーテンコールから)海老蔵パパが勸玄くんに向かって、ドンドン前に出て好きにやっていいよ。行け行け(あくまでも私の勝手な解釈ですが)そんな仕草をして、客席も来て来て好きな形をしたり、踊ったりなんでも好きなことやっちゃって!
そんな気持ちで拍手してるのですが(もちろんこれも私の勝手な解釈です)お茶目で楽しそうながら全然調子に乗ってくれなくて、ちゃんと自分の立ち位置に戻っちゃうんですよね。
さすがなんだけど、少し寂しかったりして。
ちなみに、
姉弟のお茶目な素顔が合間見えたとは、
最後の最後(やはりカーテンコールは三回あったのかな?)幕がしまりはじめた時に、海老蔵さんから勸玄くんに、更に行け行け好きにやっていいんだよの合図と思われるような、勸玄行っていいんだよって表情をしながら、左手で行け行けの仕草をしていて、客席も来て来ての大拍手で、
それを感じたぼたんちゃんが、お茶目な楽しそうな表情をして勸玄くんを幕の前に出ちゃえとばかりに押し出したんですよ。
さすが姉は強し!
客席もドッと沸きました。
そして、やった!幕の前に出て来て何かやってくれるかも!
押し出された勢いで幕の所まで出てきてくれて、
幕の前に出て来てくれるかも!期待が高まったのですが、
そこは育ちの良さや分別のある大人脳が優ったようで、幕と共に姿は見えなくなりました。
でも、お陰でとっても楽しいカーテンコールになって、幸せな気持ちで終わることが出来ました。


