
しかし祭りの華はやはり喧嘩のようで祭りの運営委員会からは固く禁止されていても、数百名の機動隊が防護服を着て街中を徘徊していても、翌年祭に参加できなくても、太鼓台の修理に何千万とかかり、それを各地区の一般家庭から頂くことになろうとも、毎年必ずどこかで喧嘩が起きます。
凄まじいのはこの喧嘩で、重量3トンの太鼓台をただひたすら全力でぶつけあうのです。もちろん審判員も居ませんのでどちらかが動けなくなるか、戦意を喪失するか機動隊に無理やり止められるかするまで死傷者がでようが終わりません。通常街を運行するときは太鼓台の下には巨大なタイヤが付いています。ですので離れた所から勢いをつけると結構なスピードでぶつかります。その時太鼓台の前後に付いている長さ10mほどの【かき棒】と呼ばれる太鼓台をかき上げる時に担ぐ巨大な棒がお互いの太鼓台に突き刺さるわけです!
ある地区が別の地区へ接近し挑発を始めた時点でまず観衆から拍手と煽る歓声が上がります。そして挑発された方が「相手にしてられへんわ~」と逃げて行く時もありますが、「いったらんかいー!」となったらいよいよこの鉢合わせが始まるわけです。このような挑発行為が始まると運営委員会のおっさんが「〇〇太鼓台やめなさい!警告します!〇〇太鼓台下がりなさーい!」と町中に響き渡るような大声でスピーカーで制するのですが、これすら演出ちゃうかなと思わされるほど観客はみんな興奮状態へと誘われます。そしてこのおっさんも異常に興奮して行き「やめ言いよろうが、こらぁ!!なんしょんじゃぁ!!」と方言丸出しになった時、
そこは【祭り】ではなく【喧嘩】でもなくこれぞ【喧嘩祭り】という雰囲気、例えるなら総合格闘技の選手入場が終わりリング中央でにらみ合ってゴングを待っているような幸福な高揚感に満たされます。
今回のこのような妻のルーツを探る貴重な経験をさせてもらってまずは妻とそのご両親に感謝の気持ちでいっぱいです。
次に発育段階において環境がこれほどまでに性格形成に影響するとは正直想像以上でした。祭りとは関係ないので省略しますが、妻だけではなく今回妻の地元の友人たちに会う機会もありましたが彼女らの個性も鬼ぐらい強烈でした。また妻のお兄さん、お姉さんともに気が短く特にお姉さんは妹に負けず劣らず、負けるのが嫌いな人です。祭りを見て来たと報告すると、祭りに対する愛情をたっぷりと挑戦的に語ってくれました。前から思っていたのは南大阪(堺、和泉含まず、岸和田より南)と雰囲気が似てますが、より注意して見てみると南大阪の方が冗談を言い合ってもっと愛嬌があります。
俺の地元にはこのような派手な秋祭りはありません。異文化に触れ、新しいような懐かしいような価値観を感じ取れた有意義な三日間でした。これからは俺の第二の故郷としてこの祭りを盛り上げて行きます!
ところで俺ら二人はギネスブックに載っているほど喧嘩が絶えない夫婦ですが(公式)、妻が俺に食ってかかって来る時は間違いなく「いったらんかーい!」の怒声とともに笛の音とあの掛け声が心の中にこだましているのでしょう。
「そうりゃあ!そうりゃあ!!」と。
そう思うと今喧嘩している妻が少しだけ微笑ましく見えて来るので不思議です

おわり







