先週まで怒涛の春期講習&体験授業で、このブログも開店休業状態となってしまいました。でも、それだけ本業が忙しいことはありがたいことですし、3・4月から新しい取り組みにもチャレンジしてみて、とても有意義でした。
春期講習も終わって一段落したので、今週から多少ブログを更新する時間は取れると思います。神奈川県の公立高校入試を分析して情報を共有することはこのブログを続けていく意義の1つですので、頑張って更新していこうと思います。
さて今年は1ヶ月遅れになりますが、2019年度公立入試を私の独断によってランク分けした神奈川県の公立高校と2019年度ST●P平均を元に分析していきたいと思います。
今回は基準内申77以下の高校を取り上げます。基準内申は創育さんの「平成31年度 神奈川県公立高校合格基準一覧表」を参考にしました。該当の高校は、二宮・茅ヶ崎西浜・上鶴間です。また、同じレベルの高校としては、新羽・生田東・菅・瀬谷西・保土ヶ谷・城山・相模田名・鶴見総合・秦野総合があります。
◆ 基準内申77以下の高校の5科平均の推移
2018年度と比べると、5科の合計点はほとんど同じだったことが分かります。しかし、内訳はだいぶ違います。それは2019年度神奈川県公立入試における合格者平均でも明らかなのですが、国語と英語の平均点が大きく下がったということです。
今年の受験において、生徒から受験対策の授業で耳を疑うことを言われたのが「先生、俺、国語の説明文捨てるわ」です。私は最初、生徒が何を言っているのか分からなかったのですが、彼は本気で国語の説明文の読解問題をいくら解いても、何が書いてあるのかよく分からないし、読むのが億劫だから、説明文で得点するのを諦めると言い出したのです。
今年の入試問題では国語と英語の問題文が長く、時間内に問題文をよく読んで解く余裕がなかった生徒は多いのではないでしょうか。国語や英語の読解力はすぐに身に付くものではないので、早い時期から根気強く読解問題を解かなければいけないと思います。
また、英語は英文読解が難化したとはいえ10点も平均点が下がっているのは、そもそも内申が9科27(オール3)より下の生徒たちの英語の知識不足によると思います。春は中1・2で学習した英文法を復習したり、不規則動詞の過去分詞形の暗記をするなど、文法の知識や語彙力を増やすと良いと思います。
英語は知識不足を指摘しましたが、理科は大幅に易化したとはいえ、平均点が16点以上伸びたのは、それだけしっかり得点できた生徒が多かったということです。同じ暗記が中心の科目でも社会の点数があまり伸びていないのは、社会の教科書の方が文字数が多くて、暗記するのが面倒くさいからでしょうか…。
◆ 基準内申77以下の高校と1ランク上の高校との比較
2019年度入試の異変の1つは内申79~83の高校の倍率がガクッと下がったことです。具体的には、新栄(-0.15倍)、上矢部(-0.16倍)、横浜緑園(-0.15倍)、逗葉(-0.11倍)、小田原東(-0.21倍)、座間総合(-0.22倍)、大和南(-0.08倍)などです。これには私立高校進学における補助金増額が影響していると思われます。
また、国語・数学・英語の主要3教科が難化し、厳しい受験だった2019年度入試ですが、オール3付近の生徒たちにとって、その影響はほとんどなかったと思います。(2018年度、2019年度ともに同じような数字です)
つまり、基準内申77以下の高校やオール3付近の高校を狙う生徒たちには、解ける問題をミスすることなく確実に得点できる力が求められています。また、基準内申以上の内申をとって受験に臨んだ方が、本番で得点しなければいけないという緊張から実力が出せないという状況にはなりづらくなるでしょう。
2019年度入試は2018年度にくらべ、中堅校(基準内申85~92)と内申77以下の高校との5科合計の点差が約20点まで縮まりました。これは定期テストや模擬試験などで確かな得点力を付ければ、内申が届いていなくても入試の点数だけで合格する可能性が上がったということです。事実、今年の自塾の生徒は内申がオール3に届いていませんでしたが、入試で中堅校の5科合計ぐらいの点数を取って合格することができました。
その生徒は中3生の春にはその高校を受験したいと考えていたそうです。ただ、内申が全く足りていなかったので、受験間近になるまで私やお母さんに言い出せずにいました。それでも彼の心の中では諦めたくない気持ちがあって、最後に志願変更して受験をしました。
これくらい強い気持ちで1年間勉強できれば、多少の内申のハンデなんかあってないようなものです。
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